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【ウィンドラス・クロスボウ】


現在も無音で射出ができるという特質から特殊部隊で使用されているクロスボウは、火器の導入がされる以前に最もヨーロッパで恐れられた武器でした。


着装する弓によってはプレートアーマーすら貫通する威力を持つほどの威力を持つクロスボウですが、発射までに時間がかかることが最大の難点。


特に13世紀~18世紀にヨーロッパで使用されたウィンドラス・クロスボウは手で引くことができないような強力な弓を搭載していたため、弦を引くための巻き上げ器が付けられていました。


この巻き上げ器のハンドルを両手で回して弦を引くのですが、この際に立ち上がって敵陣に背を向けながら作業をする必要があり、ウィンドラス・クロスボウを使う弓兵は野戦の際には大きな盾を背負う必要があったのだとか。


しかしこれでは機動力で圧倒的に不利となるため、城攻めをする際など限られた場所で使用されるようになり、攻め込む側と籠城する側の双方が使用することもあったそうです。



【モーニング・スター】


モーニング・スターは16世紀のヨーロッパで使用されたメイスの中で最もメジャーなもので、特にハプスブルグ帝国で重用されていました。


ドラクエなどのゲームでもお馴染みの武器であるため、外見を知る前に名前がカッコいいと思ったという方も多いであろうモーニング・スターですが、名前の由来には諸説あり、頭部のスパイク部分が星を思わせることからドイツ語の“Morgenstern”を英語のMorning starに置き換えたというもの、夜明けに奇襲をかける際に使用されることが多かったこと、という2つの理由が有力視されています。


一点に打撃を集中させられるために破壊力が大きく、素早く振り回すことで敵が防ぐのを困難にするというシンプルな作りがらも非常に機能的な武器です。


【フランベルジュ】


フランベルジェは17世紀~18世紀にヨーロッパで使用された両手剣。長さは130cm~150cm、重さは3kg程度であったとされます。


フランス語で炎を意味する言葉“flmboyant”に因んだ名前を持つこの武器の特徴は、何と言っても特徴的な刀身です。


美しいような禍々しいような奇妙な印象を与える外見は、14世紀から15世紀に多く見られるフランスのゴシック建築の流れを汲んで作られたものと言われています。


特徴的な刃は切りつけた相手の傷口を広げることもできたとされ、特に不衛生な野営地等ではフランベルジュに切りつけられた傷が原因で破傷風にかかり、命を落とす兵士も多かったと言われています。両手剣が戦場から姿を消した後には儀式などで使用されていた記録があります。


【トゥヴァイハンダー】


トゥヴァイハンダーは13世紀~17世紀のドイツで使用された両手剣。長さは200cm~280cm、重さは3.5kg~9kgまであったいうルネサンス期のヨーロッパにおいて最長の刀剣です。


外見の特徴は他の両手剣より長いリカッソ(刃根元)で、戦場まで武器を運搬する際にはこの部分に革ひもを巻いて担いでいました。


実戦でも柄ではなく長いリカッソを握って剣を振り回すことで威力が増したとされ、防御面でも手先への攻撃をかわすのに有効であったそうです。


神聖ローマ帝国の傭兵であるランクツネヒトが扱ったという記録が残っており、長い刀身は敵の槍やハルバードを破壊し、陣形を乱すのにも効果的であったとされます。


【クレイモア】


クレイモアは15世紀~18世紀のヨーロッパで使用された最も有名な両手剣です。長さは100cm~190cm、重さ2kg~4.5kgとばらつきがあり、スコットランドのハイランダーが使用したことで知られます。


ゲール語の巨大な剣を意味する言葉claidhemoha mor(クラセヴォ・モル)を名前の由来に持つこの剣は、刃先に向かって傾斜した護拳と、その先端の四葉の飾りが特徴です。


【ショーテル】


ショーテルは17世紀~19世紀にエチオピアで使われた刀剣で、長さ75cm~100cm、重さ1.4kg~1.6kg。剣身がS字にカーブしているものが主流ですが、中には鉤爪型のものも存在したとされます。


盾で武装した敵に対して、盾を避けて攻撃できるように工夫された形をしているこの刀剣は極めて殺傷能力の高い剣でした。しかし、その反面独特な形状から収める鞘を作ることができなかったため、剥き身で腰に下げたり背負ったりして運搬する必要があったため、携帯していることが敵軍に悟られ易かったという欠点を持ちます。


1936年にはエチオピアを征服したイタリアの独裁者・ムッソリーニに、この形の刀剣が贈られたことでも知られています。


【エグゼキューショナーズ・ソード】


17世紀~18世紀のヨーロッパで死刑執行人が斬首刑の際に使用したのが、エクゼキューショナーズ・ソードです。長さは100cm~120cm、重さは0.8kg~1.3kg。


