表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/94

王家の風格



スラム街の公園での生活も、すでに数日が過ぎていた。ラリーたちは最初は不安もあったが、ホームレスたちが意外にも温かく迎え入れてくれたおかげで、次第に馴染んできた。


「やっぱりこの焚き火の前が一番落ち着くわね。」リアナが木の切り株に腰を下ろし、温かいスープをすすりながら言った。


「そうだな。こんなにのんびりできる場所があるなんて、予想外だったよ。」ラリーが同意しながら、スープの鍋をかき混ぜていた。


「俺はどこでも馴染めるんだぜ!」ダンが胸を張って言ったが、リアナがすかさずツッコむ。


「いや、馴染むのはいいけど、昨日の爆竹のせいで少しだけ避けられてたでしょ!」


「それも俺の魅力の一つだよ!」ダンが笑いながら返すと、リアナはまたもため息をついた。


しかし、そんな穏やかな日々の中で、一人だけが何かに燃えていた。


「この公園、少し手を入れればもっと良くなるわ。」アリスが焚き火の前で一人、真剣な顔をして言った。


「え?このままでも十分じゃないのか?」ラリーが首をかしげながら尋ねる。


「ダメよ!王家の名にかけて、この公園をもっと快適で素敵な場所に変えるわ!」アリスが決意を込めて宣言した。


「王家って、、アリス何言ってるんだ俺達ホームレスだぞ」ラリーが驚いて聞く。


「わかってます!だけど環境は重要です!私の才能を見せてあげますわ!」アリスが自信満々に答えると、彼女はすぐに行動に移った。


まずは、公園の中央にある噴水の掃除から始めた。ダンがバッグから持っていた(どこにそんなものを隠していたのか不明だが)ブラシを使って、アリスは噴水をピカピカに磨き上げた。


「おお、なんだか前よりも水がきれいになってるな!」ラリーが驚きの声を上げた。


「それに、噴水の中にあった古いコインも全部取っちゃったわね。」リアナが呆れたように言った。


「これは王家の財産に加えておきます。」アリスが微笑みながら答えた。


次に、アリスは公園に咲いていた雑草を全て抜き取り、ダンに手伝わせて花壇を作り始めた。リアナが「無駄じゃない?」とボソッと言うと、アリスは「これが美の力です!」と一蹴した。


公園の見た目がどんどん改善されていく中、ホームレスたちもその変化に気付き始めた。


「なんだか最近、公園がすごくきれいになってるぞ?」一人のホームレスが言った。


「アリスがやってるんだってよ。あの子、ただ者じゃないな。」別のホームレスが感心して答えた。


そして、数日後、公園はまるで別の場所のように変わり果てていた。古びたテントが新しい布で補修され、花壇には色とりどりの花が咲き誇り、噴水はまるで宝石のように輝いていた。


「すごいわね、まるで宮殿みたい!」リアナが目を見張った。


「これが環境の大切さです!」アリスが誇らしげに胸を張る。


ホームレスたちは感激し、自然とアリスの周りに集まり始めた。そして、誰からともなく「女王様!」と声が上がった。


「ちょっと待って、私はそんなつもりじゃ…」アリスが戸惑いながら言ったが、ホームレスたちはもう止まらない。次々とアリスに礼を述べ、彼女を「女王」と称え始めた。


「おいおい、アリスが本当に女王様になっちまったな!」ラリーが笑いながら言った。


「まったく、世の中何が起こるかわからないわね。」リアナが呆れながらも笑顔で答えた。


こうして、アリスの手によって公園は見違えるような場所に変わり、彼女はホームレスたちの「女王」として崇められる存在となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