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そしてさらに数ヶ月経過した。
俺はこの日も古戦場でチュルンチュルンしている。
「黒棘」
「ギェェェッ!?」
俺は寄ってきたゴブリンを闇魔法で瞬殺した。
今の黒棘は、闇属性のマジックアローをベースに改良した、オリジナルスペルだ。
マジックアローをコンパクトに省エネに貫通力を高く速射性と弾速も上げてと、全部詰め込みでやっていたら、いつのまにかこうなった。黒い大きめの棘が敵に向かって超高速で飛んでいく魔法だ。(連射可)
攻撃魔法の練習はほぼこれに絞って練習してきたから、かなりの練度だ。
怨霊を食い続けてもうすぐ2年だが、そのせいなのだろうか、闇魔法意外使えなくなってしまった。最初は微弱ながら火属性とかも使えたのだが。
そのかわり、闇魔法の精度はキレッキレなので、まあ良いかとも思う。
城からパクった闇魔法の初級教本はもう擦り切れるほど読んだ。
一応城にいた頃に中級と上級も一通り読んだが、それらは全て初級の応用だと理解した。実際初級教本が一番分厚かったし。なので城を出てからの約2年は怨霊食いと初級教本の履修に終始したのだ。
そして、たった二つの魔法を重点的に練り上げた。
それは、マジックアローとナイトメアだ。
マジックアローは先も言ったように、黒棘へと至った。
ナイトメアは……
「よし、ゴブリン殲滅完了」
そろそろ中級の魔物がうろつくような古戦場に繰り出してもいいやもしれない。
だが、その前に。
「さて、この古戦場もあらかた食い終わったな。さぁ、次は……」
今は五歳。
そして五歳の春の建国記念日の頃には一度城に戻れと言われている。
王の子全てを一度集める、とも。
「城に、帰るか」
そして、その際に、継承戦の内容を伝えると言っていた。
第2話終了です〜