元騎士、副団長様との共同作業(意味深イチャイチャ)
今回の話はいつもより長くなってしまい、ちょっとクドクドしくなってるかもしれません汗
そうしてメルトとオリヴィエがリビングでくつろぐこと数時間、エクティスはちょうどいいと考えある事を提案する。
「あの、お腹空きません?良かったら俺昼飯作りますよ」
「師匠は料理もできるのか、流石でござる!」
「おお!珍しく気がきくの!頼む!」
「はは」
(あんたは金のない平民から自宅の安息まで奪う悪魔だけどな)
「………今何か妙な事を考えなかったか、エクス?」
「な、何言ってんですか、べ、別に何にも考えてないですよぉ〜」
幼くても女、こういうことに関しては鋭い感を発揮され、焦るエクティス。
バレる前にとっとと調理台に避難するエクティス、息を吐き少し落ち着こうと考えたらなぜかついてきているオリヴィエに驚き一瞬息が止まる。
「………え?どうしたんですか副団長様………」
「私も手伝うぞ!やっぱり作ってもらうだけというのは騎士の名折れだ!」
「え!!?」
「………………なんだそのえ!!?というのは、不満か?………………」
「い、いえ、べ、別に………」
(副団長様はたしかに料理好きだけど上手いかどうかは別問題なんだよなぁ〜、俺が教えて以前よりはマシなったと言っても、普段は仕事ができる完璧クール美人なのに未だに料理とかだとドジを連発をする良質なドジっ子に変貌する上、精神年齢が幼児退行するし………まぁはそのギャップは男心をくすぐる超萌えポイントだけど、流石に頭から熱湯やら冷水をぶっかけられたり、包丁がすっぽ抜けて顔を掠めたりすると、萌え〜とか言ってられるほど俺猛者じゃないからなぁ〜、多分断るのは無理だし、………………苦渋の決断だけど俺がサポートすればいいか………)
「ど、どうしたエクス、いきなり黙って………」
「え、えっとそれじゃあお願いしますね!」
「お、おうまかされた!」
(さてと、………まずは全身火傷&全身打撲と光を失うかどちらが低リスクというと前者のほうがマシだな!副団長様は回復魔法は持ってるし、火傷or打撲程度ならすぐ直せる………逆に部位欠損を治すのは手間がかかるということなんだが………)
「副団長様はフライパンに油、調理道具を用意しててください、俺が包丁を担当するので!」
「え、わ、私包丁がやりたい……料理っぽいし………かっこいいから………」
(………………とりあえず料理する人が雰囲気で刃物持つやめてほしい………)
「………え、えっと切り傷は直しづらいし、も、もし副団長様の綺麗な肌に傷がついたら俺死にたくなってしまうし危ないので、俺がやりますよ!」
「き、綺麗!?!お、お前はまたそ、そ、そんなこと言って、わ、わ、わ、わかった!こっちはま、任せろ♡」
(ふぅ危ねぇ、女になるところだった、だがグズグズもしてられない、副団長様の仕事が終わるまでに包丁の工程を終わらせなければ俺に明日はない!!)
九頭龍犬狼との戦い以上の絶望的なサバイバルが始まった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「おーいエクスこっちは終わったぞ!」
「こちらも終わりました!あとは焼くだけですね!」
「な、なぁ、や、焼くのはやってもいいか?」
(くっ、やっぱりそうきたか!続けて煽てて断った場合、その場はいいが後で、「あれ私結局道具用意しただけじゃね?」と気付いてしまい不機嫌になってしまう!………ここは………)
「は、はい良いですよ!、で、でも副団長様の様の綺麗な手とかお顔に火傷なんかおったら大変なので俺が手を添えさせてもらいますね!」
「え?!!………わ、わかった、い、い、いいいぞ♡」
「じゃあ失礼しますね!」
「お、おう!」
オリヴィエの後ろから手を添えるエクティス
「わっ!」
「ど、どうしました?」
「い、いや、久しぶりに手を握ってもらうと思うと、ドキドキしてついびっくりしてしまった♡」
「そうですか〜他人に手を握ってもらうってあんまりないですからねぇ〜俺もすべすべな手を握れてドキドキしてますよ〜なんちて〜あはは」
(………ってあれ?今気づいたけどこの人の手、すげぇすべすべでいつまでも触ってたいんですけど………ま、まぁこれくらいのご褒美はあっていいよな!)
