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【 改稿版】私は聖女?もう知らないのでどっか行きます

作者: 暁希

前作の改稿版です。

前作には書いていない後の話などを書いております。

前作を読まれて疑問に思われた方はこちらをお読みください。

私の名はエレオノーラ・ルエル。一応ドゥトゥール国の公爵家の令嬢であり、第2王子の婚約者です。突然ですが、私はきっと第2王子に婚約破棄されます。まぁ、女の勘と言うやつです。


私はいわゆるチートというやつです。

この世界では称号という名のスキルがあるのですが世間一般の人は1つなのですが、まぁ多い人は3つとかある人もいたらしいですがね、私はなんと7つ持っているのです。

ちなみにそれは剣姫、神に愛されしもの(愛し子というやつです)、鑑定師、薬師、魔術師、預言者、(聖女)

なのですが何故か()が付いてるのです。何となく予想が着くのですが……。

我がドゥトゥール国は大陸の右に位置する国でそれなりに大きい国なのですが隣には中央に位置するとても大きな国ヴィンシェン帝国があるのです。私の母はヴィンシェン帝国の末の王女で同盟の為に父と結婚したそうです。

でもその母はもういません。私がまだ4歳の頃亡くなりました。

今現在我が家にいるのは父である公爵、公爵夫人である義母、そして義母の娘であり妹のミシェル。そして、私です。序列で言ってもこんな感じでしょう。

教育と食事、安定した日々は保証されていますがそれ以外は何もありません。

そもそもあんなクソどもになにか強請るとか吐き気がします。

そんな私にメイドや執事達は哀れみの顔をしますがどうでもいいです。



父は私に大して興味がなく嘘をついてもバレないので薬師としか称号のことは言っていません。

義母はそれを聞いて大喜び。公爵家ではそれなりにいい称号かふたつ持ちが多いのに対して私は薬師というどこでもいるような称号ですからね。

ちなみに鑑定で義母を見たのですがね、これまた笑えました。称号には良くも悪くもスキル以外のものも入っているのですが義母の称号は

愛し子を蔑みし女、略奪女(浮気女)、悪女とありました。

浮気女?と少し疑問に思われた方がいるかもしれませんが妹は私より2つ年下です。もうお分かりでしょう。

ちなみに父は差別者、無関心者がそれにあたるでしょう。やはり神にはお見通しなんですね。


明日は国家主催のパーティーがあるのですが私は第2王子にエスコートはしないと言われているので一人の参加になるでしょう。

その王子が誰をエスコートするかと言えば我が妹ミシェルなのですが。

ミシェルはあくまでいい子です。言うなれば考え無しです。そして聖女でもあります。

下手したら明日第2王子にお前のような悪女と結婚するなど言語両断。俺は聖女であるミシェルと婚約を結ぶ!と婚約破棄されるかも知れません。


まぁ聖女でも聖女じゃなくてもいいですがあの馬鹿は知らないのですかね。きっと姉妹だからどちらでもいいと思っているのでしょうが婚約が結ばれたのは私が大国ヴィンシェン帝国の血を引いているため同盟をより濃くするために行われたのがこの婚約でした。

本来は第1王子との婚約予定ではありましたが第1王子はヴィンシェン帝国の反対側の小国の王女と婚約することになったため私は第2王子の婚約者となったのです。それが私が14歳の頃。4年前のことです。

まぁ、それも明日で終わりでしょう。

どうせならいっその事国外追放して欲しいです。

あわよくば天罰が下ればよろし。







本日は国家主催のパーティーですが、やはり立太子式だけあって有名人が多いですね。

まぁ、聖女もいますからそんな悪いことは起きないと思いますからね。それに至っては同感です。

私の言う有名人はアレン騎士団長。この方はスキルが剣王。騎士団長に相応しいスキルですね。

気づいた方もいらっしゃると思いますが剣姫と剣王は元々番だった2人から取られた名前で強さは互角とされています。使っている人のレベルによって多少いやかなり差がある時もあります。

