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7-2


「じゃあ、これがここらでとれるヤツの目録だよ」


そう言って俺に書面を渡すツェル。

彼にはここいらで取れる農作物、畜産物、収集物、狩猟物等を調べてもらっていた。

現在ブラキリア領が抱える食料問題を解決するための、事前調査だ。


「ふむ」


「目録の他、実物サンプルも用意してるよ。家畜については城の外に繋いであるから、興味あるなら案内するよ」


「うん、ありがと」


結構ある。

ほうれん草、小松菜、ネギ、ニラ、ビーツ、じゃがいも、ライ麦、りんご、あと、麻薬の製造をやってたから麻。


家畜だとヤギと羊がいるようだ。


ここブラキリアは、エルドランド帝国最北端の国だ。

冬は結構な豪雪地帯となるらしいが、意外と冬以外は作物が出来るらしい。

気候は北海道に近い感じなのだろうか?

よくわからないが、意外と収穫出来る土地なようで何よりだ。


しかし、ここはそもそもが鉱山で生計を立てていた土地。

農業畜産のノウハウはほとんど無いに等しい。ゼロからのスタートというわけだ。

当然、民を食わせるために、農業に関しては魔法を使ってスタートダッシュにブーストをかけようとは思っている。だが、どう手助けしたものか?


その場凌ぎとして、一から十まで魔法でお膳立てしてやってもいいが、それよりは最初だけ手伝ってあとは全て任せる的な手伝いかたの方が、長期スパンで見て良いだろう。


さて、と……


「ん? このペパミンってのは何」


「それはマンドラゴラの亜種に当たる、この地域特有の毒草型の魔物だよママ」


ペパミン。

それは強い毒性を持つ、草の化け物だ。

形状は正にマンドラゴラで、草の根っこ部分が人型である。

まぁ、人型部分がまるこくて可愛いフォルムをしているため、星のカー◯ィー風のナゾ◯クサって感じだ。

これは非常に高い毒性を持つが、味はなんと香辛料のようにピリリとしているらしい。

なんでも本物の香辛料より爽やかな刺激を持つらしく、凄く後を引く味なのだとか。

何故か種類も多くいろんなフレーバーが楽しめるらしい。


ただ、こいつの持つ毒性は極めて高い、よって高位の解毒魔法を掛けねば可食できない。

それ故に、どうしても高価になってしまうとの事。


知る人ぞ知る高級食材、という位置付けらしい。


「なるほど、とても参考になったよ」


ツェルは他にも、隣接する領の扱う作物や、需要の見込める作物、他にもこの領で生育出来そうな作物や家畜などもリストアップしてくれていた。

そこまでは指示していなかったのに流石だ。

これらのデータは今後の運営に大いに役立つ事だろう。


「ツェル」


「何かな、ママ」


「よしよし」


「や、やだなぁ、もう、子供扱いして、もう、あはは」


ツェルは大層嬉しそうに笑うのであった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 今これ、ごつい鎧姿でやってるのかな? …ツェロすげえ
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