王家の風格
スラム街の公園での生活も、すでに数日が過ぎていた。ラリーたちは最初は不安もあったが、ホームレスたちが意外にも温かく迎え入れてくれたおかげで、次第に馴染んできた。
「やっぱりこの焚き火の前が一番落ち着くわね。」リアナが木の切り株に腰を下ろし、温かいスープをすすりながら言った。
「そうだな。こんなにのんびりできる場所があるなんて、予想外だったよ。」ラリーが同意しながら、スープの鍋をかき混ぜていた。
「俺はどこでも馴染めるんだぜ!」ダンが胸を張って言ったが、リアナがすかさずツッコむ。
「いや、馴染むのはいいけど、昨日の爆竹のせいで少しだけ避けられてたでしょ!」
「それも俺の魅力の一つだよ!」ダンが笑いながら返すと、リアナはまたもため息をついた。
しかし、そんな穏やかな日々の中で、一人だけが何かに燃えていた。
「この公園、少し手を入れればもっと良くなるわ。」アリスが焚き火の前で一人、真剣な顔をして言った。
「え?このままでも十分じゃないのか?」ラリーが首をかしげながら尋ねる。
「ダメよ!王家の名にかけて、この公園をもっと快適で素敵な場所に変えるわ!」アリスが決意を込めて宣言した。
「王家って、、アリス何言ってるんだ俺達ホームレスだぞ」ラリーが驚いて聞く。
「わかってます!だけど環境は重要です!私の才能を見せてあげますわ!」アリスが自信満々に答えると、彼女はすぐに行動に移った。
まずは、公園の中央にある噴水の掃除から始めた。ダンがバッグから持っていた(どこにそんなものを隠していたのか不明だが)ブラシを使って、アリスは噴水をピカピカに磨き上げた。
「おお、なんだか前よりも水がきれいになってるな!」ラリーが驚きの声を上げた。
「それに、噴水の中にあった古いコインも全部取っちゃったわね。」リアナが呆れたように言った。
「これは王家の財産に加えておきます。」アリスが微笑みながら答えた。
次に、アリスは公園に咲いていた雑草を全て抜き取り、ダンに手伝わせて花壇を作り始めた。リアナが「無駄じゃない?」とボソッと言うと、アリスは「これが美の力です!」と一蹴した。
公園の見た目がどんどん改善されていく中、ホームレスたちもその変化に気付き始めた。
「なんだか最近、公園がすごくきれいになってるぞ?」一人のホームレスが言った。
「アリスがやってるんだってよ。あの子、ただ者じゃないな。」別のホームレスが感心して答えた。
そして、数日後、公園はまるで別の場所のように変わり果てていた。古びたテントが新しい布で補修され、花壇には色とりどりの花が咲き誇り、噴水はまるで宝石のように輝いていた。
「すごいわね、まるで宮殿みたい!」リアナが目を見張った。
「これが環境の大切さです!」アリスが誇らしげに胸を張る。
ホームレスたちは感激し、自然とアリスの周りに集まり始めた。そして、誰からともなく「女王様!」と声が上がった。
「ちょっと待って、私はそんなつもりじゃ…」アリスが戸惑いながら言ったが、ホームレスたちはもう止まらない。次々とアリスに礼を述べ、彼女を「女王」と称え始めた。
「おいおい、アリスが本当に女王様になっちまったな!」ラリーが笑いながら言った。
「まったく、世の中何が起こるかわからないわね。」リアナが呆れながらも笑顔で答えた。
こうして、アリスの手によって公園は見違えるような場所に変わり、彼女はホームレスたちの「女王」として崇められる存在となった。