処刑専用で戦場で使用されることは無かったため、切先が丸いこと、両手剣であるものの持ち手が短いこと等が特徴で、これは一度で罪人の首を落とすために力を籠められるように配慮されたもので、てこの原理を利用したつくりになっているのです。


当時、斬首刑の対象になったのは貴族や武人と言った社会的地位が高い罪人であったためエクゼキューショナーズ・ソードには、その役割とは不釣り合いな華美な装飾や彫刻が施されていた、という特徴もあります。


現存するものは大半がドイツ製のものです。


【ハルバード】


15世紀にスイスで使用されたハルバートは長さ2.0m~3.5m、重さ2.5kg~3.5kgと、ヨーロッパの長柄武器の中で最も有名なものの一つです。


槍のように尖った先端と、斧の形をした頭部、鉤爪を持つこの特異な武器は、突く、切る、引っ掻け、叩くという4つの用途を兼ね備えています。


頭部は甲冑を貫通するほどの威力があったとされ、鉤爪で敵を馬上から引きずり下ろすこともできたため陣形を崩すのにも役立ちました。


それまで槍兵の主要武器であったスピアーに比べて格段の威力を持つことから15世紀~16世紀にかけて歩兵たちの間で重用され、全盛期にはヨーロッパではこの形の武器を使用しない国は無かったそうです。


【メイス】


紀元前14世紀~17世紀と長期に渡って使用されたメイスは、最も代表的な打撃武器の一つ。柄頭を持った複合的な棍棒とも呼べるこの武器が、最も発展したとされるのがドイツとイタリアです。


戦闘で鎖帷子やプレート・アーマーといった防具が使用されるとともに重用されるようになった打撃武器は、本来は敵の四肢や頭蓋を粉砕、もしくは傷つければ十分であって、一時的に戦闘不能にするだけでも有用とされてきました。


しかし11世紀から13世紀頃に鋭い刃を柄頭に付けたものが登場し、これにより甲冑を貫通するという使い方もできるようになり、歩兵や騎士が馬上で使用するようになったと言われます。


また、ローマ教会で禁じられていた流血を伴わずに使用できる武器として、剣を持てなかった聖職者たちが好んで使ったとも言われており、1066年のノルマン人のイングランド征服の様子を描いたタペストリーには巨大なメイスを振りかざす司教の姿があります。


後に儀礼用、権威の象徴として用途を変えていきますが、当時はプレート・アーマーを装備した相手に対して最もダメージを与えられる武器でした。


【ジャマダハル】


ジャマダハルは14世紀~19世紀にインドで使用された短剣。長さ30cm~70cm、重さ0.3kg~0.8kgで西洋ではカタールと呼ばれました。切りつけるのではなく突き刺す用途の武器で、インドのイスラム教徒のみが使用したとされます。


2本の平行するバーの間に渡された握りを持って使用する独特な形状は、17世紀~18世紀にインドのマラータ族が作ったとされるパタという剣の元になったとも言われており、刀身や鞘に華美な装飾が施されているものも少なくなかったようです。


【ソード・ブレイカー】


17世紀~18世紀のヨーロッパで使用されたソード・ブレイカーは長さ25cm~35cm、重さ0.2kg~0.3kgの短剣。


火器の登場により重厚な鎧が姿を消し始めた頃に登場したソード・ブレイカーは、防具としての側面が強く、剣によって攻撃と防御を行うという戦術が生まれた頃に多く使用されました。


利き手以外の手に装着して攻撃を受け流すだけではなく、受け止めて敵の剣の刃を折ることができるように開発が重ねられ、形が複雑化していくうえで現在知られる櫛のような形状のソード・ブレイカーが誕生したとされています。


【ハラディ】


ハラディは15世紀~18世紀のインドで使われた短剣で長さ25cm~35cm、重さは0.2kg~0.3kg。西部、中部インドで政権を立てたラージプートという部族が用いたとされます。


柄の両端に湾曲した刃を持つ姿が特徴的のハラディの歴史はラージプート族の歴史と共にあり、12世紀の末にイスラム勢力に攻め込まれて北インドを敗退した際にイスラム世界でも用いられるようになり、後にシリアン・ナイフとも呼ばれるようになりました。


【トゥルス】


トゥルスは19世紀のアフリカでスーダンのマフディー派の兵士たちが使用したとされる投げナイフです。長さ30cm~50cm、重さ0.5kg~0.8kg。


マフディーは、ムハンマド・アフマドを信奉し教団国家を築き上げた武装集団で13年に渡ってスーダンを支配し、エチオピアにも侵攻、1898年にイギリス軍に終焉を迎えました。


