恍惚構造ねことぴあ
猫麻呂は。
全身を鋭敏な粘膜の様にして目覚めたのである。
恍惚の世界で脳が遊んでいたが、必死の努力で、まるだしの脳髄を現実がわに引っ張り戻した処であった。
アビネエ。
いや。
あぶねえ。
まじ麻薬。
マタタビやば杉。
其れにしても、主人の帰りが遅い。
牿子は、良く出来た飼い主だが、少々びっち入ってるので、猫麻呂にマタタビを啖わせて、デッドヒートしている事もしばしばなんであったから、猫麻呂のほうでも承知済みで、また例のあの感じなんじゃね、お盛んな事で。
と思うに留めておいたが、
―でもクレセント錠を掛けた窓ガラスの向こうは射干玉。
少しく心配にはなった。
―だが時計の文字盤の針が六周も為ると、心配どころではなくて、
―オレ自身やばめ、餓死コースじゃね、ぞぞぞ、
と言うリアルな死の手触りに慄くばかりとなった猫麻呂である。
猫麻呂の与り知らぬ処で、牿子は不良ホストに入れ込んだ挙句、人間用の耽溺物質の味を覚えさせられて、
―ヤリ杉で本気の意味で逝っていたんである。
合掌。
ともあれ主の不在ゆえに、迫りくる死の命運を覚悟した猫麻呂であった。
―あとはもうラリ死ぐれえしか選択ムリじゃね、
と言う捨て鉢感満載で、牿子が(文字通りに)死蔵していたマタタビを隠し箱の在処から引っ張り出して、
―全部、啖ったわけである。図らずも飼い主と同じ方策で死都へ旅立たんとしていた。
―すると帰泉の其れじみた闇。
当たり前だが死の感覚が囲繞しはじめた。
―だけれど、其の時だ。
開かずの玄関が、ガチャリンコ。さわやぎの凱歌を叫び上げたんである。
射し込んでくる光、差し込んでくる外気。
猫麻呂は安堵のあまりに失禁し続けて、其の身から流れいずる黄金液は、―
―フローリング床上で釉薬や、漆器を繚羅する漆の様に美しく光輝した。
。
ざで、お客様。
―猫麻呂はどゔなっだど思ゔ、
A 三味線の皮、。
B
指と血と頭ど、はらわだ、
C 血。
d 恍惚構造ねことぴあ、の中で、永遠に恍惚の粘膜をじでる。




