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僕は天使、君は悪魔  作者: きゅうり
1/1

─天使と悪魔の双子の物語──

僕には、昔から小さい頃の「記憶」がある



何故だろうか…薄らだが、まだ鮮明に覚えているのだ。


その内容は…

天気は雨、僕が目を覚ますと近くに人が居た。……いや、人なのかどうかも分からなかった。そちらに目をやると、その人?は、微笑み、僕に何かを言った。何を言ったのかは覚えていない。


そのことを1度だけ、父さんと母さんに話したことがある。


2人は、もしかしたらそれは君の双子の弟かもしれない、と言った。

僕は驚きを隠せなかった。弟がいるなんて聞いたことも何も無い…もはや僕は一人っ子だと昔から言われていたから。


なぜ、父さんと母さんがそのことを隠そうとしたのか、それを聞いてもはぐらかされるだけだった。弟に会いたいと言うと、父さんは眉を八の字にして母さんは涙を流した。意味が分からない。そんなに僕と弟を会わせたくないのだろうか。


今考えてみても、不思議だ……意味わからん…どゆこと?


あ、自己紹介が遅れたね!僕はリューシュ!天使族なんだ!丁寧語的な言葉が多くて、僕も疲れたよ〜!あ、元は元気な性格だからね!


今は、朝ごはんを食べてるところ!今日の朝ごはんは…目玉焼きに、パンに…まぁ、普通だよ!


朝ごはんを食べた僕は、私服に着替えて学校に向かう。僕が通っている学校は、「光天使魔法学園」。


こう見えて、僕は優等生!朝も時間にゆとりを持って登校…って、


「うわぁぁぁぁ遅刻遅刻!!!!急がないと!!!!言い訳はどうしよう!えーと、えーと、あ!時計が遅れてた!それにしよう!」


僕は走る。学校に向かって全速力で。これは不味い、マズイマズいまずい


「あ、あと1分!羽があれば飛べるのに!」


そう、僕は生まれつき羽が片方しかない。それも、弟が片方持っているらしい。でも、普通、双子でもそんなことはなかなか起きない。っていうか、そんなこと聞いたことも無い。


「リューシュ!お前遅刻何回目だよ!」校門の前に居る先生が言った。


「えーと、家の時計が遅れてて…」


「その言い訳は何回も聞いた!早く教室に行け!」


「え?そうだっけ…?あ、急がないと!」


僕は教室に入る。すると、担任の先生が怒っていた。当たり前だけど…


「おい、リューシュ…お前はいつもいつも…」


「え、えっと…い、イエノトケイガコワレテテ」


「その言い訳はもういい!」先生が怒鳴った。


「ひぃぃ…」


僕の担任、死ぬほど怖いよぉ…


そんなことを考えていると、1人の男子生徒が立ち上がった。


「先生、ひとつ言いですか?」


「ア?なんだ?」


「その時計、1分遅れています。前にも、先生が修理しようとしたけど無理だったんですよね?」


「……クッ…分かった……確かにそうだ…リューシュ、席につけ」


先生が悔しそうに言った。ざまぁみろバーカ!


「ありがとシゲン!」僕は小声で言う


「はぁ、後で怒られるの僕なんですからね?」


この子はシゲン。いつも恥ずかしいから、顔を紙袋で隠してる。


「ごめーん」


「ハァ、まったく…」


そんな話をしながら、僕達は授業を受ける。こんな日常が、今思うと幸せだった。この後、あんなことが起きるなんて僕達はまだ知らない。

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