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元騎士、弟子の家族が家を後にする

遂に遂に!!



「……では、そろそろお暇させていただきます」



「……さようなら………」



「また……来てくださいね………」




「次来るときは連絡を入れといて欲しいでござるよ………」




「わかったわ〜次来るときは連絡を入れるわね〜」




「エクス殿に迷惑をかけすぎるなよ牡丹……」



「わかった、わかったでござるよ」




「………ではさようなら……」






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





2人が去った後、リビングにはアイと牡丹とエクティスの3人が取り残される。


騒々しさは鳴りを潜め、静寂が訪れた。




「……嵐みたいな人達だったな……」




「……恥ずかしいからあまり言わないでほしいでござる師匠………」




「………でもちょっとだけボタンと似てたかも……」




エクティスの呟きに即座に返す牡丹、アイは自身の素直な感想を零す。





「あっ、アイもそう思った!?、あの強引なところとか結構似てたよなぁ〜」





「こ、こら、アイと師匠、拙者をからかわないでほしいでござる!!」




「………赤くなってるボタンかわいい……」




アイが零した言葉に即座に反応し同調するエクティス、赤面しつつやめてくれと頼み込む牡丹、牡丹の様子に小悪魔じみた微笑みを浮かべるアイ。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







日課の混浴をすませ、就寝する3人。



突如、起きてしまうエクティス、中々寝付けず二人を起こさぬよう下に行き、水飲んでリビングのソファーに腰をかける。



いつまでそうしていたのか、自身でもわからない、30分?一時間?もしくは一年?



そんなバカな考えが浮かび始めた頃だろうか、牡丹がリビングに降りてきた。





「………ここにいたでござるか師匠………」



水気がまだ乾いておらず、しっとりと濡れている黒髪、月光を反射する黒い瞳、少し赤みを帯びている頬、いつもの着物姿ではなく、黒いネグリジェに着替えている、月明かりに照らされる胸元と太ももは艶かしい。



今の牡丹には哀愁が漂っていて、なんとも魅惑な雰囲気でついつい抱きついてしまいそう。



自身の興奮を抑え、牡丹に語りかけるエクティス。





「…………なぁボタン、お前、父親がいないってマジなのか………?」




「!………なるほど母上から聞いたでござるか………まぎれもない真実でござるよ…………」




「…………そっか………」




「…………それだけでござるか?」





「え?」




「…………もっと、過去ばかり追いかけるな!………とか………大人になれ!!とか………言われるかと思ってたでござる」




「…………俺だって父さんや母さんが生きてるって可能性があったら……求めてしまうし……妹や昔の友達を見たって情報を知ったら飛びつく………そんなもんなんだよ人なんてさ………だから……忘れろなんて言えない………だけどな……ボタン……その為に今いる家族を泣かせるのは本末転倒だと思うんだよ…………だから……あまり母親を悲しませたり………祖父を心配させるなよ………」




「わかったでござる……」




「………後これだけは忘れるな………」




「……?」




「……俺がお前の師匠だって事をさ………」




「し、師匠♡」





感極まった牡丹はエクティスに抱きつく。



彼はそんな彼女を後ろから抱きしめて優しく包んでやる。




数分経った後落ち着いた牡丹が小悪魔じみた微笑みを浮かべながら不意に疑問を問う。




「………そういえば師匠、なぜ再戦を申し込んだでござるか?」



「え……い、いや、そ、それはその」




「それは………?」



恥ずかしいかったので誤魔化そうとお茶を濁すエクティス、しかし戯れる猫のように彼に身を預けてくる牡丹、上目遣いとチラチラ見える谷間のコンボについ自身の本音を吐露してしまう。




「ぼ、ボタンが……いなくなって欲しくなかったからだよ……」



「フフフ、師匠は拙者が大好きでござるなっと!!」




「どわっ!?」





赤面するエクティスを押し倒す牡丹、彼は不意に横にさせられて驚愕する。




「…………師匠が悪いんでござるからな………拙者…もう我慢できないでござる………」




「ボ、ボタン!!!」



「あっ、ダメでござるよ師匠♡」




舌舐めずりをしながら覆いかぶさってくる牡丹に興奮が抑えきれず逆に押し倒し返すエクティス。



その日二人は結ばれた。




ここまで長かったのか、短かったのか、それはわからないけど、ここまで来れたのは読者の皆様のおかげです、本当にありがとう!!!

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