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イセカイテンセイ・・・? なんじゃそりゃ!!? ~予測不能な異世界生活~  作者: サムライドラゴン
冒険者の町「メガスリトス」
34/63

ギルドからの依頼


「おい、これはどういうことだ・・・!!」


 俺たちは今、宿にいる。


 リースさんは今、洗面所で身体を洗っているところだ。

 俺とジェラルドさんとマックさんは部屋の床で円になって座っている。

 そしてマックさんが、先程の言葉を発したのだ。


 もう、おわかりだろう。

 リースさんが俺たちと同じ部屋にいることに疑問を持っているのだ。


「まあそういう反応するよな。 俺もそうだったぜ。」


 ジェラルドさんは笑いながら言った。

 さすがに数日間を共にしたので、彼も慣れているらしい。


「笑い事ではないぞ。 お前たち彼女になにかしてないか・・・?」


 マックさんは俺らを交互に見てきた。


「大丈夫ですよ。 彼女の純真さは昔から必死で守ってきましたから。」


 俺は軽く言った。

 正直手を出したくないと言えば嘘になる。

 これは男の性だ。


 だが俺は、純真な彼女が好きだ。

 どんなことにも真っ直ぐなリースさんが大好きだ。




 しばらくしてリースさんが洗面所から戻ってきた。

 当然、あのキャミソールワンピース姿だ。


「うわっと!?」


 その姿を見たマックさんは思わず後ろに倒れた。


「大丈夫ですか!?」


 リースさんは自分が原因であることを知らず、マックさんを心配した。

 マックさんはすぐに身体を起こし、近くに置いておいた松葉杖を使って立ち上がった。


「あのさ、2部屋使わないか?」


 マックさんは必死な感じでリースさんに話しかけた。


「2部屋? なぜですか・・・?」


 リースさんは不思議そうに聞いた。

 相変わらず純真無垢(おバカ)


「3人ならともかく、4人はさすがに2部屋使った方が良いですよ! ベッドも2つしかないし。」


 マックさんは必死に説明した。

 まあ2つのベッドを4人で使うとしたら、色々キツイものがあるな・・・。


 リースさんはしばらく考え込んでいた。

 そして口を開く。


「確かにその通りですね。」


 さすがのリースさんもわかってくれたようだ。


「じ、じゃあ俺、受付でもう一つ部屋をとってくる。」


 そう言ってマックさんは松葉杖を使ってぎこちなく歩く。


「大丈夫か? 俺が代わりに行っておこうか?」


 ジェラルドさんが心配して声をかけた。

 マックさんは首を横に向けて、後ろに向けて喋った。


「いや、ついでにライラの様子も見ておこうとしてたから大丈夫だ。」


 そう言ってマックさんはドアを開いて出て行った。




「・・・さてと、タカヤちょっと来い。」


 ジェラルドさんが隅っこで俺を呼んでいた。


「俺がマックがいる部屋に行くから、お前はここに残れ、いいな?」

「え!?」


 なるほど、どっちが残るか決めるんだな。


「なんでですか・・・!?」

「お前は今まで同じベッドで寝ていたし、大丈夫だろ? 俺は正直自身が無い。」

「まあ、そうですが・・・。」


 確かに今までリースさんと同じベッドで寝ていたから、ジェラルドさんよりは大丈夫だと思うが・・・。

 うーむ・・・。


「・・・はぁ、わかりましたよ。」

「サンキュー!!」


 俺は仕方なく承諾した。

 まあ最初の頃のようにまた別々のベッドで寝ることに戻ることができたし、大丈夫か・・・。


「じゃあ俺はマックに部屋の鍵を貰いに行ってくるぜ!」


 そう言ってジェラルドさんは部屋を出て行った。




「また二人だけですね。」

「そ、そうですね・・・。」


 身体を洗い終わった俺は、ベッドに座って窓の外の夜空を眺めていた。

 その俺の隣にリースさんが座って、話しかけてきた。


「最初の頃を思い出しますね。」

「そ、そうですね・・・。」


 あかん・・・。

 やはり意識してしまう・・・。

 久々に二人だけだからだろうな。

 隣にいるのは鎧を脱いでいるリースさんだし・・・。



「あれだけ欲しがっていた仕事仲間(パーティメンバー)が、3人もできるなんて・・・。」


 リースさんは嬉しそうに言った。

 そういえば、リースさんは元々仕事仲間(パーティメンバー)が全然できなかったんだっけ?

 そう思うと、急激に仲間ができるようになったんだな。


「・・・あの、タカヤさん。 この際だから聞いておきたいのですが・・・。」


 俺の方を見ながらリースさんが話しかけてきた。

 なんだろう、いきなり・・・?


「あの、私が迷惑になってはございませんか・・・?」


 リースさんが胸に手を当てながら聞いてきた。


 迷惑ねぇ・・・。

 まあ、無いと言ったら嘘になるな。


「勝ち目のない戦いをしようとしたときは、正直少し迷惑だと思いました。」

「・・・そうですか。」


 リースさんは項垂(うなだ)れた。

 俺は速やかに喋りを続けた。


「ですから、リースさんは今後無謀な戦いはしないようにしてください。 たとえ倒したいと思っても、我慢をして、もっと実力がある冒険者の方に任してください。」

「・・・はい、今後気を付けます!」


 リースさんは俺の手を取り、俺の目を見てハッキリと答えた。


 ・・・とりあえず、今後はこれで大丈夫かな?

 まあ、リースさんのそういうところも嫌いではなかったのだが。

 だが彼女を危険な目に遭わせてはならないしな。




 もう夜も遅いし、ベッドで寝ることにした。


「久しぶりですね。 別々のベッドで寝るの。」

「二人で一つのベッドを使っていたときは窮屈でしたね。」

「私は嫌いではありませんでしたけどね。」


 ・・・え?

