今更悔やんだって・・・。
小学校の頃よく思ってた。
「あの時こうすればよかった。」
過去のことを悔やんで、未来を見据えていなかった。
だけど、それじゃいけないんだって。
私は、気付いた。
「優実?優実!!」
だれかが、私の名前を呼んでいる。誰だ?
ていうか、なんでこんなところに倒れてるんだろう。
目、開けなきゃ。
あれ?
・・・・・・・・目が。
開かない・・・・・・・・・・・・・・・・。
「誰か、早く救急車呼んでください!おねがいします!」
その言葉を聞いて、私は意識を失った。
ピッピッ・・・・・・・・・・・・。
ん?
な、なんだ?
ここはどこ?
部活・・・・・・・・・いかないと。
「優実!」
あ、和。 また泣いたのかな。目が赤い。
「ここは・・・・・・・・・・・。」
自分でもびっくりするくらい小さな声だった。
なんか、力が入らない。
「優実、倒れたんだよ。部活行ってる途中に。すごく顔色悪くなって、なんか・・・・・・もう・・・・・・」
な、和。和に泣かれるのって弱いんだよね。
和ほど人にもらい泣きさせた人っていないだろうな・・・・・・。
「え?な、んで?」
う。
声が詰まってうまく話せない。
どうしたんだろう。私。
コンコン
ドアをたたく音がした。
和が反射的に「はい」と返事をする。
入ってきたのは看護士さんとお医者さん。お医者さんが持ってるカルテは私のなのかな。
「目、覚められたんですね。ひとまず安心です。」
「あ、ありがとう・・・・・・・ございます。」
「きのう、あなたが意識の戻っていない状態でしたが緊急事態の可能性があったため検査をしました。検査結果はこちらになります。あ、両親を呼ばれますか?」
「あ・・・・・・・・・・おねがいします。」
検査結果・・・・・・・・・・・脳腫瘍。
なんか、結構悪性のやつらしい。
しかも、私たち中学生というのは進行が一番早いらしくて余命まで宣告されてしまった。
3か月。
てことは、私、中体連に出れないの?
今が・・・・1月。
4月にはもう死んじゃうんだ。
なんかそう思うと涙が出てきた。
いままで、どんなに練習が辛くても一回も休まなかった。
少しでもボールにふれてたくて、ぎりぎりまで片づけせずにボールをけっていた。
やっと、レギュラーになれたのに。中体連に出れないなんて・・・・。
嫌だ。
何としても、中体連まで生きてみせる。