決意
サッカー部には現在、女子は二人いる。
私と、和だ。
でも、和はマネージャーだから、選手としては私だけ。
グラウンドで「黒宮優実」と名前がコールされるのがうれしい。
思いっきり女子の名前だから、少し「え?」みたいな顔をされる。
それが、なんかいい。
だけど、私は中体連に出れないのか。
中学校生活最後の中体連に。
いいや、そんなことはない。
医者が何と言おうと、私は中体連まで生きてみせる!!
「優実?」
「あ、和ー。来てくれたんだ。」
「そりゃそうでしょ!!だって今まで私が来なかったことってある?」
「ないね」
私が入院して2週間過ぎた。
その2週間、和に会わない日はない。
毎日会いに来てくれる。
「今日はね、サッカー部のほかの人もつれてきたんだよ。」
「えっ・・・。」
ガラガラ・・・・・・とドアが開いて、うちの学校のユニフォームを着たサッカー部員が3人入ってきた。
「おい!優実なにやってるんだよ!」
「お前がいねぇと部が静かだぜ」
言えてるーと3にんがばくしょうした。
おい、ふざけんなよ・・・・・・・・・・・・
言おうと思ったけど、声が出なかった。
なんか、頭がぼーっとしてる。
「おい・・・・・・・・・・・・」
なんとかだした声もとても小さいものだった。
「おい、優実。大丈夫かよ?」
「本気だったんだな。」
「本気って…。」
気の抜けた声しかでない。
「じゃあ、俺らかえるわ。」
「じゃあな。」
最後の最後まで三人は笑っていた。
「じゃあ、私も帰るね。」
「うん・・・・・・・・ばいばい。」
私はいまから、ちりょうをしないといけない。
中体連までいきるために。