第1話 全員が知り合いの合コン【YouTubeで動画公開中】
【YouTubeで動画投稿してます!是非見ていただけると幸いです!】
https://www.youtube.com/@user-le5ks7tn7k
「はぁ...」
「まーたため息か?幸せが逃げるぞ」
「それは今が幸せな人間の妄想だろ。現代医学の観点から言えば、長く息を吐くと言うのは自律神経を整えて「もういい。俺が悪かった。いや、ため息をつきたくなる気持ちはわかる。大好きな彼女を一番尊敬していた先輩に寝取られて、挙句別れ際にはその彼女からも酷い言葉を投げられ、自暴自棄になるのもわかる。分かるが、佐藤。女で傷ついた傷は女でしか癒えないんだぞ」
「...本題を言え、本題を」
「そんな不幸な佐藤にビックチャーンス。今日偶然にもあのセイジョビック3って呼ばれる美女達との合コンをセッティングしていたのだが、残念ながら男子の方で一人欠員が出てな。どうだ?このビッグウェーブに乗ってみないか?」
「...それが目的かよ」
「まっさかー!俺は偶然佐藤に話しかけて、偶然一人メンバーが足りてなかっただけだよ!」
「...まぁ...そうだな。2ヶ月も前のこと引きずっても仕方ないしな」
「おけ!んじゃ参加ケッテー!マジ助かるよ!楽しみにしとけよー?清楚、巨乳、ロリなんでもござれで、さらに全員が美少女!日本最高の合コンだからな!」と、目を輝かせる。
この友人である御坂部だってかなりのイケメンだ。それに類は友を呼ぶと言うように御坂部の周りにもイケメンが集まってる。数合わせの俺が行ったところで何もならないことはわかってるが、まぁいいか...。
気分転換、それもありか。
––––––––––––PM19:10
『悪い、遅れた』
『おっせーよ!馬鹿!さっさと入ってこい!テーブル6番!』
普通に寝坊してしまった。
一番低スペックが遅刻とか...入りづれーと思いながらも、ドアをノックする。
「あっ、やっと来たなー!みんなお待ちかねー!超イケメンが来ますよー!」
あの野郎!!遅れてきたからってとんでもないふりいれやがったな!
逃げ出そうとしたその瞬間、引き戸が開いた。
そして、俺の姿を見た彼女達と俺の声が被る。
「「「「え?」」」」
「ん?みんなどうしたん?如何にも普通な男子が来ちゃって拍子抜けしちゃった?」
「「「いや...まぁ...」」」
「とりあえず座れよ」と、そのまま無理矢理席に座らされる。
「んじゃ自己紹介やっちゃおっか!」
適当に男子の自己紹介が始まる。
元々嫌いだった自己紹介だが、きっと未来永劫この自己紹介より嫌なことなんてないのだろう。
「...んじゃ最後!」
「...楠大学...2年の佐藤大河です...よろしくお願いします」
「おま!遅刻したことを謝罪しろ!」
「...遅れてきてすみませんでした」
「みんなごめんなさいね!てことで、じゃー女子も自己紹介お願いします!」
「藍川奏美です。星条女子大学の2年です。趣味はスポーツ観戦。高校時代もバレーやってました。だいたいそんな感じです。よろしくお願いします」
は?藍川奏美...?
藍川奏美。
彼女は俺の中学時代の彼女である。
昔はメガネでおとなしい感じだったのに、見ない間にこんなに綺麗になってるとか...やばすぎんだろ...てか、あの子だけじゃなくてこの子も知り合いかよ...。
「んじゃ、次私ね。一宮千夏です。えっとー、趣味はキャンプとか、山登りとか、そんな感じのアウトドア系女子です!あっ、忘れてた。私はセイジョの3年です!よろしくお願いします!」
一宮...そしてセイジョ...。間違いない。
数回見かけた程度だが...。
一宮千夏。
一宮紗希のお姉さん。
ちなみに一宮紗希とは俺の元カノである。
つまりは元カノのお姉ちゃんということだ。
「よろしくね、大河くん」
「佐藤...果南...。セイジョ1年です」
佐藤果南。
俺が声を出した理由は彼女である。
彼女は俺の妹なのである。いや、正確には義妹である。
つい最近父が再婚したことをきっかけに突然妹ができたらしい。
らしいというのは俺はこっちで一人暮らしをしており、実家に帰ることもないので、顔を合わせたのは数回程度だった。
そんな子がまさか合コンに来てるなんて誰が予想するだろうか。
帰りたい。もはやその感情しかなかった。
「よーし!王様ゲームすんぞー!」
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ご覧いただき誠にありがとうございます!
今回の話に関しまして、YouTubeでゲーム風の動画を公開しておりますので、併せてみていただけると幸いです!
(※セリフや絵に多少違いがあります)
https://youtu.be/Ef4uyYnNw7o