百合×エロ×洗脳『エッチートな機械で脳みそ攻略』
画面の中にいるやせ型の男性は、こちらに向かって誇らしく言った。
『ほら見てください。さっきまであんなに抵抗していた彼女は影も形もありません。すっかり自分が僕のペットだと思っているようです。このように、このハンディー電動マッサージ機「マイン・オーダー」を対象の頭に当てて操作すると、誰でも簡単にマインドコントロールができるんです! その秘密は、我が社が独自で編み出した先端部のこのバイブレーター! 特殊な振動で脳にアクセスし、いわゆる「管理者権限」を乗っ取ってしまうことが可能になります! これを使えば、常識を改変するなんてことも……! どうです、欲しくなってきたでしょう! さあ驚きのお値段はこちら! これなら、学生さんにもお買い求め易くなっていると思います! 我々がんばりました! この特別プライスは今夜だけ! 皆様、奮ってお電話ください! 番号は、フリーダイヤル…………』
◆
「買ってしまった……」
やっぱり、お小遣い三ヶ月分は痛い……。
……いや、何を後悔しているの操! これで先輩を好き勝手できるなら安い安い! うん、この買い物は間違ってない!
「あら、おはよう符蓮さん」
「おっ、おはようございます! 先輩っ!」
うっわ、先輩今日もすっごく良いにおい……。これは柑橘系かな……。いやもうとにかく語彙力。
「「「「キャーお姉様ー!」」」」
「おはようございますお姉様!」
「本日も大変麗しゅうございますお姉様!」
「あぁっ! カバンならあたしが持ちますお姉様!」
「みんな、お姉様がお通りよ! どけなさい!」
チッ、もういつもの取り巻きが来たか。あの人達がいると先輩に近づけない……。あぁ、早く先輩の頭の中を滅茶苦茶にして私物化したいのに……! おなまえシールでも貼っておこうかな。「符蓮操のモノ」って。さっさと行動を起こさないと……。この学園中の全員が敵。いつ誰に奪われてもおかしくない。それにここは女子校。「性別」というカテゴリにおいては誰もが平等。つまり早い者勝ち。このマッサージ機を使って先輩を……先輩を…………エヘヘヘヘヘヘ……!
「あ、ちょっといいかしら。一時限目の授業の準備を手伝ってほしいのだけれど」
「先生の頼みとあれば、喜んでお引き受けいたします」
……んん!?
あれは……まさか!
今先輩に近づいてきた管野先生が教科書の間に挟んでいる物…………間違いない。例のマッサージ機だ。先生も先輩を!?
くそっ、先を越されてたまるかっ!
「先輩、待ってください!」
「何かしら? 符蓮さん」
「じ、実はですね……」
「……あっ! さ、さあ、早く準備室へ行きましょう?」
くっ、さっさとどいてよ先生!
「お姉様! わたくしもお姉様に大事なお話が……」
「あーた抜け駆けするの!?」
「抜け駆けして何が悪いの!?」
「ねーねー今から二人っきりになれない? 気持ちいいの知ってるんだ~」
「君と永遠のランデブーを……」
もしかして、全員魂胆は同じ……!?
させない。必ず先輩をモノにするっ! このマッサージ機で!
「かくなるうえはこれでもくらえっ!」
「あぎゃぎゃぎゃぎゃあ! お返しよ!」
「おぶぅ!」
「何を!」
「みんな駄目だよぉ~。お姉様は、わたしの物だからぁ~。……ぐぅえぇ!」
各々が持っていたマッサージ機で、お互いの頭を壊していく。フラフラになりながら、ライバルを蹴散らしていく。もはや、どれが先輩なのかも分からなくなるくらいに。
この日から、官能で官能を洗う仁義なき戦いが幕を開けた。