元騎士、眩しすぎる太ももを持った凄腕S級解体師に会う
遅くなってすみません。
「全く………お主と言うやつは………」
文句を呟くメルト、直立してる牡丹と意識が戻ったエクティスは黙って聞いていた。
「あんな所でイチャつきおって………」
我慢できずに言い返してしまうエクティス。
「お、俺がどこで誰とどうイチャつこうが王女様には関係ないでしょ!」
「ちょっ、し、師匠……」
逆ギレして喚き散らすエクティス、哀れなものを見るメルト。
この上ない愚行を起こす彼に制止を投げかけようとする牡丹。
「そうじゃな……………たしかにお主が誰とイチャつこうが、誰の何を揉みしだこうが、一夜を共にしようが、お互いが了承してるなら妾には全く関係ないな……」
意外にも同意を得られたのでこれ幸いと、さらに言葉を重ねようとするエクティス。
「で、でしょう!だ、だったら………」
彼の言い訳を最後まで聞かず文句を滑り込ませるメルト。
「しかし!!!約束をほっぽり出して、あまつさえ遅れたことにお主の身に何かあったのかと、心配し探そうとしてる妾の前で乳繰り合い、お嬢ちゃんだの飴ちゃんだの言いおって、お主らそんなに妾をキレさせたいのか!!!!?」
メルトに鬼の形相で怒鳴り散らされ、尋常なく震えるエクティス。
「………………すみません………」
「謝れば済む問題では………」
続くメルトの文句を後ろから現れたオリヴィエがメルトの詰問をやめさせるよう助け舟を出す。
「…………陛下、それくらいにしてはいかがですか?、これ以上は無意味かと……」
「むぅ、まぁわかった……王族たるもの小さい事は気にしないものなのじゃ………」
思いがけない助けに安心するエクティス、さながら逆転無罪を裁判官に叩きつける弁護士のよう。
(オ、オリヴィエ………あ、ありがとう……ありがとう……君は……俺の……女神………)
彼は感謝の念を込めて銀の女神に視線を送る、すると、相手も気づいたのか笑顔を浮かべてくる。
花のように美しい笑顔にエクティスも笑顔になっていると、彼女は続けてメルトに進言する。
「その話は後でゆっくりするとしましょう、こってり絞るために手っ取り早く行きましょうね陛下」
一瞬、何を言ったか理解できない故にフリーズするエクティス、先ほどの助けられたことによる感謝の念という色眼鏡を外しながら彼女の笑顔を観察すると、額に青筋を浮かべていることに気づく。
彼の中の彼女の認識が弁護士から死刑を取り付けに行く検事に早変わり、裁判官たるメルトは執行猶予
付きの判決を下す。
「そうじゃな!制限時間あるより無制限の方が良いかの!」
メルトとオリヴィエはそのまま彼をどう絞るか、そんな話題を笑顔で話していく二人の会話に脂汗が止まらないエクティス。
「…………次は約束を守ろう………」
エクティスは呟きながら、自身の騎士道心得に新しいポリシーを追加している、そんな彼の肩を優しく叩き慰める牡丹
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紆余曲折あったが、なんとか九頭龍犬狼が保管してある倉庫に辿り着く一行。
「………そういやギルドはよく倉庫貸してくれたな………」
呟くエクティスに微笑を湛えながら返事する牡丹。
「獲物が獲物ですからな〜ギルドも心良く貸してくれたでござるよ〜こんな大物をウチは狩れるんだぞ!他地区のギルドに向けるあぴーるぽいんとになるとかなんとか?」
「あ〜なるほどね〜」
アホヅラを晒しながら納得するエクティス、二人の会話に聞き耳を立てつつ、倉庫の鍵を開けシャッターを開けるメルトとオリヴィエ
「………ほら着いたぞ、エクティス、これがお主らが討伐した九頭龍犬狼じゃ」
自慢の九つの首が今や一本も残っていない巨大な狼の死体……間違いなくエクティスが遭遇した九頭龍犬狼。
「……………この死体、あれから1日ぐらい経ってるけど全然腐ってないな、なんでなんだろ?」
疑問を浮かべるエクティスに見知らぬ人間の呆れと怒りを混ざったような嘲笑の声が上がる。
