身勝手な嫉妬
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「おーおー、キタキタ社内カップル〜」
「ふーふー」と、昨日の合コン組が煽ってくる。
今まであればはいはいと流すところだが、一夜の過ちがあった以上否定することもできず、一瞬言葉が止まる。
「君たちはいつも騒がしいねー。そんなんだからモテないんだよ」と、サラッと返す千夏。
流石の経験値である。
「だからってあんな可愛い子全員こいつ選びますー?俺、佐藤よりかっこいいと思うんですけど」
「その年になったら顔のかっこよさなんて二の次だっての。それが分からないうちは大人な女性には相手されないよ」と、いなしつついつものように席に着く。
その流れで俺も席に着く。
そのままいつものように1日を終える。
けど、またふとした瞬間にあいつのことが頭がよぎって目を閉じる。
もう忘れろなんて言っても、一緒に過ごした数年間を数日で無かったことにできるほど、俺の脳内は単純ではない。
「...もしかして寝不足?」と、コーヒーを差し出しながら千夏が言う。
「...まぁ。そうだな」
「すぐに無かったことにできるほど薄情なら私は大河のことを好きになったりできなかったと思うよ。それは、大河のいいところだから」と、心を見透かしたように言う。
まぁ、きっとそういう顔をしていたのだろうけれど。
「...今日も家行っていい?」
「聞かなくていいっての。好きな時に来ていいから」
「...うん」
縛るわけでも突き放すでもなく、くるものを拒まずか。
◇◆◇
私は浮気をしてしまった。
いつかこうなるとは思っていた。
ううん。待っていたのかもしれない。
けど、最後に残ったのは罪悪感と孤独感だった。
あの時の私には大河は完成したパズルに入っていた余分なピースのような不要感しかなかった。
なのに、今思い返してみればその無くしたはずのたった1ピースが、100ピースの価値があることに今更ながら気づくのだ。
『今日も会いたいな』
そんな甘ったるい言葉に反吐が出る。
こいつは私の体しか見ていない。
私を見ていない。
「あぁ...気持ち悪い」
そんなことを思いながら会社帰りに駅前のスーパーに寄る。
適当に晩御飯のおかずを考えている時に、自然と2人分で考えてる自分がいた。
「...馬鹿か。私は」
すると、少し遠くから声が聞こえる。
雑踏に混じって聞き覚えのある声が。
「大河ー、何食べたい?」
「...千夏って料理できるの?」
「まぁそれなりには。あんまり過度な期待はやめてね」
「...おう」
楽しそうにご飯を選ぶ2人。
私は逃げるようにその場をさって、トイレに閉じこもった。
...立ち直れないほど傷ついていると思っていた。
なんだかんだ私のことを忘れられずに、1年ぐらいは悩み続けると思っていたのに。
身勝手な思い込みをしていた自分が余計に嫌いになる。
あんな態度とって浮気してそんな自分をそれでも好きでいてくれていたと、慢心していたのだ。
ずっと前から嫌いだったんだ。本当は。
あれはキッカケでしかなくて、私のことなんて...。
そう思った瞬間胸が苦しくなる。
意味がわからないことを言っている自覚はある。
だって自業自得なんだから。
それでも...それでもさ...。
「私と過ごした時間って...そんなものだったの」




