酔いどれ何でも屋、今日も行く
異世界に転生したラリーは、ひょんなことから「酔いどれ何でも屋」として街で生計を立てることに。魔法も魔獣も存在するこの世界で、ラリーは今日も猫探しからドブ掃除まで、ありとあらゆる仕事を引き受ける。しかし、彼の頼りなさは一級品で、毎度毎度の失敗続き。それでもなぜか街の人々からは熱い信頼を受けている。
仲間は、黒いスーツとハットのロボット・ダンと、魔法の使い手でツッコミ役のリアナ。彼らと共に、ラリーは今日も問題解決に奔走する。失敗続きの仕事の中で繰り広げられる、笑いあり涙ありの物語がここに始まる!
タボールの中心にある酒場「バルバラの憩いの場」。木製のカウンターとテーブルが並び、賑やかな雰囲気が漂っている。バルバラは華やかな衣装に身を包み、カウンター越しに客たちと賑やかに会話を交わしている。
ラリーはカウンターに腰を下ろし、酒をグイっと飲み干しながらフラフラしている。彼の服はすっかり色あせており、背中のバックパックはすっかりくたびれている。ダンは黒いスーツに黒いネクタイ、黒いハットをかぶり、落ち着いた表情で料理を味わっている。リアナはカウンターでバルバラと談笑し、時折呆れたようにラリーを見る。
バルバラ: 「ラリー、またお酒代が貯まってないわね。こんな調子じゃ、酒場の経営が大変よ。」
ラリー: 「酒は人生の一部だからさ。どうせまたなんとかなるさ。」
ダン: (冷静に)「爆弾でも使って、仕事を早く片付けた方がいいんじゃないか?」
リアナ: 「またそんな適当なこと言って…ちゃんと対処しないと!」
ラリー: 「お、リアナちゃん。気にしないで。適当にやっていけばいいのさ。」
リアナ: 「適当にやっていくからこんなことになるんでしょ!ちゃんと働きなさいよ!」
バルバラは大きくため息をつき、ラリーに向かって優しくも厳しく言った。
バルバラ: 「まぁ、アンタがいないと困るからね。しっかり頼むわよ。」
その時、酒場の扉が勢いよく開き、顔を真っ青にした商人が駆け込んできた。彼はラリーの前に立ち、手に持った書類を差し出す。
商人: 「ラリーさん、大変です!町の外れに魔物が出て、商売ができなくなってしまったんです!」
ラリーはその書類をちらっと見てから酒に口をつける。
ラリー: 「魔物か…まあ、どうにかなるだろう。幻覚でも見せて、どこかに消えちまえばいいさ。」
リアナ: 「またそんな適当なこと言って…ちゃんと対処しないと!」
ダン: 「まぁ、適当にやってみればいいんじゃないか。少し爆発させて、驚かせれば…」
リアナ: 「ちょっと、ダンも適当なこと言わないで!ラリーと一緒に仕事するなら、ちゃんと役に立つ方法を考えなさいよ!」
ラリーは渋々立ち上がり、リアナとダンを引き連れて町の外れへ向かう。
町の外れに到着すると、小さな魔物がウロウロしている。魔物にはランクがあり、Fランクのスライムから、Sランクの伝説級ドラゴンまでさまざまな種類が存在する。
今回遭遇したのは、Fランクの「グリーンスライム」。体は緑色のゼリー状で、弱いが面倒な存在。ラリーは全く動じず、薬草を取り出して煙を吹きかける。
ラリー: 「さぁ、これを吸ってリラックスしな〜。」
グリーンスライム: 「ギャオッ!(煙を吸ってフラフラし始める)」
リアナ: 「これで本当に解決するの?あんたたちのやり方には毎度驚かされるわ。」
ダン: 「意外と効いてるな。ラリーのやり方も、時には役に立つんだな。」
グリーンスライムはフラフラと歩き回り、そのままドブの中に落ちて消えてしまう。
リアナ: 「まさかこんな方法で解決するとは…でも、やっぱり頼りになるのね、ラリー。」
町に戻ったラリーたちは、商人から感謝の意を表され、報酬を受け取る。酒場に戻ると、バルバラがカウンター越しにラリーを見つめている。
バルバラ: 「ラリー、またお酒代が足りないんじゃない?酒場の経営が大変なのよ。」
ラリー: 「バルバラ、心配しないで。なんとかするさ!」
ダン: 「それにしても、ラリーが酒代を稼ぐためにこんなに奔走してるとは…」
リアナ: 「ほんと、毎回適当なやり方でなんとかしちゃうんだから。まったく、感心するわ。」
ラリー: 「俺のやり方を信じてくれよ、リアナちゃん。」
リアナ: 「信じる信じないの話じゃなくて、ちゃんと働いてよ!」
ダン: 「まぁ、適当にやっててもなんとかなってるから、いいんじゃないか。」
ラリー: 「そうそう、なんとかなるさ。じゃあ、今日も一杯どうだ?」
リアナ: 「また酒かい!」
バルバラ: 「しょうがないわね。飲む分だけは出すから、ちゃんと働きなさいよ!」
ラリーたちは、賑やかな酒場の中で笑い合いながら過ごす。仕事は大変でも、仲間たちとの楽しい時間が一番のご褒美だと、ラリーは感じるのだった。
キャラクター紹介
ラリー
中肉中背の酒好きで、顔は酒焼けしている。普段はよれよれの服を着て、古びたバックパックを持ち歩く。酒代や薬草代を稼ぐために様々な仕事をしているが、金銭管理はからっきし。町の人々からは「頼りになるけど、どこか抜けている」として親しまれている。
ダン
人間に近い見た目のロボット。黒いスーツに黒いネクタイ、黒いハットを着用。四次元ポケットのようなハンドバッグから無限に爆弾を取り出すことができる。静かで冷静だが、時折おちゃめな一面を見せる。
リアナ
おてんばで強気なギャル。ショートヘアで動きやすい服装。魔法の知識は豊富で、見た目以上に深い理解がある。ツッコミ役としてラリーとダンのボケに対して強く反応するが、その反応が面白おかしい。
バルバラ
酒場のマスターで筋肉隆々のオカマ。ラリーの面倒見の良い母親的存在で、酒場「バルバラの憩いの場」を経営している。町の人々にも愛され、ラリーに対しては厳しさと優しさを併せ持つ。