第19話 同窓会でどうしようかい
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みんなと会うのは...いつぶりだろう。
バスで揺られながらそんなことを思う。
中学時代は俺にとっての人生ピークであり、青春そのものだった。
部活に熱中し、恋をし、挫折と絶望を知って、人として成長できた。
決していい思い出だけではなかったが、思い返すと悪くなかったと思うのは、大人になったということなのだろうか。
それでも、全くの後悔もないわけではない。
結局、成人式も行かなかったしな。
高校の友達とはたまに連絡とったりしてたけど、中学のやつとはもうほとんど連絡とってない。
予定よりだいぶ早く着いちゃったな。
先に中に入っておくか?
...なんか今更すげー緊張してきた。と、旅館の前でウロウロとしていると、「何ウロウロしてんの?」と、声をかけられる。
声の主は奏美だった。
「いや別に...」
「ははーん?さては緊張してんだ」
「...まぁな。俺変わっちゃったし」
「そういう意味なら私もだいぶ変わったと思うけど」
「それはいい意味でだろ。俺は違うし...後半はほとんど学校も行ってないし」
「はいはい、すぐネガらない。行くよ」と、首根っこを掴まれてズルズルと中に入っていく。
そのまま『市立江野和中学 同窓会』と、書かれた襖を開ける。
そこにはすでに2人来ていた。
「おー、もしかして佐藤?なっつー」
「赤坂か...?」
赤坂純一。
同じクラスで同じバスケ部で、よく話していた。
当たり前だけど、すげー大人になっていた。
「赤坂...うっわ...懐かしいな。なんか変わらなくはないけど...赤坂っぽいな。うん」
「佐藤こそ、元気にしてたんかー?佐藤は結構変わったわ。うん。悪い意味で」
「うっせ」と、肘で叩く。
まるで時計が逆向きに高速で回るかのように、精神年齢と記憶が5,6年一気に遡った気がした。
「お、佐藤くんか!分からなかった!」と、もう1人の女子が話しかけてくる。
「えっと...誰?」
「え!ひどーい!私のこと忘れたのー?美優だよ、美優ー」
「え!?榎田さん!?」
「そそそー」
全然面影がない...ってか変わりすぎだろ!
女子怖っ、女子怖すぎ!
「あっ、ちなみに私は榎田じゃなくて、赤坂だけどねー」
「...は!?」
「実はお腹にはもう1人の赤坂が居ちゃったり?」
「まじか!?それは...おめでとうだな」
「今年中にできれば結婚式もする予定だからさ。良かったら来てくれよ」
「おう、行く行く」
「てか...その後ろの美人さんはどちらさん?もしかして彼女連れてきたんか?」
「え?いや...「...藍川奏美...」と、ちょっとモジモジしながら答える。
「え!?藍川さん!?めちゃくちゃ可愛くなったんな!!」
「藍川さん...?すごい...可愛い」と、感心する2人。
「てか、2人ってより戻したのか?」
「「...え?」」
「いや、だからより戻したのかって」
「何で付き合ってたこと知ってんだよ」
「あー...あれで隠してるつもりだったのかー?w普通にバレてたぞ?w」
「...//」
なんかすげー今更恥ずかしくなる。
「何赤くなってんだよw」
「...うっせ。てか、別に今は付き合ってないし。普通に友達として仲良くしてるだけだぞ」
「ふーん?友達ねー。てか、安心したよ。佐藤後半あんまり学校来なかったろ。下手したら死んだんじゃねーかって思ってよ」
「...まぁ、そうだな。それで?まだバスケやってるのか?」
「ん?まぁなー。仕事の合間にたまにって感じ」
「就職してんのか」
「じゃなきゃ結婚も子供も産めねーだろ」
「...まぁ、確かにな」
それからゾロゾロと人が来る。
全く変わらない人から、別人のようになるような人たち。
「お、佐藤か。久しぶりだな」
「あー佐藤くん!久しぶり〜」
「あれ?もしかして佐藤くん?元気してたー?」
後半不登校だった俺にもみんなは優しくてくれた。
空白だった青春のページにピッタリと1ピースがハマる。
そうか、この瞬間のために空いていたのか
少し感傷に浸って、壁に背をつけながら眺めていると、「何ちょっと泣きそうになってんのよ」と、話しかけられる。
「...いいだろ。別に。てか、そっちは色々と大変そうだな」
「まぁね。男子も超下心を込めた目で見てくるし」
「そら、大変なこった」
便意を催した俺はトイレに向かう。
複雑な旅館の中をウロウロしながら、なんとかトイレに辿り着き、個室の扉を閉めようとした瞬間、扉が開かれてそのまま女の子が1人入ってきた。
そのまま壁ドンのような体制になってしまう。
「...え?」
「やっと1人になった」
そこに立っていたのは寝屋川 一香だった。




