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イセカイテンセイ・・・? なんじゃそりゃ!!? ~予測不能な異世界生活~  作者: サムライドラゴン
冒険者の町「メガスリトス」
32/63

最後の1体


 マックさんは炎の魔法を放つ。

 だが、怪物には全く効かなかった。


 今度は氷の魔法を放った。

 だが、またしても効かなかった。


 今度は怪物がマックさんに爪を振り下ろしてきた。

 マックさんは間一髪回避した。


 言葉にするとこんな感じだが、実際の戦いはかなりの速さで行われている。

 まさに強者同士の戦いであろう。




 俺らはというと、雑魚モンスターの相手をしている。

 巨人が倒されてから、雑魚モンスターの湧きようが異常だった。


 おそらくだが、今まで森に隠れていたモンスター達が一斉に襲ってきたのだろう。

 2体の強力モンスターを倒した俺たちを始末するために・・・。


 俺、リースさん、マーガレットさん、スレイダーさん、ライラさんは先程と同様に雑魚モンスターを狩っている。

 ジェラルドさんとグリフォスさんも、遠くで雑魚モンスターと戦っている。

 ただ、グリフォスさんは斧が巨人にまだ突き刺さっており、素手で戦っている。

 また、いつの間にかマッケンジーさんとアルラウネはいなくなっていた。



 それにしても、この状況じゃマックさんに加勢したくても、できないな・・・。


 俺は、服を着た二足歩行のオオカミのようなモンスターと戦っていた。

 オオカミの頭をぶん殴る。

 しかしオオカミはすぐに俺に向かって爪で引っ掻いてきた。

 瞬時の反撃に対応できず、俺の体が引っ掻かれた。

 服に三つの切られた穴が開き、体には三つの切り傷が付けられた。


 いてぇ・・・。

 そういえば、初めて斬撃系の攻撃を受けたような・・・。

 いくら頑丈とはいえ、やはり打撃系とは違い、斬撃系は鋭い痛みが来る・・・。


 だが俺は我慢をして、オオカミの服を掴み「背負い投げ」でオオカミを地面に叩きつけた。

 そして仰向けになったオオカミに馬乗りになり、顔を何度もぶん殴った。

 数秒後、オオカミは俺をどけて立ち上がる。

 ・・・だが、ここまで計算済みだった。

 今俺はしゃがんでいる。


 俺は立ち上がると同時に、思い切り「アッパーカット」をオオカミの顎に放った。

 そう、さっきのトカゲのように。

 やはり同様に頭が上に向いたまま後ろに倒れた。

 そしてトドメの「エルボー・ドロップ」を放ち、見事仕留めた。


 他の人も、次々とモンスターを倒している。

 武器がある分、俺よりモンスターを殺しやすいのだろうな。




 ふと、マックさんの方を見た。

 彼は見た目に反して軽やかな動きで攻撃を回避している。

 そして、速やかに呪文を唱え、怪物に魔法をぶつける。

 しかしやはりあまり怪物には効いてないようだ。


 もしかすると、魔法に耐性でも持っているのか?

 ゲームだとありえることだが果たして・・・。




 怪物は爪を振り下ろした。

 マックさんが怪物の攻撃を避けるために、後ろへ跳んだ。

 しかし怪物はそれも予測していたようで、怪物は身体を回転させ、尻尾で攻撃してきた。

 マックさんはなんとか攻撃を回避した。


 しかし、マックさんは倒れた。

 同時に持っていた本も2歩ぐらい先に落としてしまった。

 すぐに起き上ろうとするが、立てないようだ。

 ・・・どうやら足を(ひね)ったらしい。


 ・・・最悪だ!

 あれじゃ攻撃を避けれないじゃないか!!


 俺はすぐにマックさんのところへ向かおうとした。

 しかし雑魚モンスターが行く手を(はば)む。

 ・・・まずい!!


 怪物が腕を振り上げた。

 また爪で攻撃する気だ!!


 怪物は足元にいるマックさん目掛けて、腕を振り下ろした。



 すると、ライラさんがマックさんの前に立ち、盾を構えた。

 盾から光が発していた。

 怪物は爪で引っ掻くが、盾に弾き返された。


 怪物は諦めず何度も何度も攻撃を仕掛けるが、全て盾で弾き返された。

 ・・・すごい。

 これがライラさんの力・・・。



 ・・・ん、待てよ。

 確か前には「聖剣技」とかいうのを使って気を失ったような・・・。


 俺の予想は当たっていた。

 ライラさんの足がガクガクしていた。

 どうやら体力がどんどん消耗(しょうもう)しているのだろう・・・。

 このままではまずいぞ!!