他にも第1王子の婚約者である王女とその両親である国王夫妻。そして大国ヴィンシェン帝国の王太子も来ています。

一応その王太子は私の従兄弟にあたりますが母がなくなってからは会うことはなくきっと私のことなど覚えていないでしょう。


昔は我が愛しのレディなどと恥ずかしいことを言っていましたが今や素敵な王太子ですものね。

婚約者が居ないのが不思議なくらいです。

やはり歳を重ねましたから面影はあるものの昔と違って愛嬌を振りまいていないのですね。

昔はあんなに可愛かったのにってクスッと少し笑うとこちらを少し王太子が見ました。

昔はよくルイ~と私が呼びレティとあちらが言ったものです。




パーティーも中盤に差し掛かりチラホラと帰る人の姿も見受けられたので私もそろっとおいとましようと思った時です。


「待て、エレオノーラ!」

そう第2王子に呼び止められました。第2王子の左手には妹であるミシェルもいます。その顔は満更でもない顔です。


「何でしょうか。殿下。」


「貴様!なんでしょうか?とは自分の立場が分かっていないのか!」


「はぁ。私は貴方様の婚約者ですが。」


「はっ!だがな貴様が俺の婚約者と言えるのは今日までだ!エレオノーラ!」


何を言いやがる。このくそ王子。


「貴様との婚約を破棄し貴様の妹であり聖女のミシェルと婚約を結ぶことを発表する!」


「そうですか。お好きになさってください。私は失礼致しますわ。」


そう言ってさっさと家に帰ってきました。メイド達は心配そうに私のことを見てきたけどめんどくさい。国を出よう。一応両陛下には言っておかなきゃ行けないだろうけれど。

まぁ、そこは明日の私に任せよう……。

おやすみなさい……。


ちなみにあの後大変な大騒ぎになったらしいです。聖女はどの国でも欲しい存在であるので第2王子ではなく我が国の王妃にならないか!という話や、婚約破棄の対象となった私がいないため国王夫妻にもどうすることも出来ず、立太子式は大騒ぎだったそうです。そして、何故かヴィンシェン帝国の王太子だけはミシェルにアプローチしなかったそうです。

それは友人の令嬢から手紙で朝届きました。

そしてもう一通。勅命が出ました。明日の昼の時に王城に来いとの事でした。めんどくさいけど行くしかないですよね……。



行ったところ開口1番両陛下に謝られました。聖女とわかったミシェルと婚約するため婚約は白紙に戻すと。そして、私はあの二人の邪魔者になるから出ていけ。とやんわり言われました。

