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・非常な姉、登場!!

ある日の昼下がり

神代は1人 留守番を

していた………


あの奇妙な出来事から

もう一週間が経とうとしていた。


私は部活に入っていないので、土曜日だが家にいる。


別に運動が苦手なわけではない。というか得意だ。小学生の時陸上大会の選手がインフルエンザにかかり、助っ人として出場した私は 出た種目全てで全国大会に行った。



それから先生に何度運動部に誘われたかは分からないが、全て断った。



なぜなら…勉強する時間が失われるから。


勉強が出来ればある程度の職にはつけるだろう。

しかし、そこそこ運動が出来た所でいい職につけるということは無い。



全ては家族を捨て、蒸発したあの父のようにならないため。


(これでもまだ12歳。)



話がそれたが今は自宅で勉強中。


家は唯一、母が残してくれた遺産。それがこの超高級マンションの最上階角部屋。とても大きな窓からはこの街が一望できる。とにかく夜景が美しいのだ。



私は改めて思う。

「やっぱ、尊敬すべきはお母さんだなぁ。」



私はノートに『力の分解』と書いた。その時オートロック式の扉が開く音がした。

私はドキリとした。


奴だ。

奴が帰ってきた。



奴は薄茶色のボブカットをサラサラと揺らしながらやってきた。


リビングの机にピンクのリュックをドサリと置き私とソックリな声で言った。


「おいおい〜またリビングで勉強?超目障り何だけど〜。……あ、ゴメンね!!こっちの話。うん、邪魔が入ってさ。今日のカラオケ4時集合??オッケ〜!んじゃまた。」




そう、鬼神 有明姫代

私の姉貴だ。


「いや、だって自分の部屋に1人きりってこわいじゃん。」


私はイライラを抑えて言った。


「あっそ。あんたいつまで経っても怖がり直んないね〜。興味無いけど。」


そうして姫代は冷蔵庫から焼き芋を取り出し皿にのせた。

「そーゆーワケで、アタシ友達とカラオケ行くから夕ご飯これね。あぁ、これからファミレス行ってくるわ。じゃね」



姫代は直ぐにまた出掛けて行った。


「……はぁ。」


姫代には困った物だ。


『いっつも私を邪魔呼ばわりして……。こっちから見たらアンタだってねぇ…。』


姫代はいつだって私を

邪魔物としか見てない。 なにかと、邪魔邪魔言ってくる。


しかも出されたのは焼き芋。今は昼の2時。家にあるのはコレだけということだろう。


「………イジメだろ、コレって。」



別にお金がないのではない。金なら母が莫大な額を残してくれたので余る程ある。

要するに姉は、楽しんでいるんだ。


私はお腹がすいたので焼き芋をかじった。



「……あぁ、今夜は久しぶりにどっか出掛けようかな。」


私にしてはとても珍しい思い付きだった。

勉強以外に時間を割くことはめったにないが、この頃ストレスが溜まりっぱなしなので、こういうことを考えた。


「…よし、決定!!今夜は下の階にあるカフェに行こう。そこなら暗記帳持っていっても恥ずかしくないし。」



このマンションの一階にはカフェがある。暇な時私はよく足を運んでいる


店長がなかなかいい人で結構気に入っている。


1人で留守番している時あそこなら怖くない。



私は久々にウキウキしてまた、ペンを動かし始めた。




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