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その後、俺は親父が引き取り育ててくれている。
他の異母兄妹達は、全員母方の実家で教育されているらしい。
神の力を持って授かった俺ら兄妹は等しく尊い存在であるとされ、等しく王位継承権を持つとされている。
そのため公平を期す為に各家で育てられることになったらしい。
つまり俺は継承戦的に論外ということだ。
なにせ俺以外の異形は皆、神獣相当なのだから。
親父はゴリゴリのめっちゃいかついおっさんだが、気持ちのいいヤツだ。
基本的に放任主義だし、皇子達を集めた時は公平を期すため無関心を通すが、平時はなかなかどうして俺を構ってくれる良いオヤジである。
親父は良いのだが、実母および継母供は最悪だ。
俺を蛇蝎の如く嫌い、ゴミのように見下したり、執拗に暴言を吐く。
やれ「王族の面汚し」だの、「生きる恥」だの、「生きる価値がない」だの行ってくる。
ネチネチネチネチ言ってくる。
平民の異形より弱い俺の異形。そんな下等生物が王族に名を連ねる事が許せないらしい。
特に実母のあたりが強い。おそらく継母供に俺をダシに馬鹿にされているのだろう
それなのに王に可愛がられていることもまた気にくわないらしく、俺はなにかと虐められるのだ。
前世での成人男性の記憶があるからなんてことは無いが、これが只の幼児であればきっととっくに発狂していただろう。
俺は親父の事を尊敬している。そして俺を虐めてくる奴らが心底ムカつく。
故に……
「俺が次の王になれば、一石二鳥か」
見込みはある。
なにせ、俺のスケルトンはただのスケルトンでは無いのだから。