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1-3 どうしたらこの想いは伝わるんだろう

 勉強はちゃんとする。やることやってないと、「これだから責任感のない子供は」って、鼻で笑う人だから。

『自分のやるべき事をおろそかにするヤツは、目先の自分のことだけしか考えない子供だ』

 透君のこと以外どうでも良いって、透君にばかりかまけて、子供じゃないって訴えたときに、ため息交じりに透君に言われたことだ。

「子供じゃないんなら、そう思わせるように行動で示せよ。おまえの言ってることはまるっきり子供の主張だ。俺は自分の責任を果たさないヤツは人間として嫌いだ。責任を果たさず自己主張だけするのを許されるのは子供だけなんだよ。おまえが大人でそんな自分勝手な主張をしてたのなら、俺は軽蔑するよ。でも子供がやる分には可愛い。目先のことしか見ず、先のことを想像する力もなく、周りの気持ちも考えられないバカさ加減は、子供の特権で、その向こう見ずさはほほえましいぐらいだ。俺は、おまえが子供じゃないってキャンキャンかみついてくるのは、可愛いよ。……子供だから」

 強烈な皮肉だった。アレは、高校生になったからって、透君へのアピールが酷くなっていたときだった。透君は社会人になったばかり。後で「イライラしていた、ごめん」と謝られた。

 でも、あれは透君の紛れもない本心だったのだろうと思う。

 それ以降、私がちょっと透君にやり過ぎると、わざと「これだから子供は」って言われるようになった。そう言って、笑って軽く流すのだ。

 ずるいって思う。そういえば私が引き下がることを知って使うんだ。

 そうして睨み付ける私を笑って頭を撫でるんだ。「成長したなぁ」って。

 いつまでも子供扱いで、化粧なんてしても「子供の背伸びは可愛いなぁ」って逆に馬鹿にされて。大人っぽく振る舞おうとしても、にやにやしながら「がんばってるな」とか言われると、絶対にもうやらない!!っていうぐらい気持ちをそがれる。

 近づこうとするのを許してもらえない。年齢の差を縮める努力すらさせてもらえない。

 好きだって言っても適当にかわされる。今日なんてついに憧れ扱いされた。

 結局、私が本気を示すために出来ることは、目の前の責任を果たすこと……受験勉強をがんばることぐらいだ。

 でも、そんな地道な頑張りは、透君には伝わらない。差は全く縮まらない。でも、やらなかったら、受験より透君!!なんてことをしたら確実に透君は私を子供扱いするし、縮まるどころか遠ざかってしまう。

 透君にとって対象外過ぎて、私の気持ちはいつもから回ってばかりだ。

 ほんとに好きなのに。いつも軽く「好き!」っていってるけど、いつも緊張してるのに。ちゃんと言葉にしないと伝わらないから、でもまじめに言ってしまうのはとても怖くて、だから、軽くごまかすしかなくて、でも、それさえも、いつもすごく緊張してるのに。

 透君は、軽くかわしていってしまう。私の思いは届かない。

 どうしたらこの想いは伝わるんだろう。


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