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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

自笑行為

作者: らん



「平安時代に生まれれば幸せになれたのに。」

鏡の中の自分に向かって言い放ってみる。小さい目、小さい口。大きい顔、青白い肌。長い黒髪。ついたあだ名は、お化け。いっぱい、虐められた。何もしてないのに。いっぱい、同情された。いじめられていたのを見てるだけだったくせに。沢山、引き立て役に使われた。それで自分の可愛さが上がるわけじゃないのに。

今日、学校の授業で平安時代の女の人について学んだ。

「平安時代の女の人は、長い黒髪でな、暗くても白粉が目立つような小さい目と大きい顔の人がモテてたんだぞ〜!」

と先生が何気なく放った言葉がささった。

「えー今と全然違うんだね!」

目立ちたがり屋の男子が言う。そう。今と全然違う。まるで私みたいだ。私を虐めてる子達もそう思ったらしく、こっちを見てクスクス笑ってくる。これこそ、生まれてくる時代を間違えたというやつか。腑に落ちてしまい、笑ってくる女の子達に苛立ちを全く覚えない。むしろ虚しくなる。

時代は変わっていっているはずなのに、モテる顔というのは全く変わらない。小さい顔、大きい目、綺麗な二重、そしてその顔のパーツがバランスよく並んでいないといけない。

両親は普通の顔なのに。なんで。突然変異かな。

整形も考えた。でも、顔にメスを入れるという行為が怖くて出来ない。もっと醜くなってしまったらどうしよう。後遺症が残ったらどうしよう。怖くて、整形なんて無理だ。

「痛っ。」

つーっと、手首に横筋を引いてみる。ぽたぽたと赤い血が垂れる。自傷行為なんてやめた方がいいのにやめれない。この血が流れてる限りは、私も美人な人達と同じ人間であると言う事実が揺るぎないものであるということが分かるからなんだろう。でも、だから頑張れる。顔では無いところで私は頑張るんだ。自傷行為で前向きになれるなんて馬鹿なことしてると思う。でも仕方がない。これが私なんだから。

閲覧ありがとうございます。

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