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本音が漏れる

「...莉理...」



「こんな遅くにごめん。その...これ」と、大きな紙袋を渡される。



「何これ」



「...服とか。一応まとめてたけど、気づかなかったみたいだから」



「...なんでうちにいると思ったの?」



「...居るんだ」と、話していると奥から大河が歩いてくる音が聞こえてきて、そのまま無理やり紙袋を押し付けて走って逃げて行った。



「誰?配達?」



「あっ...うん」と、流石に莉理が来ていたとは言えずに言葉が詰まる。



「...その紙袋...」



「?」



「...それ莉理が送ってきたやつ?」



「...なんでそう思うの?」



「それ、俺が前に誕生日にあげたものが入ってた袋だから...」



「...」



「てか、伝票も何も貼ってなくない?それどうやって届けたの?」



「...ごめん」



「ごめんって、どういう意味?」



「今...莉理が来てた」



「...そっか...」



 これを言ったらさっきまでの甘い雰囲気が冷めてしまうことはわかっていた。

だから、黙ってやり過ごそうと思っていたのだが...。

そんなやましい心を神は見逃してくれなかった。



「服だって...」と、私は紙袋を無理やり渡してベッドに戻る。



 結局、私は莉理に勝てない。

あの時も、浮気をした今でも。



 すると、すぐにベッドに入ってくる大河。



「...千夏」



「やめて。そういうの...」



 初めての千夏からの拒絶。



「やめてって...俺は...」



「寂しさを紛らわすのに私を使わないで」



「...」



 本心じゃなかった。

本心は寂しさを紛らわすためでも良かった。



 いつも自分の感情を優先して、自分のしたいことばかりをしてきた。

大概のことは見逃されてきた。

それは普通に可愛いから。



 学生時代からそうだった。

彼氏がいない時期はほとんどなく、常に隣に男がいた。

好きだったかと聞かれたら今では、はっきりと答えることは難しいかもしれない。

だって、好きっていうのがどういうのが分かってるから。



 だから、社会人になってからは一度も彼氏を作ることなかった。



 そのまま、私に背を向ける大河の背中に抱きつく。



「...嘘。...やっぱ抱きしめて」



「...」



 ずっと背を向ける大河。



「...ね、こっち向いてよ」



「...」



「...もう...嫌いになっちゃった...?」と、目に涙がたまる。

こんなに涙もろくなるとか...年取ったな。私。



「...おやすみ」と、大河に背を向ける。



 すると、大河が私の背中に抱きつく。



「嘘つくのやめて...。もう...裏切られたくない」



 私は振り返って、そんなふうに泣く大河の頭を撫でる。



「大好きだよ、大河。これが嘘偽りない私の気持ち」

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