古びた建物の秘密
ラリーとリアナは古びた建物の中に踏み込む準備を整え、慎重にその扉を押し開けた。長い間閉じられていたため、扉の隙間からは埃が舞い上がり、軋む音が響いた。建物の内部は薄暗く、長い間放置されていたようで、壁にはカビが生え、床は腐りかけていた。
「気を付けて。何か危険があるかもしれないから。」リアナが警戒しながら、前に出て進む。
ラリーもそれに続きながら、周囲を注意深く見回した。「ここに来る前に幻覚を見たんだけど、何か意味があるかもしれないな。」
暗い廊下を進むと、途中で物音が聞こえてきた。ラリーとリアナは息を呑み、立ち止まった。音の出所を探ると、古い棚の後ろに何かが隠れている気配がした。
「誰かいるのか?」ラリーが声をかけると、棚の後ろからギシギシと音がした。やがて、少しずつ人影が姿を現した。
「驚かせてしまってすみません。」現れたのは、年配の男性で、ぼろぼろの服を着ていた。「ここにはほとんど誰も来ないんです。何か用ですか?」
「私たちは猫の捜索と、それに関連する幻覚薬草の情報を探しているんです。」ラリーが事情を説明した。
男性は興味深げに話を聞き、「幻覚薬草ですか。実はここに来る前に、ちょっと変わった薬草の話を聞いたことがあります。それはこの辺りの地下に隠されているって話です。」と語った。
「地下に…?」リアナが驚きの声を上げた。「どうやってそこに行けるんですか?」
「この建物の地下には古い階段があります。ただし、入口は壁の中に隠れているんです。注意深く探せば見つかるでしょう。」と男性が言った。
ラリーとリアナは男性に感謝し、建物の中をさらに探し始めた。壁を調べながら進むと、隠された階段の入口を見つけることができた。古い木製の階段が、長い間使われていなかったため、少し崩れかけていた。
「これが地下へ続く階段か…」ラリーがつぶやきながら、階段を慎重に降り始めた。リアナもその後に続く。
地下には湿気と古びた匂いが立ち込めていたが、照明が少しだけあったため、前を照らしながら進むことができた。地下の奥深くには、小さな部屋がいくつかあり、それぞれに怪しげな薬草や古い道具が散乱していた。
「ここが幻覚薬草の出所なのかもしれない。」リアナが呟きながら部屋を調べ始めた。
部屋の中央に、大きな木箱が置かれており、その中にはさまざまな薬草が入っていた。ラリーとリアナはその木箱を開けて中身を確認し始めた。その中には、見覚えのある幻覚薬草や、さらに奇妙な薬草が混ざっていた。
「これが幻覚薬草の元凶なのかもしれないな。」ラリーが慎重に薬草を取り出し、分析を始める。
「これがどういった目的で使われているのか、もっと調べる必要がありそうね。」リアナが言いながら、薬草の種類を確認していた。
そのとき、地下の奥から再び物音が聞こえた。ラリーとリアナは、振り向きながら警戒の態勢を取った。何かが地下に潜んでいるような気配が漂っていた。
「もう少し注意深く調べる必要がありそうね。」ラリーが言い、リアナとともにさらに深く調査を進める決意を固めた。