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命の灯はいつか遅かれ早かれ潰える ―The theory of life―  作者: MAD(泥)過ぎてもはや何かわからない。
現代、日本国。201X年
4/4

間章 KARTE.4 次元の間、神に手を引かれ・・・ ―Between dimensions―

ふう…。これで4つ。沼にはまったな。

 ――ここは何処だろうか…。自分の感覚がない、四肢の感覚が薄い。ありとあらゆる感覚が薄い。やはり私は亡くなってしまったのだろうか。少し息をついた。暗闇が見えてきた。視力が少し戻る。薄目ながらも周りの状況が掴めてきた。石畳の道をとぼとぼ歩く。何処かはわからない。歩き続けたら、やがて大きな川に着いた。

 

 三途の川だろうか。船を漕いでいる、笠を被る船頭が見えた。透けている人が次々と乗り込んでいく。周りには鮮やかな蓮華の花が咲いていた。ふとポケットに何かが入っていた。6文の銭と白い紙きれ。私は船頭を捕まえ、6文を支払い、渡船に乗り込んだ。ゆらゆらと川を渡っていく。中には蹴落とされる人もいた、つまり生き永らえたのだろうか。


 あっと今に対岸についた。つまり私の死が確定したのだろうか。前を見たら袈裟を着た男が立っていた。

「待っていたよ、神崎先生。」

「案外フランクなんだな、神様は。」少し微笑んだ。つまりその男は神様、アウラト神。以前病院で出会った神様だった。私は神様に手を引かれ、大きな階段に着いた。さあ登っておいで、と促され、白い紙を手渡した。階段を上る。ざっと1,000段登っても先は見えない。雲を過ぎたな。2,000段あたりで扉のようなものが見えた。3,000、4,000登ってやっと扉の前についた。扉に触れ、押してやると、ギギギィと大きな音を立てて扉が開いた。そこは真っ白い部屋が広がっていて、机とコップが置かれ、椅子に座っていた神がいた。

「まあ、座りなさい。」一対の椅子に座るよう促す。

「では、失礼します。」一声かけて、腰を掛ける。

「では話は聞いているが、医師として貴方は下界に降りて、人々を救え。」

「はい。心得ております。」

「欲しいものは?」

ううむ、声をあげ、考え込む。そして一息つき、

「無尽蔵の魔力と少しの回復魔法で十分です。」と答えた。

「もう少し、持って行ってもよかろう。」

「転写呪術というものあればいいくらいですね。」

転写呪術というものは対象物に対して、中身の様子、外見を転写するという生産魔術(白魔法)の一種で、意味のないスキルと言われるが、私や生産職にとってはかなり使えるものだ。魔法紙に伝えると絵が浮かび上がる。私としたら、レントゲン撮影の代わりにもなるのだ。

「よし、それくらいでいいか?」

「問題ありません。十分です。」

「分かった。次の人生はより良いものにせよ。無理無茶は禁忌だ。次を大切にせよ。休養と食事、仕事の量に気をつける、だ。誓えるか?」

「はい。誓います。」

「よし、君は赤子に憑き、ゆっくりせよ。」

「はい。」

「行ってこい。」

 扉が開かれた。次はゆっくりしようと思うのだった――。

次は、ようやく異世界に転生します。どうなることやら。

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