最終章 一冊の闘病記との出会い、そしてネット作家に
世の中がイヤになっていた時に、たまたま弟が持っていた「少しは恩返しができたかな」(講談社)という闘病記と出会った。
最初は読みたくなかった。
それどころか、「亡くなった自分の子供を金儲け道具にしている」などと考えていた。
だがそれは間違いであった。
ふと、その闘病記を手にし、読んでいるうちに、この本を書いた母親の気持ちが分かった。
そして何度も読んでいたら、命の大切さを思い出すことが出来た。
生きたくても生きられない人たちがいる。
僕はそんな人たちのために、祈りという曲を作ったんだと思い出した。
僕は自主制作CD-R「祈り」を作った頃に、いつか自伝を書こうと思っていた。
だが僕はそんなものが書ける人間じゃない。
僕はとにかく生きる目標がほしかった。
それで僕は、「物語の中で大好きな格闘技をやろう」と思い、格闘小説を書き始めた。
何度も書くのをやめようとしたが、僕は作り話の中に少しだけ自分の真実を書いてみようと思い、出来たのが「武勇伝」という作品だ。
ペンネームは生死ではなく、「生きる時」を略して生時にした。
僕はこれを多くの人に読んでもらいたくて、いろんな出版社に送った。
そしてある出版社から「自主出版で出してみないか」と言われたが、費用がすごくかかるのでお断りをした。
でも僕は何とか自分の作品を読んでもらいたくて、2006年に「小説家になろう」を利用させていただき、ネット作家としてデビューした。
最初のペンネームは生時だったが、パスワードを忘れてしまい、管理者に連絡しても連絡がないため、僕は生時の後ろに遊びでやっているバンド名、レジェンドを付けて、生時 (レジェンド)という名で2007年から本格的に活動を開始した。
最初は格闘小説を書いていたのだが、途中からコメディーを書くことが多くなった。
なるべく楽しい事を考え、病気のことを忘れたいからだ。
ネット作家になってから今日まで、入院はしていません。
これは調子が言い訳ではなく、僕のわがままで入院していないだけ。
また腸の一部が細くなっており、一昨年くらいに、血便が止まらず、採血をしたら、ヘモグロビンが5しかなかった(本来は一般男性なら14はなければいけない)
絶食をしたら、何とか止まったが、さすがに命にかかわるので、医者から電話がかかってきて、「今度、血便が出たら、入院してください」といわれた。
僕は入院したくないため、バイトはしていたが、血が回復するまでは市販の栄養剤だけにして、仕事をしていた。
2011年2月に「CCJAPAN」(三雲社)というクローン病専門誌に僕の体験談が載ったのです。
そしていつか、お金を貯め、自分の作品をいつか自費出版でもいいから、書籍化するという夢が出来たのです。
だが、最近、体の事だけでなく将来の事で悩んでいます。
僕は今までいろんな仕事をしてきました。
学生時代は、母親の知り合いのとこで屋台をしていました。
卒業後に、パン工場に就職したんですが、この時にクローン病と診断されました。
その後は、バイトを転々としています。
父親の仕事が運送屋なので、トラックの助手をしたり、プラスチック工場で仕事したり、車のオークション会場の仕事もしました。(このバイトが一番辛かった)
あと、リサイクルショップを二回やりました。
あと、二回目のリサイクルショップの時に師匠の館長が、運転代行をやっていたので、短期間だけど掛け持ちでやっていました。あとスーパーも二回やりました。
あと映画館で映画という不思議な世界の案内人をしました。
だが映画館のバイトを辞めてから、将来が不安になってきました。
気にいっていた仕事だったのですが、調子が悪くなってから、人件費削減のため、シフトを削られ、また、新しくきた店長と意見が合わなかったから辞めたんです。
さすがに33歳にもなると焦りが出てきました。
親も年というのもあります。
本当なら僕が父の面倒を見なければいけないのに……
兄は結婚して、子供も二人いて、家族を持っている。
弟は母親に育てられたから、面倒を見ているんです。
兄と弟は凄いです。
学生時代から保育士になるたいという夢を持っていて、実現させたのですから、凄いです。
僕だけが病気は仕方ないですが、違う事で迷惑ばかりかけてきてしまいました。
だからこそ、これから親孝行できる人間になりたいです。
でも「病気に負けないぞ!」と思いながら、作品を書いたりしていますが、「やはり4回目の手術をした方がいいのかな」と、思うと、また世の中がイヤになってしまいそうです。
だが、今は「生きる時」だと自分に言い聞かせて、頑張って生きていきたいと思います。
どうも最後までご愛読いただきありがとうございます^^
さすがに30代になると体の事だけでなく、将来の事までも考えなければならない事に不安を感じています。
僕は病気に負けそうな時は、「少しは、恩返しができたかな」を読んで励ましているのですが、最近では、「1リットルの涙」やお母さんが書かれた「いのちのハードル」を読むようになりました。
いつか自費出版でもいいから、自分の作品を書籍化したいです。
あと、自主制作CD-R「祈り」のような自主制作CD-Rをまた作りたいと思います。
You Tubeに自主制作CD-R「祈り」の音源を50秒だけ載せています。他にも祈りの弾き語りなども載せています。良かったら聴いてください。
え~、今回久々に前に書いた「愚かな男の真実」を読んで(あんま、過去の作品を読み直さないんですよね)今回新たに編集し、いろいろと付け加えたり、減らしたりして、書いてみました。
ホントいい生き方してないですね(汗)
これからは人に好かれ、親孝行のできる人間になりたいと思います!
平成24年5月 生時