第2話 カエル
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「ちょっとトイレ行ってくる!」と、俺は一度避難することにした。
...まじで何が起こってんだよ。
合コンの相手が初カノに、元カノの姉に、義妹って...なんの冗談だよまじで。
ハァ...と、せっかくの息抜きすら地獄とかしてしまったこの現状を嘆いて、一つ深く深呼吸をした。
そのままパッパと手を払ってトイレから出るとそこには義妹である佐藤果南が立っていた。
「ね?何してんの?」
「...それはこっちのセリフだよ。お酒も飲めないのに合コンに来るとか...」
「別にあんたに関係ないでしょ」
「...一応、家族なんだが」
「家族って...。私は認めてないし。そもそも血の繋がりもない仲良くもない兄妹なんて、家族とは呼ばないでしょ。てか、間違っても兄妹だなんて言わないでね」
ごもっともな指摘である。
「...分かってるよ」
そのまま時間をずらして二人とも席に戻る。
「さて、みんな戻ってきたし、王様ゲームの前に!みんなの第一印象はどうかなーってことで!誰がいいかを指さしましょう!さ、いきなりだけど行くよー!せーの!」
果南と奏美は御坂部を指し、千夏さんはもう一人の男子、小椋を指さした。
そして俺が指さしたのは元カノである奏美だった。
俺の指を見た奏美は「バカじゃないの」と、呟いた。
そして御坂部は果南を指し、小椋は千夏さんを指さした。
つまりは俺と奏美以外は一応相思相愛ということだった。
それからもどんどん会は進んでいき、そうして無事に乗り切ることができた。
トランプに指名ゲーム、人狼に王様ゲームとまさに合コンの王道を行きまくり、それなりに楽しい雰囲気を保ったまま、会は終了となった。
全員がLINEの連絡先を交換し、それぞれのペアごとに分かれて行った。
そして、最終渋々俺を選択した奏美と二人きりになる。
「...久しぶり」
「...そうね。久しぶり。元気にしてた?」
「そっちこそ」
「...てか、なんで私を選んだの?わざわざ振った女を選ぶとか...バカ?」
「別にいいだろ」
「良くない。普通にバカなの?」
「...悪かったな、馬鹿で」
「...まぁ、なんでもいいけど。この後どうする?どこかで飲み直す?」
「いや、普通に解散でいいだろ」
「帰りたい理由でもあるの?」
「そろそろアニメの放送時間だし」
「...今日これからってことは『資源村』?」
「よく知ってるな」
「あなたに振られた後アニメにはまったから」
「...それを一々言わないでくれよ」
「私がいちばん最初に好きになった人なんだから忘れるわけないでしょ」
「...そうかよ」
「えぇ。てことで私の家に行きましょう」
「...なんでだよ」
否定したものの無理やり連れて行かれて、そうして案内されたのは駅近のタワマンだった。
「こんなところに住んでるのかよ...」
「まぁね。このビル建てたの私の父だし」
「...相変わらずのお嬢様だな」
「そうね」
そのまま部屋に案内されると、俺は奥の部屋に連れて行かれる。
そして、ベッドに押し倒されると「あの時の続きしない?」と言われた。
あの時とは多分あの時のことだ。