非常に好戦的であったマフディーが用いた代表的な武器がトゥルスで、三方向に向いた刃が投擲した時にどこを向いていても敵に傷を負わせられるつくりになっています。剣身には宗教的な意味合いを持つ幾何学模様が彫られているのも特徴です。


【ウルミー】


ウルミーはインドの武術、カラリパヤットで使用される刀剣で、長さは120cm~160cm程度。


柔らかく粘度のある鋼の刃を用いて作っており、携行する時は刀身をコイルのように巻くことも可能です。しなる刃を鞭のように扱って攻撃を繰り出すのですが、攻撃力が高い反面、自傷する確率も非常に高い危険な武器であるためウルミーを使用したカラリパヤットは一子相伝の幻の技とされています。


作出時期は不明ですが、インドのケララ州に伝わる叙事詩にウルミーと思われる武器が登場することから、この詩が編まれた16世紀には存在していたと考えられています。


【チャクラム】


チャクラムは16世紀~19世紀のインドで使用された投擲武器です。インド北部のシーク教徒が使用したとされ、直径10cm~30cm、重さは0.15kg~0.5kg。名前はサンスクリット語で輪を表す言葉に因みます。


2cm~4cmの厚さを持ち、外側は全て刃となっているため回転しながら相手を切りつけることができるという特殊な武器で、射程範囲は40cm~50cmであったと考えられます。


輪の内側に指を入れて回転させ勢いをつけて投擲したり、指で挟んでフリスビーのように使用したと考えられますが、具体的にどのように使用したかは記録がないために不明です。


ヒンドゥー教の三大主神の1人であるヴィシュヌが右腕に所持していることでも知られます。


鉄鋼鈎(てっこうかぎ)


鉄鋼鈎は1603年~1868年、江戸時代の日本で忍者や特殊な訓練を受けた武芸者が手にはめて用いた武具です。爪の部分は20cm~30cm、重さは0.2kg程度。


鉄の輪に4本の鈎爪が付いており、刺突、引っ掻き等で敵を攻撃する以外にも高所に登る際にも利用されました。その他にも相手の刀を受け流したり、捩じり取って奪うこともできたとされます。


鉄鋼鈎には鉤爪が手を覆うように作られた手甲状のものと、手に平で握って指の隙間に鈎爪を挟むものの2種類があり、どちらを使用して付けられた傷も治りにくいという特徴があります。


類似した武具として猫手という指先にはめるものも存在しました。また、このような鈎爪型の武具は戦国時代に原型があったとも言われています。


【アパッシュ】


アパッシュは19世紀に誕生した複合武器で、アメリカの先住民族・アパッチに因んで名付けられました。


パリのギャング団が使ったとされるこの武器は、7mm口径のピンファイア式弾薬を装填したと思われるリボルバー、刃渡り9cm程の折り畳み式ナイフ、柄にもブラス・ナックルが付いており、3役の機能があったとされます。


しかし実際はリボルバーはあっても銃身が無いことやナイフの刃が短いこと等から、ブラス・ナックル以外に使用方法があったのか疑わしい武器でもあります。


【アイアンシールド・ピストル】


アイアンシールド・ピストルは16世紀のイギリスで使用されたとされる特殊な盾で、名前が表す通りに小型の火器が仕込まれています。


1509年~1547年に在位したヘンリー8世を守るために衛兵が装備していたこの盾の中央からは、短い銃身が突き出ており、1発だけ銃弾をこめることができました。


ピストルとしての射程距離は短いものの直径70cm程度、重さ6.0kg前後と重厚なつくりで、王の傍で護衛をするには防具としても充分な役割を果たしたと推察されます。また、囲まれた際に血路を開くにも効果的であったとも考えられ、同様の盾はトルコやエチオピア、インドにも存在していたことが判明しています。


【傘拳銃】


傘拳銃は19世紀に使用されたという、傘に見せかけた雷管式銃です。1978年にロンドンでブルガリアの反体制派、ゲオルギ・マレンコフを暗殺する際に使用したことが確認されており、弾にはリシンという毒物を塗布していました。


この他にも19世紀には雷管式仕込み銃や杖型銃などの隠し武器が作出され、第二次世界大戦中とその後の米ソ冷戦期に暗躍することとなります。


特に1942年にアメリカが設立したOSS(戦略情報局)、そして後のOSSを吸収するCIAとソ連の秘密警察の流れをくむKGBの開発した隠し武器は珍しいものが多く、楽器としても機能する22口径の弾丸を発射できるフルートや、口紅そっくりの外見の4.5mmの銃、直腸に隠すことができた直腸ナイフというものまであったそう。しかし、どのように直腸からナイフを取り出していたのかはあまり想像したくありませんね……

参照

世界に実在するかっこいい武器20選

https://zatsugaku-mystery.com/cool-weapons/

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