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尾籠な話
さきほどから烈しい頭痛がしている。
洟を擤むと、切断された胎児の手指のような肉片をティッシュペーパーが亨ける。
驚愕しておのれの顔に触れてみれば、なにか頭部が膨隆している様な感覚。
鏡を見ると、私の両の眼は一揃いの乳房に変貌していた。
顔面全体は。
洋梨の様な。
マンゴーフルーツの様な。
まあるい、つるりとした紡錘形と成り果てていた。
脣は縦に付いている。
其処に生牡蠣の端部めいたヒダが騒めくのだった。
咳をすると、『物体』が排出された。
其れは光輝し、世界の変改を告げている。
謂わゆる処女懐妊であろう。
窓のそとに熾天使が居る。
其の羽根は静かな七色をしている。
其れだけのはなし。




