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月
とっても綺麗。
空に昇るお月さま。
今まで何千回と見てきたのに、どうして今夜はこんなにもあなたに焦がれてしまうんだろう。
まるで誰かがわたしを呼んでいるみたいに、わたしはあなたから目が離せない。
どうしてそんなに綺麗なの。
金の光が雲を照らして虹色にする。
いつもよりずっと明るい夜の空には、一等星だけが少し。
それからまんまるな、月。
あなたって、あの女にそっくりね。
とっても綺麗で、とっても……。
――ねえ、お月さま。
あなたがそんなに輝いているのは太陽がいるからなのよね。ふたりで日を回しているのよね。でも、太陽は決してあなたの隣に来ることはないでしょ? だから――