第1章 プロローグ
4月7日
今日私の通う聖華女学院の入学式。
聖華女学院は全国でもかなり有名な中学校。なぜなら偏差値が物凄いから。
偏差値ー72
そう、簡単に言えばかなりのガリ勉校なのだ。
そして、さっきからスラスラ頭の中でナレーションをしているのが、私
有明 神代
(ありあけ かみよ)
今日で中学生デビューをする12歳。
私はこの登校中に何度も入学案内の紙を見ている。
1‐A 出席番号1
入学試験結果:500点中500点
順位:100人中1位
私は自慢じゃないけど、勉強で人に負けた事がない。
それはどうしてか?
勉強しているからとしか言いようがない。
私が1歳の時亡くなったお母さんは何やらすごい仕事をしていてかなり儲かっていたらしい。
それに比べ、私が2歳の時に蒸発したお父さんはチャランポランでろくに仕事もしていなかったらしい。
その話を姉から聞いた当時の私(8歳)は思った
『頭がいいと それなりの人生がついてくる。』
それから私は友達なんて一切つくらないで勉強に励んだ。
ダテに天才少女と言われているわけじゃない。
そうこうしている間に学校に着いていた。
私は立派な正門の前で制服を直した。青緑のリボンをキュッと締め、デザイン性の無駄に高いミニスカートを叩いた。
最後にセーラー服の襟をなおし、門をくぐった
聖華女学院はそれはそれは立派な学校だ。
壁は白いレンガでできていて、屋根は深い赤色。
所々に金の装飾がある。
私は受験の時も来たのでこれで2回目の来校になる。
別に緊張はしない。
友達をつくるつもりは一切ない。
そう決心しているというのに、早速後ろで声がする。
「あの…有明さんですよね?」
私はため息まじりに後ろを振り返った。