幻覚には幻覚を
ラリー、リアナ、そしてダンの3人は村長の家の前に到着した。辺りは静かで、家の中からは何の音も聞こえてこない。リアナとダンは慎重に家の窓から中を覗き込んだ。
「いるわね…村長よ。」リアナが呟きながら、窓越しに椅子に座る村長の姿を確認した。「何も変わってない。普通に座ってるだけじゃん。」
ダンも頷いて同意する。「ああ、どうやら何も動いてないみたいだ。」
しかし、ラリーの視線は2人の背後に向けられていた。彼は驚愕の表情で立ち止まっていた。「ちょ、ちょっと待て…お前ら何を見てるんだ!そこには誰もいないぞ!」
リアナは目を細めてラリーを見返した。「何言ってんの?村長はちゃんと座ってるじゃん。見えてるでしょ?」
だがラリーは、明らかに異常なものを感じ取っていた。「いや、見えてないんだ。お前たちが見てるのは幻覚だ。あそこにいるのは村長じゃない!」
「はぁ?」リアナは苛立った声を上げた。「ちょっと、ラリー。いい加減にしてよ!幻覚草のせいでおかしくなってるんじゃないの?落ち着いて、冷静に考えなさい。」
ダンも腕を組み、苦笑しながらラリーに言った。「ラリー、幻覚草の効果だろう?今は冷静になって俺たちの言うことを聞いた方がいい。」
しかし、ラリーは頭を強く振り、必死に2人を説得しようとした。「いや、違う!今までずっとおかしいと思ってたんだ。何かが狂ってるんだ。村長が動けるのも、家が光ってたのも、全部幻覚だ!」
リアナはため息をついてラリーに歩み寄ろうとしたが、その時、ラリーは突然ダンの黒いハンドバッグに手を突っ込み、1つの爆弾を引き抜いた。
「おい!ラリー、それはやりすぎだろ!」ダンが焦りの声を上げたが、ラリーはすでに行動を開始していた。
「幻覚には幻覚をぶっ壊すしかない!」そう叫ぶと、ラリーは迷わず村長の家の中に爆弾を放り込んだ。
「ねぇ、ちょっと待って!」リアナが叫ぶも、爆弾はすでに家の中でカチカチと音を立てていた。
「うわあああ!」3人は慌ててその場から飛び退いた。次の瞬間、村長の家の中で大きな爆発が起こり、木材と埃があたりに飛び散った。
静寂が訪れた。
「…何やってんのよ…」リアナが呆れ果てた声で呟いたが、ラリーは爆風に巻き込まれた髪を乱しながら、満足げに頷いていた。「これで幻覚は消えたはずだ。」