「ハァッ????アンタそんなことも知らずに災害指定、ランクLの魔物、特殊解体素材の一種、九頭龍犬狼の死体を解体するとか言ってんの????!バッカじゃないの、素人はとっとと帰りなさい!!!」
罵倒とともに帰宅まで進められたエクティス、声の主をよく観察する。
全体的に歳は二十歳前後の女性、肉体的にいい頃だ。
艶やかな長い赤髪は邪魔にならないようにタオルで挙げられている、ルビーのような輝きを放つ紅眼、今は侮蔑するように目を細め、彼を貫いている、一本筋通った鼻筋に厚すぎず薄すぎずちょうどいい厚さの唇、男なら物凄く唆られること間違いない、今は真一文字に結ばれてて威圧感しか出てないが。
胸は豊満で、オリヴィエと牡丹に負けるとも劣らず、オリヴィエ寄りの牡丹の胸……と言ったところか、そして尻は二人に比べ、やや小さいが、そのおかげでスタイルは抜群にバランスが良い。
スタイル美人はその眩しい上半身に着るようの作業服の上着部分を脱ぎ腰に巻きつけている。
上着を脱いでるため、下に着ているタンクトップが見える、タンクトップに包まれた胸が物凄い熱気を放っており、汗を尋常なくかいている。
尻の上あたりに一つ、腰の脇に二つ、様々な道具が入ったポーチが付いていて、取り出しやすいように今は口が開いている。
下は太ももの露出が激しいデニムパンツ、太ももの付け根あたりにホルスターベルトが付いており、太いかったり細かったりする工具が引っかかっている。
ほどよく鍛えられ肉付きがいい太もも、極小部分しか隠していないデニムパンツ、黒いホルスターベルトに吊っている工具がコントラストになり、黄金比を整えていて、太ももの美しさを際立たせている。
(…………一度でいいから、審判の日まで揉みまくって優しく撫でましてスベスベさを堪能したい………)
「……………………ねぇ聞いてる?、人の胸を数十秒ガン見した後に、今度は瞬きも呼吸もせず、鼻息だけ荒くして太ももを凝視、世界の終わりまで私の太ももを楽しみたいって顔をしてる、どすけべエロガッパ下級騎士君?」
「……………はっ!!!?、い、いやぁ〜つ、つい、お姉さんの太ももが見てきた中で一番魅力的で、もはや次元が違うと断言できる、芸術ですよ!!、つい見とれちゃって〜えへへへ」
「………ごめんキモすぎて鳥肌立ってきたからその性欲でしか判断できない眼球をビー玉と変えても良い?」
賛辞を送っているつもりのエクティス、そんな彼を凍える眼で貫きながら悪態を吐く彼女。
「まぁまぁ、落ち着くのじゃ……紹介しよう、彼女こそ王国でも指折りの凄腕S級解体師、アメリア・ジャムジャーじゃ!」
王女様はない胸を張りながら、偉そうにふんぞりかえる、彼女がすごいわけではないのだが、そこはご愛嬌。
メルトの紹介を聞いて、彼女に挨拶をするエクティス。
「えっと、今日はよろしくお願いします!!」
頭を下げながら手を差し出すエクティス、そんな彼に少し感心したように口笛を鳴らし、眼差しから侮蔑の色を薄くしたアメリア。
「ヒュ〜、思ったよりは礼儀正しいじゃん、まぁ今日はよろしくね、エクス君」
差し出された彼の手を握り返し、握手に応じるアメリア。
彼女の言葉に少し鼻の下を伸ばし、口を滑らせるエクティス。
「あ、貴方みたいな美人にそんなこと言われたら、調子に乗っちゃいそうになりますよ〜アメリア・ジャムジャージャーさん〜えへへへ〜♪」
「…………えっと、私の名前は「アメリア・ジャムジャー」だよ、「ジャー」が一つ余計………」
アメリアの目が瞬時に阿保を見る眼差しになり、周りの人間全員は笑いをこらえようとしてるが、微かに聞こえる嘲笑のささやきがむしろ内心爆笑してる事がつたわってくる。
まるで火口に放り込まれたように体温が上昇し、両手で顔隠し、恥ずかしさ故、地に転がり身悶えるエクティス。
「もういっそ殺して!!!!!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい、忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろォォォォ!!!!!!」
大きい胸や尻も好きですけど、ほどよく鍛えられた肉付きのいい太ももも尊いですよね(満面の笑み