 今の発言は純真さによるものだよな・・・?

 ・・・考えるのはダメだ、寝よう。






 起床。

 隣のベッドには赤い髪の美女が寝ている。

 ・・・変なことを考えてねえで、さっさと起きちまおう。


 俺は宿を出た。

 そして防具屋にやってきた。

 昨日の戦いで服がボロボロになっちまったからな。


 俺は服がダメになったら毎回、防具屋で同じのを買っている。

 金が掛かるが、それ以上に依頼で稼いでいる。

 実際、俺の着ている服は安物だからな。


 前にジェラルドさんに「もっとオシャレな服を着たらどうだ?」と言われたことがあったが、俺は動きやすさ重視で選んでいる。

 まあ、さすがに冬になったら服を変えることを考えようとは思っているが・・・。


 そんなことを考えながらいつもの青い布の服を買い、店を出た。

 そしていつも通り、トレーニングをする。




 しばらくしてトレーニングを終え、俺はギルドへ向かった。

 前日にあんな戦いがあったことが嘘のように、町はいつも通り平和だった。


 ギルドに入ると、リースさんとジェラルドさんが待っていた。

 マックさんの姿は無かった。


「マックはライラの様子を見に行ったぞ。」


 ジェラルドさんが教えてくれた。

 どうやらライラさんはまだ目が覚めないようだな。

 まあ無茶をしていたからな・・・。



「今日は何をするんですか?」


 俺はリースさんに聞いてみた。

 リースさんは既に依頼書を持っていた。


「じつは今回はギルドから頼まれたのですよ。」

「え?」


 向こうから頼まれることもあるんだな。

 でも、一体なんだろう?


「物資調達の依頼だ。 ギルドが輸入してた物資がここ最近突然手に入らなくなってしまったみたいで、俺たちが直接取りに行くことになったんだ。」


 ジェラルドさんが教えてくれた。

 なるほど物資の調達か。

 モンスター退治よりは楽なのかな?


「なにを取りに行くのですか?」

「『ミツ花』だ。 料理の材料に使うらしい。」


 なるほど。

 ギルドにある食堂の輸入物資か。


「『ミツ花』で作ったケーキはとても美味しいですよ!」


 リースさんが兜の頬部分を抑えながら言ってきた。

 聞いただけで美味そうだな。




「悪い、待たせたな。」


 しばらくして、マックさんが二階から降りてきた。

 松葉杖を使っているため、降りるのに時間がかかったが。


「その足で大丈夫か?」

「今回は物資の調達ですし、無理はしなくても・・・。」


 二人はマックさんを心配している。

 だが、マックさんは笑いながら言った。


「大丈夫大丈夫。 早く杖での移動にも慣れないといけないし。 それに足を使わなくても魔法は唱えられるし。」


 そういうと、マックさんはさっさと歩き出した。

 俺たちはマックさんの後を追い、共にギルドを出た。






 受付嬢さんから目的地を聞いていたリースさんが先導し、俺らは目的地に着いた。

 着いたところは山の中にある花畑だった。

 花畑の周りには柵がある。


「これがミツ花ですか?」


 俺は何気なく聞いた。


「分からないが、とりあえずここの経営をしている老夫婦に会おう。」


 ジェラルドさんはそう言うと、右を向いて花畑を周るように歩き出した。

 よく見ると、花畑の奥に小屋があった。

 なるほど。

 この花畑は作物なのか。


 俺らも花畑の周りを歩き、小屋に向かった。

 二人で暮らせるぐらいには大きい小屋だった。


 ジェラルドさんが木の扉をノックし、「すみません!」と言う。

 しかし数秒間経っても誰も小屋から出てこない。


「留守なのでしょうか・・・?」


 リースさんはキョロキョロしながら言った。



 するとマックさんが小屋の左側に移動した。

 そして立ち止った。


「ちょっと来てくれ。」


 言われた通り、俺らはマックさんのもとへ歩いた。

 するとマックさんは地面を指差した。

 そこには大量の足跡があった。

 その中でも一番近くにあった足跡を指差して、話し始めた。


「この足跡、なんか変じゃないか?」

「え?」

「足跡の向きをよく見てくれ。」


 足跡は左側を向いていた。


「この足跡、明らかに小屋の窓から飛び降りた感じだぞ。」

「え!?」

「足跡から察するに、小屋を背にしている。 さらに他と比べ、この足跡だけ妙にくっきりしている。 普通は飛び降りて着地でもしないと、こんな足跡は付かないと思うぞ。」


 小屋の窓から飛び降りた?

 どうしてそんなことを・・・。


「でも、ここの経営者は二人共高齢の方だぞ? そんなことできるはずがないぞ?」


 ジェラルドさんが疑問を言う。

 確かに高齢者なら普通は、やったとしても手をついたり、もしくは倒れてしまったりする。

 足跡以外の跡も付くはずだ。



「もしかしたら・・・。」


 そう言うと、マックさんは窓から小屋の中を見た。

 すると「やはり・・・。」という言葉を口にした。


「どうしたのですか・・・?」

「覗いてみろ。」


 マックさんは窓の前から退いた。

 俺ら三人は、窓から小屋の中を覗いてみた。


 すると、小屋の中は散らかっていた。

 家具は倒れ、まるで地震でも起きたかのような散らかり様だ。


「・・・これって、まさか。」


 リースさんは恐る恐るマックさんの方向を向きながら言った。

 するとマックさんは目を閉じて、冷静に喋った。


「ああ、その通りだ。 ここの経営者である夫婦は、誰かに攫われたんだ・・・。」


 俺も予想はできていた。

 突然輸入できなくなった原因はこういうことだったのか・・・。


 最悪だ・・・。






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