フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
良い月だね。
新婚旅行は、其うだ。
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンと洒落込むかい。
月旅行に行こうと此れは冗談。
まあ其れは良いが君がいつもニットキャップを被っているのは何故。
夏でもブカブカのニット、被っているね。
ベースボールタイプのヤツじゃなくてね。
嗚呼、其うか。
君。
さては。
角があるんだね。
昔の和装の結婚式じゃあ、つのかくし、と言うアレをかむるね。
女は魔性。
遮光土器の時代から魔と光の領域の者さ。
ハハ。
気障だって。
エ。其れはそうと。
うん。
私の方こそ、何故いつも手袋をしているかって。
ハハ。
可笑しい。
聞いてくれて有難う。
ハ。
上機嫌だって。うんうん、だって。
待ってたんだよ。
其れを聞かれるのを待っていた。
ホラ。
ホラ。
オラヨア。
鬼退治だよ、死ね。
俺はよ、何人も此うやって女を殺してんだわ。
此りゃあ、ゲームなんだけどな。俺の。
俺ね俺ね俺の手はよ生まれつき此んなだからよ。
手袋を外した時にお前みたいなクソ女が蔑む眼を見たくてよお。其の眼を引き摺り出す愉しみの為に敢えて敢えて隠じであるんだよなあ。
ホラ。俺のテばミニグッ醜いかオレの手はよ女は臭い臭い臭い俺の手を笑いやがって。気持ちわりいか。
ホラ。其のクセエ帽子を取れよ髪の毛をアタマの皮ごと剥いだるワ。
げえ。
てめ。何だ、そりゃあ、よう。
般若。
死。
助けて。
たすけて。
たすけてください。
あんた、何なんだよ。
ツノ。
つ。
月。
血。