「ふぇ?!そ、そうか、よ、喜んでもらえて何よりだ、………あ、あと、後ろに立たれるのも、ちょ、ちょっとだけ、恥ずかしいぃ♡」
「あ、ああそうですね、背後立たれると、ちょっとそわそわしてしまいますよねぇ〜」
「あ、ああ、あっ?!!」
飯を焼く音に混じって、少し添える箇所を変えるエクティス、敏感に反応するオリヴィエ。
「どうしたんですか、副団長様?」
「わ、わかっててやってるだろエクス!」
「え〜なんのことかわかりませんね〜」
(……てか、敏感すぎだろ、可愛いすぎ……もっとからかいたくなってしまう……)
「お、お前はそういうとこはほんと意地悪だな……」
「………じゃあやめましょうか?後は多分副団長様だけでも大丈夫ですし………」
「へ?!?で、でも、そ、その、あの、そそんなこと言わないでくれ……」
料理の熱かそれとも異性に触られてることによって緊張から出た汗か、どちらにしてもお互いの手が汗塗れになる。
どちらの手が自身の手なのか、境界がどんどん曖昧になり、徐々にエクティスとオリヴィエは繋がって、一心同体になったかのような錯覚を覚える。
「どうしよかなぁ〜副団長様がちゃんとおねだりできたら続けてあげようかなぁ〜」
「………や、やっぱり意地悪だ………お、お願いします……」
「え?よく聞こえないなぁ〜ちゃんとどんな自分のなにに、ご主人様に何してほしいのか、お願いしないとわからないよ〜♪」
「ど、ドジで、び、敏感な私の汗塗れのヌルヌルな体にいい子になれるよう、手取り足取り教えてください意地悪なご主人様……♡」
「よ、よしよく言えましたね、副団長様、続けてあげますよ」
(やっばい、やっばい、エプロン姿のこの人にこのセリフ!めっちゃいい!!!)
「……………オリヴィエ………」
「へ?」
「………敬語もやめてほしいし、副団長様じゃなくてオリヴィエって呼んでほしい………♡」
湯気を拭きながら赤面するオリヴィエはそんな事をねだってくる。
「………お、オリヴィエ………って、な、なんか恥ずかしいな、改めて名前で呼ぶ上にタメ口って………」
「ふふ、さっきは私が辱められたからな、お返しだ♡」
振り返り小悪魔的な笑顔を浮かべるオリヴィエ、なんとなくその顔から目を背けられず、磁場のように視線を吸い寄せられるエクティス。
「………な、なぁエクス、い、今、二人きりだなぁ……♡」
「……なに言ってるんですか……いきなり、さっきからずっとそうじゃないで、……じゃないか」
「……そ、そうだな、ず、ずっと二人きりだな♡、あ、あのなエクス、じ、実は前から、言いたかったことがあるんだ………」
「………え?、そんなことあったんで、のか?」
「あ、ああ………じ、実は、わ、私は……お、お前のこと……♡」
甘い空気が煮詰められ、今弾けようとしたその時。
「あっ!?!あっぶねぇ焼きすぎるところだった!」
「え?」
オリヴィエからフライパンごと離れるエクティス、そして皿に盛り付けていく。
「ふ〜危ない危ない、うん?そういえばオリヴィエ、何か言いたかったことってなんだ?」
「な、な、な、な、……」
「うん?」
「なんでもない!!!!!!」
ものすごい爆音で怒鳴るオリヴィエ、とっさに耳を塞ぐエクティス。
「も、もう、エクスは本当に兄意地悪だ………」
そんな事を言いながら台所を離れるオリヴィエ、呆然とするエクティス。
「え?な、なに?………ま、まぁいいや!めっちゃいい思いできたし、昼飯できたし、名前呼びもするほど仲良くなれたし!いい事づくめだ!」
いやぁ〜ただの調理シーンだから別にいやらしくもなんともないですね!!(棒読み)




