第17話 手段は選ばない
【YouTubeで動画投稿してます!是非見ていただけると幸いです!】
https://www.youtube.com/@user-le5ks7tn7k
「やぁやぁ、こうやって会うのは久しぶりだね〜」と、千夏さんは言う。
「それでこんなところに呼び出した何の用ですか?」
俺は千夏に呼ばれて、千夏さんが働くカフェに来ていた。
「少し面倒ごとに巻き込まれてね。悪いけど私の彼氏役をお願いしたいんだよね」
「...面倒ごとに巻き込まれそうな気がするんですが」
「そうだね。けど、大河くんはそういう好きだと思って。じゃないと紗希を助けたことに説明がつかないだろう?それともまだ好きだったりするのかな?」
「そんな善人に見えますか?」
「少なくても悪人には見えないかな〜?それで答えは?」と、少し笑う。
「...お断りします。今いろいろ立て込んでいて、これ以上は面倒ごとを抱えたくないので」
「酷いなー。私は大河くんぐらいしか頼る人がいないんだよ」
「いくらでもいるでしょ。むしろ俺でないといけない理由があるんですか?」
「バレた?でも、私は大河くんに頼ってみたいんだよ」
「...それは理由になってないと思いますけど」
「そうだね。色目を使って堕ちなかった始めての男の子だからかな。興味があるんだよ。私の命令に従順なのに私の思い通りにはなってくれない大河くんを本気で堕としたいって思ったから」
「...本気ですか。そういうタイプじゃないと思いますけど」
何もかもが軽薄で嘘っぽくて、掴みどころのない女性。だからこそ、男は弄ばれたいと思うのだろう。
けど、恋は本気になればなるほどなった方が損する。
それを知ってるからこそ、千夏さんは誰かに固執することなく、渡り鳥のように次々と男を捕まえているのだと思っていた。
「そうだね。私はいつだって適当だ。だからこそ、これはそのツケなのかもしれない。それにこんなことをあんな裏切られ方をした妹の元彼氏に頼むなんてね」
「とりあえず俺はこの件には関わらないですから。千夏さんなら俺に頼らなくても...そもそも誰かに頼らなくても解決できるでしょう」
「そうか。うん。そうだね。大河くんはそういう選択肢を取る人間だと思っていた。だからこそ、私は拘っているのだろうし」
「話は終わりですか?」
「そうだね。じゃあ、一つだけ」と、千夏さんは耳元に近づいて小さく呟いた。
「大河くんの真後ろにいる彼が私のストーカーだよ」
思わずドキッとしながら振り向く。
そこにいたのはサラリーマン風の男の人だった。
...この人...やったな。
つまりは今の行為一つで巻き込まれたということだった。
「その嫌そうな顔、堪らないね〜。けど、いまの話は全部嘘だから気にしなくていいよ」
「...」
「ふっ。これも嘘じゃないかって思ってる?」
「はい」
「いや、本当に嘘だから大丈夫。私が困っていたら大河くんは助けてくれるのかなって思っただけなんだ」
「...趣味が悪いですね」
「私が趣味が良いように見えていたならみる目がないね〜。あっ、そうだ。これは嘘なんだけど」と、また耳元に近づく。
「私はこう見えて処女なんだ」と言う。
突然のカミングアウト。
「...なんですかその嘘」
「大河くんは反応がいちいち面白いねぇ」
「...もう帰ります」
「うん。また来てね」
「もう来ないですよ」と、お代を置いて店を出る。
–––––––––––––
「千夏さんのお知り合いですか?」
「あぁ、うん。私の好きな人だよ」
「え!?そうなんですか!?...なんか普通の人っぽいですけど。千夏さんならもっとレベルの高い人いけるんじゃないですか?」
「そうだね。世間的に見れば普通かも。けど、私にとっては特別だよ。大体の男は私が色目を使えば揺らぐんだけど、あの人は違うんだよね。だからこそ、私に夢中にさせたい。私が居ないと生きていけないほど夢中にさせたい」
「...もしかして千夏さんって束縛強いですか?」
「そうなんだろうねー。今まで付き合ってきた人は何してようとどうでもいいって思ったたけど」
なぜこんなに拘るのか分からない。
その理由を知るためにも彼を堕としたい。
本気でそう思っていた。
「手段は選ばない」