まぁ、別に私はどうでもいいですけど、スキルもありますし。それに私は自分でもエレオノーラ・ルエルという人物が嫌いですから。


勉強でいい成績さえ取っていれば他は放置だったものですからいつも街にでては色んなことをしてましたから。

冒険者として犯人を予言や鑑定をして捕まえたり、孤児院に遊びに行ったり、あとは医者のようなこともしてましたから。1度お忍びの王太子殿下に見られた時は焦りましたが。

まぁ、魔術でかくしていたのでバレてはいないとは思いますが。一応あの時はエレナと名乗ってました。





そんなことより、もう二度とこの国には戻る気はないので最後に思い出作りとして王宮を回る許可を貰ったので庭園でも見に行きましよう。


庭園に向かう渡り廊下で王太子殿下に逢いました。私は王太子殿下と婚約を結ぶ予定であり、一時期は恋人でもあったのです。

私は小さい頃から少なくとも王家に入ることは分かっていました。

そのため幼なじみといっていいほど一緒の時間をすごしました。この庭園もよく第1王子と一緒に回ったものです。


「エレオノーラ……」


「お久しぶりです。王太子殿下」


「もう、名前では呼んでくれないのか……」

私は昔恋人と言える仲だったころ王太子殿下のことをレオンとそう呼んでいました。実際の名前はレオンハルトですがね。長いので省略させてもらいました。


「王太子殿下はもう既に婚約者もいらっしゃる、次期国王として民を守らねばなりません。

それに私はもうこの国の民ではありませんから」


「どういう事だ……?」


「両陛下から義妹と第2王子殿下の婚約の邪魔になるので国を出て行けとそう言われましたので」


「そうか。それは我が愚弟が済まない。」


「王太子殿下が謝る必要はございません。」

本当に王太子殿下はなにも悪くない。

悪いのは第2王子と聖女の立場となったミシェルだ。


「最後に一つ尋ねていいか?」


「はい。どうぞ…。答えられる範囲であれば」


「エレオノーラ。本当に君は称号は薬師なのか?本当は聖女は君なのではないか?」

きっと王太子は私が孤児院にいって慈善活動をしていたために言っているのだろう。それにプラスして王太子殿下のスキルによっても私が聖女だと思ったのだろう。王太子のスキルは適性ジョブといって見た対象にあった職業が映し出されるというものだ。そこで私の適性ジョブに聖女と出たのかもしれない。


「私は少なくともこの国の聖女ではありませんわ。薬師という称号を持っていることは事実ですが、誰が一つと決めつけたのですか?」

そうだ。そうだ。きっと私はヴィンシェン帝国の聖女なのだ。きっとヴィンシェン帝国に移れば私の()も消えるだろう。

神様は知っていたのかもしれない。私が国外追放され、ヴィンシェン帝国で生きることになると。私ははなからヴィンシェン帝国に移る以外考えていない。

この王太子の適性ジョブは1つしかジョブが出ないのだ。まだレベルが低いから。


「聖女だというのが本当であればこの国から出ていく必要はないのではないか?」

確かに私が聖女だということを明かせばきっと私も聖女としてこの国に必要な人として保護されることになるだろう。だから出ていく必要はない。そう考えているのだろう。



「ですがね、私はエレオノーラ・ルエルという人物を嫌いでしかないのです。貴族という立場で過ごすことは私には苦痛にしかなりません。

それに私はもうこの国に思い入れもありませんから。では、私はもう国をでなければいけないのでさようなら。これが今世の別れにならないことを願っておりますわ。王太子として国を守ってくださいね。」


そういうと少し王太子殿下は悲しそうな寂しそうなそんな表情で何も言わなかった。

もうこの国に戻る気は無い。私がいなくなったこの国はこの先大変になるでしょう。

だって愛し子が居なくなるのですから。





それから2日後に私はヴィンシェン帝国に薬屋を開き、人々と関わることを楽しんだ。何より人々が私に良くしてくれることが嬉しかった。


薬屋としてこの街にもなれて、お客さんが来るのを待っていると食堂のおばさんがパンを持って私のところに訪れた。おばさんは流行の最先端にいる人で噂話が大好きな人だ。最初からおばさんは私に良くしてくれた。そんなおばさんが今日も噂話を話に来てくれた。この話は1ヶ月ほど前から流れていてはいたが信憑性がなかったため話さなかったそうだ。それにそこに登場する悪女の見た目と私の容姿がそっくりだったためなんか気乗りしなかったそうだ。

話を聞いていると隣国のドゥトゥール王国はあの後すぐに第2王子の婚約パーティーを行ったそうです。でも、元婚約者が魔女となり現れ災厄をおとしていった。と国中に言いふらしたそうです。でもその後王太子が私が魔女ではなく国民を助けていた聖女だったと言い回ったそうです。結局、愛し子が居なくなったということで魔法は使えず、植物も育たなくなり貧困地帯となったそうです。でも何故か私が行っていた孤児院だけは被害を受けなかったそう。それを聞いて安心しましたが。



