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秘鑰のように
長ネギを切っていたら、中に円筒形の金属が封じてあり、包丁が欠けた。
はじめての経験だが、異物混入食品にあたったのかしらん。
少し私は憤慨した。
―だが考えてみると異な事で、
―野菜の内部組織にまで、―
『物』が雑りこんでいる筈もあるまい。
パック詰めされた畜肉や魚肉の切り身とかなら解るが。
不審に感じつつも、物象を詳らかにしようと、―
緑いネギの実をほぐしてみると、―
『魔法の鍵』の様な実質が出現するのである。
其れはプラスティックの白いマナ板の上で、―
超現実性を伴う金色に背光している―
のであった。
「何だコリャ」
と人語を話すアホウドリの様に放った駄弁に違和感がある。―
―何か妙に乾いて軽いのだ。『声質』というのがロボットの其れじみている。
例えば脳髄を詰めた人間の頭部を介して発される音声ではなく。
空洞な人形の首が発している様にガランドウの声だ。
不気味に思い。
―顔を弄ると、額に貫孔が空いている。
其れは鍵穴であるのだ。
目の前に鍵。
額に鍵穴。
何う為るかは知れている。
私は恐るおそる、魔法鍵をつまむと正しく嵌合する額にあわせて其れを捻った処で私私は私光る私死痛は光かがやく私は開く扉になり光かがやく巨大な龍を吐き出して其の怪物が世界を焼き尽くした次第であ




