百合×豆腐『濾して残ったのは愛でした』
「ねぇ、もめん」
「な、なに……?」
「せっかくのゴールデンウィーク、しかも二人揃って仕事休みなんだからさ、今日はどこかに出かけない?」
「いいけど……それ今言うこと……?」
「わざとこのタイミングで言ってるに決まってんじゃん。アタシ、もめんのこと大体理解してるし」
「いじわる……あ。……はぁ~、崩れた……」
「箸の使い方、上達しないねぇ~」
「豆腐が柔か過ぎるのが悪い」
「責任転嫁乙~」
「もういい。スプーンで食べるから。……それで、絹はどこか行きたいところはあるの?」
「え、う~ん……」
「言い出しっぺなのに」
「いや、そうなんだけどさぁ~。…………コス○コ? とか?」
「何買うの?」
「いや、特に無いけど」
「……じゃあ、却下」
「え~。……あ、空いた納豆のパックゆすいどくからちょうだい」
「ん、ありがとう」
「いいのいいの。どうせかつぶし取りに立つつもりだったし。……あ! かつぶしといえば!」
「なに?」
「最近駅前に新しい喫茶店できたんだけど、そこ行かない?」
「なぜ鰹節で……」
「ほら、かつぶしもコーヒーも茶色いし」
「……そう。……できたばかりってことは、混んでるでしょ? 却下」
「え~、文句ばっかり。どうしたいの?」
「……私は、絹と一緒ならどこにでも…………」
「もめん……」
「絹……」
「………………いや誤魔化せてないから」
「……だめか」




