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永遠に残骸
蜥蜴さんは、人間の屠殺場でオシッコをしていた。
人間の首、手足、などが山積みである為、其んな処にオシッコをすると、残骸が臭くなるし、そもそも人間の死物が腐敗しまくってとんでもない事になると思うんだ。
―だから。相手は蜥蜴さんだけれど、私は意を決して告げた。
―其れ以上、オシッコをするなら、殺しちゃう。
―蜥蜴さんは。
バカにした様にヘラヘラ笑うばかりで、聞こうとしないんだから、カッとなります。
―私は、蜥蜴さんも破壊しました。
―あと、此の文章を読んだ人間は殺します。永遠に残骸にしちゃいます。
と。
書かれたノートが、真夜中の帰路、角を曲がったら落ちていて、其れは何の汚れなんだろう。
即、血溜まりを連想させる赤いものが、舗装路に広がっていた。
ノートには叩き潰された蜥蜴の骸がシオリの様に挟んである。
私が矯めつ眇めつしていると、急激に背後に冰たすぎる殺気が匂いたつのだ。




