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№22  作者: masaya
一章 №を獲た者
3/6

2

世界でいつからearthが出現したのかは知らない。私たちは生まれた時から終焉を迎えてしまった。開焉することない日々。始まりを知らない私達(こどもたち)。そもそも始まりとはなんだろう?始まりなんてこの世の中に存在するのだろうか?きっと始まりは命を落とした瞬間。生き続けることが困難な世界。それでも生物(ひと)は一分一秒命があり続ける瞬間まで命を得ようともがき苦しんでいる。苦しむぐらいなら焉わらせればいい。そうすれば人は人を超え神にさえなることだってできる。earthはきっと神の使者であり救済するために生まれてきた自然現象(もの)。靄を掴むようなもの。人間はearthと戦い何を得ようとしているのだろうか?私には分からない。ただ、一つだけの救済にしか見えないのに。私は問うてみる。私は問うてみた。【・・・・・・?】、と。



「くっ!マズイ!左手出力低下。スイッチ!」

「ははっ!今日に限って朝ご飯でも抜いて来たのかい?まったく、最近の若い子はダイエット、ダイエットって痩せれば可愛いとか思ってて勿体ないね。少しぐらいお尻にお肉がのっていた方がおじさんは好きだけどねっと!」

陽気な声が左右に取りつけられているスピーカーから流れてくる。相変わらず命をかけearthと戦っているのにまるで緊張感のない声に眉間のしわが深く濃くなってしまう。

「隊長!そんな馬鹿な事を言っている場合じゃあないです!私たちが食い止めなきゃ市民は全員死んでしまうんですよ!」

彼女の必死な叫びさえも隊長と言われている男には大して心に響いている様子はなくより一層に愉快そうな声が聞こえてくる。

「だから、そこまでカリカリしちゃうといつも通りの力なんて出せないぞっと!」

「隊長が私を怒らせているんですよ!」

愉快に笑っている声が聞こえてくる。流石に彼女も我慢の限界値に達してしまったらしい。回線遮断ボタンを押し目の前のearthのみに神経を尖らせる。何のために出現したかなんて分かっていない。が、一つだけ分かっている事がある。文明(にんげん)が住み暮らす場所に出現し破壊していくということ。長い歴史に置いてearthによっていくつもの命が破壊されてしまったかなんて分かりはしない。幾度となく人は死んでいった。しかし、無意味に死んでいったわけではない。人間は学びearthに対しての対抗策を生みだす。【対汚染生物迎撃兵器】なる機械を開発する。しかし、無限に動かせれるほどの資源を確保することができる訳もなく可動可能時間がどうしても出てきてしまい、未だ解決されない課題の一つでもある。が、少しずつではあるが兵器の可動時間は伸びており最近では最高47分と言う最高記録を生み出している。

「34分経過・・・あともう少しで動かなくなっちゃう。早くケリつけないと!」

左右に振り分けられたグリップを握り息を吐く。グリップを握る腕が熱くなり自然と呼吸も荒くなり彼女の殺意(いし)を感じ取ったように兵器は深く体を沈みこませる。と、次の瞬間大地を蹴り飛ばし上空へと飛び上がりearthを視界に入れた途端に急降下を始める。体全体に鉛のような空気が彼女を襲ってくる。

「ごふっ」

腹部に鉄の塊を投げつけられたような痛みが襲い意識が吹っ飛んでしまいそうになるが彼女は歯を食いしばり意地で意識を保つ。通常の人間ならば意識どころか内臓損傷、日常生活に支障まであり得るためこの様に機械を急発進などさせたりはしない。現に先ほどまで談笑していた男も声色こそ変えていなかったが何か命令を発信しているようだったが、彼女の耳には到底入ってはこない。轟音と共に鉄の塊がearthへと、

「お前はここで潰れろ!」

怒声にも似た叫び声が訓練場一帯を覆い防弾ガラスさえも震え周りに居た訓練生は驚きのあまり訓練を中断し叫び声が聞こえた方向へと視線を向け、しばらくすると先ほどとは違う怒声が木霊する。その声に訓練生は皆視線を逸らし、くわばら、くわばら。なんて口を揃え自主訓練を再開する。

「こらぁ!!米通茉耶!訓練だからと言って通信を切り身勝手に行動するとは何事かっ!!」

「・・・」

「米通!叱られているのにその態度はなんだ!!液晶ヘルメットを外し立ち上がれ!!」

ため息をつきつつ彼女は言われた通りヘルメットを取り怒声を浴びせている男の前に立ち視線を向ける。自分は悪いことなんて一切していない。反省をするどころか睨みつけ訓練の邪魔をされた事に対して抗議しているようにも見えた。米通の感情は反省ではなく反発している表情だとすぐに分かり小太りな男は体全体を震わせ怒りを溜めているようだった。

「き、きさま・・・私に刃向うとどうなるか・・・分かっているのか」

「すみません。しかし、あの場合はearth撲滅に最優先では無いのでしょうか!」

「き、きさま・・・単騎行動がどれほど危険なのか分かって!!!」

震える拳を米通の頬へと放たれようとした瞬間に颯爽と拳を受け止め笑いながら小太りな男の肩を叩く男性が現れる。煙草をふかしつつ爽快に笑いながら米通を眺めつつ小太りな男に軽く頭を下げる。

「すみませんねぇ。俺が叱らなければならないところ長官殿が直々にお叱りをしていただいて。でも、これ以上血圧が上がったら体に悪いでしょう。後始末(せっきょう)は俺がやっておくので」

「お前がそう言うなら・・・。しかし、米通!お前の今日の行動は審議委員会に報告させてもらう。楽しみにしておけ」

嫌みったらしく微笑むと訓練場を後にする。と、先ほどよりも盛大に米通の横に立っていた男が笑い肩を何度も叩いてくる。

「相変わらずお前は後先考えることなく動くよな!」

「隊長がしっかりとしてくれれば私だってあんな無茶はしなかったです」

「ははっ。お前が言いたい事は分かるけどな?」

「すみません。私、汗を流したいのでこれで失礼します。今日は訓練ありがとうございました」

深く頭を下げ挨拶を済ませると有無も言わさず訓練場を後にする。残された男も顎の髭を触りつつ、

「ははっ。信念を持つ事は良いんだけど、危ういねぇ・・・」

こんばんは。何故、このタイミングでまた新しい物語を書き始めた?!と、思われている方が居られましたら本当にすみません!

出来るだけ他の物語も更新して行こうと思っておりますのでよろしくお願いします。この物語をドキドキして見て頂けると幸いです。そして、私なりのロボット物語が書けたらな!って思っております。

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