帝国で薬屋として名を馳せ始めた頃、私の元にフードを深く被った1人の青年がやって来ました。私は確信しました。自分の従兄弟のルイだって。なぜなら周りに大精霊をくっつけてるから。これはヴィンシェン帝国の習わしともいえ、大精霊をくっつけてるのは王族だけなのです。


その青年は目元の所までフードを上げ、こう言いました。

「迎えに来たぞ。愛しのマイレディ」

と。ずっと声を聞いていないはずだったけどどこか心が休まった。



その後私はヴィンシェン帝国の王女となった。王家の血筋は公爵家などの養子となるのが一般的ではあるが、ルイは私が聖女であることを知っていた為私を王女として迎えた。実際私の鑑定で見ても()は消え聖女となっていた。叔父様である現王はこう言っていた。

「エレンちゃんと息子を結婚させようと思っていたのに~

まぁ、でも~それよりも早く娘になったと思えばいっか~」

と。この王様大丈夫か?と思った人がいるかもしれないが、国民の前では結構厳格な人なのだ。

自分の家族に対してはその反動でこうなっているのだ。


私もルイと結婚するものだと思っていた。

でもルイの想い人は侍女なんだそう。聞いてくれと言わんばかりに叔父様が話してくれた。

私はきっとルイならその人と幸せになれると思う。

私は2人に聖女としてこっそりと祝福を与えた。






それから私は7つの全てのスキルを使いこの国をより良い国にできるように頑張っている。

気づいたらドゥトゥール国を出てから4年の月日が経ち私はヴィンシェン帝国騎士団長と結婚し、子供も2人出来た。男女の双子である。



私の称号には7つの称号の他に、「聖女の母」「賢者の母」「愛され妻」「愛され母」が増えていた。

私はこの子達の将来が分かってしまったがそれを誰かにいうつもりは無い。だって未来は称号で決まる訳では無いから。私は称号のおかげでこの国で幸せになれたが、この子達には囚われて欲しくないから。



ドゥトゥール国は1年間はもったものの、国内で下克上が起こり、なんと孤児院で私が見ていた子供たちが指導者になったそうだ。彼らは国名をルチア共和国に変えたそうだ。

自分たちを助けてくれた聖女への信仰を込めて。

私だとは限らないが私だったらなんとも気恥しいものだ。

ドゥトゥール国の王族や貴族、一応私の家族であった人達が今どんな生活をしているかは分からない。だが、きっとひもじい思いをしているだろう。でも、もう私には関係ない。だってドゥトゥール国のエレオノーラ・ルエルではないのだから。

私はこの先もヴィンシェン帝国を支えていくつもりだ。

ルイが無事結婚し子供が出来た為、私はその子供たちの教育係をすることとなった。私はこの子達がとても良い未来を作り出すことを予知している。いや、確信している。







エレオノーラは65歳でこの世界での命を終えた。

最後までヴィンシェン帝国の発展のために尽くしてきた彼女はヴィンシェン帝国記に英雄として記されている。

聖女となったエレオノーラの娘も、賢者となった息子もルイの子供と合わせこの国の発展に大きく携わった。そしてエレオノーラと一緒に帝国記に記されている。

この後もヴィンシェン帝国もルチア共和国も大きく発展をしていった。それは全て聖女であるエレオノーラから始まっている。


エレオノーラがこの後また生まれ、そして新たなチート生活をすることはまた別の話である。







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ドゥトゥール国での断罪

王、父→死ぬまで炭鉱を無銭労働をさせられた。死因過労死&餓死

王妃、ミシェル、義母→娼婦 死因感染症

第2王子→騎士奴隷 死因戦死

第1王子→隣国の王女の婿となるが浮気をされ、そのあと死ぬまで仕事をさせられる。

その他貴族

市民が良いと思った貴族は優遇(希望する仕事を行わせる)

悪いと思った貴族(断罪の後奴隷)

主人公のなくなった年齢を変更しました。

ドゥトゥール国の人間は皆頭が腐ってる(お花畑)だと思ってください。


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