 俺は目の前のモンスターを投げ飛ばし、そのままマックさんのところまで走った。

 ジェラルドさんも気付いたようで、別方向から走ってきている。


 先に俺が怪物に攻撃を仕掛けた。

 殴ってみてわかったが、かなり固い皮膚(ひふ)をしていた。

 攻撃はあまり効いてないようだった。

 だが注意をこちらに向かせることはできた。

 俺はバレないように、怪物の方向を変えるために横へ移動した。

 そしてジェラルドさんも怪物に蹴りをくらわせた。

 やはりあまり効いていないようだ。

 だが、怪物の攻撃対象が俺とジェラルドさんに変わった。



「タカヤ、頼む。」


 小声でジェラルドさんが言ってきた。

 するとジェラルドさんが怪物に殴りかかった。

 怪物もジェラルドさんに反撃するが、ジェラルドさんは軽やかに避けた。

 そして再びジェラルドさんが攻撃をする。

 その繰り返しだった。


 だが、俺は理解した。

 俺は怪物にバレないように、マックさん達のところに行った。

 ライラさんは既に聖魔法らしきものを解いており、やはり汗をかいて倒れていた。


「マックさん、今の内に。」

「俺は一人で歩けるから、彼女を頼む・・・。」


 そう言ってマックさんは立ち上がり、落とした本を拾い、不自然な歩き方で怪物から離れた。

 捻挫(ねんざ)している足で無理矢理歩いているからだろう・・・。

 俺もライラさんを抱き抱え、怪物から離れた。

 そして彼女をマックさんに預け、ジェラルドさんのもとへ戻ろうとした。


「待つんじゃ!」


 すると、後ろから呼び止められた。

 振り返ると、そこにはルークさんがいた。

 そういえば彼もいたっけ。




「すまんのう。 山を下りるのに時間がかかったわい。」


 持っている杖で腰をポンポン叩きながら言ってきた。

 すると今度は真面目な顔で話しかけてきた。


「アイツの弱点は身体の中じゃ。」


 どうやらルークさんは怪物のことを知っているようだった。

 さすがベテランと言うところだろう。


「口の中に魔法か何かを放てば良いんじゃがな・・・。」


 弱点は口か。

 魔法ならマックさんが使えるが・・・。


「俺なら大丈夫だ。」


 そう言ってマックさんは、捻挫している足で無理矢理歩き始めた。

 とても辛そうだ。


「わかりました。 俺が口を開かせます!」


 俺はそう言って怪物に近づいた。

 ジェラルドさんに夢中で背を向けている怪物の背中に飛び乗り、背中の皮を掴んで登ろうとした。

 だが、俺が背中に乗ったことに気付き、怪物が暴れている。


 俺は必死にしがみつき、一歩一歩慎重に登った。

 そしてついに頭まで到達し、頭の上から口に手を伸ばし、無理矢理に上顎を開けさせた。

 ただ、まだ下顎が開いていない。


「ジェラルドさん! 手伝ってください!!」


 俺はジェラルドさんに頼んだ。

 ジェラルドさんは少し困惑していたが、すぐに怪物に近づいて、口にぶら下がり下顎を引っ張った。

 怪物は口を大きく開いている。


「今ですマックさん!!」


 怪物が両腕でジェラルドさんを掴もうとする。

 しかし既に準備をしていたマックさんが呪文を速やかに唱え、怪物の口の中目掛けて炎の魔法を放った。

 俺とジェラルドさんは炎の熱さに手を離してしまい、そのまま振り落された。


 だが、この一撃は怪物には致命的だったらしく。

 怪物は倒れ込み、もがき苦しんでいる。



「これで終わりじゃ。」


 ルークさんがやってきて、そう言った。

 まあ誰しも口の中に炎を放たれたら死ぬだろうな。


 怪物は倒れながらしばらく暴れていたが、次第に動かなくなった。




「つ、ついにやりましたね!!」


 俺は心から喜びの言葉を言った。

 だがすぐにマックさんが返答した。


「いや、まだ雑魚が残っている。 もう一息だ。」

「あ、そうでしたね。」


 そういえば雑魚たちがまだいたな・・・。

 大物のことで頭がいっぱいだった。



 俺らは、後ろで今も戦い続けている冒険者たちのもとへ走った。

 ただ、マックさんとルークさんは歩いていた。

 仕方ない。






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