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2-1:古戦場巡り怨霊食べ放題ツアー

「おう、骸骨のにいちゃん。いや、にいちゃんでいいのか?じいさんか?」


「あ、俺は4歳なんで坊ちゃんでもいいですよ」


「がははははっ! 何だにいちゃん、あんたおもしれぇな、隣いいかい?」


「ええ、どうぞ」


俺は今、乗合馬車で移動中だ。


「俺はマイケルってんだけどよ、にいちゃんは?」


「俺はロドリゲスっていいます」


「そっかそっか、で、ロドリゲスのにいちゃんはどこまで行くんだい?」


「次のネフラムで降りますよ」


「へぇ、じゃあ直ぐにお別れだなぁ。で、ネフラムには何の用事なんだい?やっぱりあれかい?名物の目玉串焼きを食べにきたのかい?」


「目玉串焼き?ちょっと興味ありますね……、いや俺はネフラムの最寄りにあるクラブリー戦場跡を観光しようと思ってまして。実は歴史好きでしてね、戦場巡りが趣味なんですよ」


「へぇ、渋いけどいい趣味してんなぁっ! なぁ、今までにちょっと面白い戦場跡とかなかったのかい? あったらちょっと聞かせてくんねぇか」


「ええ、構いませんよ」


城を飛び出してから約一年が経過した。


この一年の怨霊回収ツアーのかいあって、俺も大分強くなった。

といってもようやく初級戦士くらいだ。

幼児レベルから戦闘可能な成人男性レベルへ、たった一年で成長できたのだから結構頑張ったと思う。

でもこれからはもっと成長が加速していくことだろう。


最初の方は市中にある墓地や曰く付きの物件や道端の暗がりなど、安全圏にいる怨霊を食べまくった。

そして食い尽くしたら次の街へと移った。

親父のポケットマネーから結構な路銀をもらっていたので路銀は問題なかった。


路銀が乏しくなってからは、戦士ギルドでお祓いの仕事をもらい小銭を稼いだ。

戦士登録に年齢制限はなく、異形をいかに使いこなせているかで登録の成否が決まる。

俺は問題なく登録できた。


戦士ギルドはギルドにある仕事を受注する他に、戦士側から「私はこういう事が出来る」と売り出すこともできる。

当然仲介料の関係で、受注よりは収入が目減りするが、しかし俺にはうってつけだ。

格安でお祓いの仕事を受け、怨霊を食いながらも小銭を稼ぐ。

小銭がたまれば次の街に行く。

怨霊探しの時以外は、ひたすら闇魔法の練習をした。

この異形は見た目通りで闇魔法の適正が一番強いらしく、城からくすねた闇魔法の初級教本をもとに修練に励んだ。


そうして……


闇魔法のをそこそこ使えるようになり、初級冒険者クラスの肉体スペックを得た俺はようやく郊外にある古戦場に足を運べるようになったのだ。


低級モンスターが蔓延るようなところでも危なげなく行けるのだ。

そして、このまま研鑽を続けてもっともっと危険なところへ行けるようにする。

危険の高い場所であればあるほど、質の高い怨霊がいる傾向が高い。

もっともっと、怨霊を食わねば。


ーーーー


「……って言う、下ネタ全開の古戦場があったんですよね〜」


「っだっははははっはは!? 本当に!? そんなとこあんのかよっ!! 」


さぁ、俺はまだまだ強くなるぞ。



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