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マキビシ

文章校正しました。(2020/5/19)

ライアンは周りの衛兵に声をかけた。

『よし、これで十分だ。』


彼らの周りには腿を刺されて呻いている賊がいる。


ライアンが動けなくなった賊達を見渡して呆れた顔で呟く

『こんな簡単に引っかかるとはな…こいつら救いようがないな。』



―俺たちは二十人でおよそ倍の敵を行動不能にしたが、大したことはしていない。


 *


イースタンの街から少し離れた場所は街道近くの草が深い、そこで待ち伏せて、敵の隊列が乱れ始めたところで、草むらから尖った金属片を投げ入れた。


あいつらは前しか見てなかったものだから面白いように踏み抜き、激痛で足を止めた奴らからどんどん腿を刺していった。


運良く踏まずに済んだ賊が草むらに近寄ろうとするが、踏むだけで激痛が走る金属片を避けようと戸惑う間にそのまま腿を刺されて転がっていった。



馬に乗ってくる指揮官らないざ知らず、さすがに走ってくる相手には効果が高い。


 *


ライアンは街道にまかれた金属片を見て感嘆した。

『本来は”マキビシ”だったか? 恐ろしい兵器だなあれは。』


―歩兵に対してはこれほど危険な罠はないだろう。


ただ、回収するのが面倒なので、自分の領地で使うのは金輪際やめにしたい。

ましてこの街道がしばらく使えないのは物流が止まるということだ。


ライアンは後処理のことを考えると頭が痛くなった。だが、街が壊滅するよりはまだましだと思い直す。


そして、衛兵の一人に指示をした。

『よし、樽の火を付けろと伝えてくれ。”マキビシ”のこともしっかり伝えてくれよ。踏んだら地獄の苦しみだからな。』



そして残りの衛兵に力強く伝えて、草むらを注意深く進んだ。

『さあ、イースタンに戻るぞ! このままじゃガイにすべて持っていかれちまう!』

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魔王軍の品質管理人

平和な世界で魔王軍と人間の共生のために奮闘するような形で書いていきたいと思っています。
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