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自白

 千夏と二人で出社する。



 すると、4つ上の先輩である開坂先輩とエレベーターで一緒になる。



「あれー?今日も二人で出社?」



「あっ、はい!同じ時間帯の地下鉄に乗っているので...」と、適当な嘘をつく。



「あぁ、そうなんだ。てっきり二人は付き合ってるのかと思った」と言う先輩。



 すると、普段は明るい千夏が何も言わずに俺のYシャツの袖をつかんでいる。



 普通ではない様子を察していたが、何が原因かがわからずどうすることもできなかった。



 そして、「んじゃ、俺はこの階だから」と、4階で降りていく。



 すると、千夏はまるで今まで息を止めていたかのように荒い呼吸をし始める。



「ちょっと、大丈夫?具合悪い?」



「...違うの...。私...あの人にセクハラされてるの...」



「...は?」



「今も...大河の見えないところでお尻を...」



「...いつから?」



「...この話は家に帰ってからちゃんとしたい」



「...うん」



 その後の仕事に集中できるわけもなく、些細なミスを繰り返した俺だが、そんなことはどうでもよかった。

千夏と開坂先輩が...?



 開坂かいさか まこと

営業成績もトップクラスであり、部下・上司からの信用も厚い人。

特に悪いうわさもなかったが、改めてみるとその笑顔や行動すべてが胡散臭く感じるのは気のせいだろうか...。



 その日は早々に仕事を片付けて、千夏と帰ろうと千夏を探していると、少し空いた会議室の中にその姿を見かける。



 そのまま扉を開けて声をかけようとすると、そこにいたのは千夏と...開坂先輩だった。



 思わず固まってしまう。

しかし、何か言わなきゃと思って、「千夏先輩、今日飲みに行くんですよね?」と助け船を出す。



 すると、首を縦に振ってこちらに向かって走ってくる。

その様子はどう見てもおかしかった。



 開坂先輩に一礼して、その場を後にする。



 そして、エレベーターに急いで乗り込むと、またしても呼吸を荒くする。



「...はぁ...はぁ...」



「ちょ、千夏、本当に大丈夫?」



 その日はそのままタクシーで帰宅した。



 家に着くと千夏をソファに寝かせる。

そして、あったかいコーヒーとクッキーをもって千夏の横に座る。



 すると、いきなり俺に抱き着いて「...して?」というのだった。



「ちょっ、その前に「やだ。して?」と子供のようにねだる。



 そういう気分ではなかったものの、この状態の千夏が望むのであればそれは必要なことなのだろうと思い、一生懸命した。



 ◇◆



 そのままベッドで横になる二人。



 そうして、ぽつりぽつりと話始める。



「...私ね...あの人に...犯されたことがあるの」



「...は?」



 それは唐突で最悪な告白だった。

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