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元騎士、弟子と模擬戦をする

久しぶりの戦闘シーンに歓喜!!

優しげな朝日に晒されるベットの上で熟睡してるエクティス。



そんな彼を見下ろすのは先に起きた牡丹。


「ふふふ、安心して寝てるのが運の尽き、師匠覚悟!!」





イタズラしようとした牡丹、だが。



「へ?」



「むにゃむにゃ……」



逆に寝ぼけているエクティスに抱き枕にされる牡丹。



「し、師匠駄目でござるよ、は、離してください」



「う〜ん、後五分〜」



「だ、だから、ひゃっ!?!?」



あろうことか牡丹の耳を舐め始めるエクティス。



「うま〜い」



「ちょ、だ、だめでござ、るよ、師匠、あっ♡」



胸も揉みしだき始めるエクティス。



「ほ、ほんとに、寝てるのでござるかぁ〜♡」



「むにゃむにゃ」



今度は体制を変え太ももを舐め始めるエクティス。



「あっ、ちょ、まっ、♡」





◆◆◆◆◆◆◆




「むにゃ?ふぁ〜よく寝た、うん?」


そうして目を覚ますとなぜかいき絶え絶えの牡丹が転がっていた。


「は、激しすぎでござる〜♡」



「ど、どうしたんだ……まぁいいや、朝飯でも作るか……」


そうして牡丹を放って置いて台所に向かうエクティス。


「ま、まさかあれほどとは、む、無念でござる♡」





◆◆◆◆◆◆◆




朝ごはんができたちょうどいいタイミングで牡丹がリビングに入ってくる。



「お、ボタン、今日の朝、あれ何してたんだ?」



「………ひ、秘密でござる」



「そうか〜」



軽く流し朝飯を流し込んでいくエクティス。


牡丹も席に着き、行儀よく食べていく。


二人が食べ終わったころ、牡丹がこんな事を提案してくる。


「腹も膨れたし、朝稽古でもしようでござる師匠!」



「え?!!あ、朝稽古ってまさか……」



「あ〜違うでござるよ〜普通に木剣で模擬戦をしようというだけでござる、ま、まぁ師匠が望むならそれもいいでござるが………」



「え、それはいいけど、その、寸止めで頼むぞ……」




「大丈夫でござるよ、ちゃーんと寸止めでなければ痛いでござるからなぁ〜拙者が!」





「も、もういいや」




食器を片付け、台所に冷やして、テーブルの汚れを拭き取って台布巾を水にさらし濯いでいく。




食事の後の片付けをし終わった後、牡丹とエクティスは外に出る。




元々、少し人気のない、街のはずれにある安い家を買ったのであまり周りに気を使う必要はない。




売れずに不動産にすら見捨てられた建物は壊され、売り地になっていくが、買い手はつかず、花の王都というのにここら一帯だけぽっかりと穴が空いているようだ。



手入れはされず荒れ放題、雑草が各々勝手に伸びている、この景色をエクティスは少し気に入っていた。




だがそんな呑気に構えているわけにはいかない、なぜなら今までであった剣士の中で最強の相手と模擬とはいえ剣を打ち合うのだから。



勝てないとは思う、しかし、善戦ぐらいはしたい、昨日この少女の師匠と胸を張れる鋼の心に鉄の強さ、騎士になるという自身の誓いを嘘にしないためにも。




靴で地面をほじくり、つま先を揃えるエクティス。



木刀を素振りし感覚を確かめている牡丹。




侍と騎士が剣を打ち合わせるには絶好の場所、少し距離を離し、木剣を構えるエクティスと牡丹。



「では、まいる!!」



裂帛の咆哮とともにエクティスの視界から消える牡丹。


それと同時に後ろから襲ってくる木刀を振りむきながら受け止めるエクティス。


「むっ!?!」



鍔のない木刀の鍔迫り合い、睨み合う二人。



「縮地からの我が初太刀を見切るとは見事!」



「8割、直感だけどな!!」



啖呵を切りながら木刀を握る手に力を込めるエクティス、しかし元々の膂力の違いか徐々に押され始める。



鍔迫り合いでは勝負にならないと判断し、後方に飛ぶエクティス。



追い込みをかけるように近づく牡丹、自身が信頼を置いてる剣技をお見舞いする。



「贋流殺法 偽剣・燕返し!!」



ほぼ同時に飛んでくる三つの斬撃、しかしそれ全く同時ではないことにエクティスは気づいていた。




針の穴を通すような体捌きが要求されるが、避けることは理論上可能、しかしほぼ理想論、その事実が牡丹のこの技を必殺たらしめていた。




誤算だったのは、技を仕掛けられている男が毎日のように複数人の騎士に囲まれ、同時に斬撃を放たれ、ボコボコにされる過程で徐々にだが同僚の剣を見切れるようになっていた。




しかし、円状に囲まれた状態でいくら見切ったところで避けれるはずもない、しかし、一方向からの多段斬撃なら話は別。



苦渋と辛酸で鍛えた動体視力と剣で牡丹の剣技を捌くエクティス。



一つ捌ききれずに頰をかすめるが、無視して突き進む。


「なっ?!」


3つの斬撃をほぼ完璧に捌きり、接近するエクティスに驚愕する牡丹。



「……大技を放つなら、敵の態勢を崩すべきだったなボタン!!」



木刀を振り抜いて、無防備な彼女に遠慮なく力強く踏み込むエクティス。



そしてそのまま振り抜き、当たる寸前で止めた。



「……俺の勝ちだボタン……」



「ふ、そうだな、そして拙者の敗北でござる…」


視界が回復し、自身の負けを悟る達観したような顔を浮かべる牡丹、そして自身の勝ちに何より嬉しそうな少年の笑顔を咲かせるエクティス。



しかしそのまま仰向けで倒れるエクティス、どうやら掠った斬撃で脳震盪を起こしたらしい




「ちょ、し、師匠、ど、どうしたでござる!??!」



エクティスの誤算は魔王討伐した女侍の斬撃の威力を舐めていたことだろう。



掠っただけで脳震盪は牡丹強すぎ(震え声

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