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イセカイテンセイ・・・? なんじゃそりゃ!!? ~予測不能な異世界生活~  作者: サムライドラゴン
冒険者の町「メガスリトス」
30/63

悪魔(ギガデビル)との戦い


 悪魔は不敵な笑みを浮かべている。

 どうやら俺らを格下と決めつけているようだ。


 たしかにここにいるのは全員Cランク以下の冒険者だ。

 だが、合計で6人と2匹いる。

 数ではこちらが有利だ。



 最初に動いたのはジェラルドさんだった。

 悪魔の腹目掛けてストレートを放つ。

 ・・・だが、悪魔は素早く跳びあがり、ボールを蹴るようにジェラルドさんを蹴り飛ばした。

 ジェラルドさんはやや遠くに飛ばされた。


 その光景を見ていた俺らと違い、スレイダーさんは着地しようとする悪魔に向けて両剣(りょうけん)を投げ飛ばした。

 しかしその攻撃も軽やかに避けた。


 悪魔がスレイダーさんに夢中になっている間に、俺も飛びかかり、蹴りを放った。

 攻撃は命中した。

 悪魔はやや前かがみになり、3歩ぐらい前進した。


「どうやら他の2体に比べると、防御力は無いようですね。」


 ライラさんが瞬時に分析した。

 確かに、これなら頑張れば俺たちだけで倒せそうだ。


 しかし次の瞬間、悪魔が上空に跳び上がった。

 そして空に浮かぶと、雄叫びを上げた。

 ・・・一体なんだ?



 すると、森の方から次々とモンスターが現れた。

 どうやら仲間を呼んだみたいだ。


「これは、アイツだけを相手にしている場合じゃねえな。」


 クリスが回収してきた両剣(りょうけん)を持ちながら、スレイダーさんが言った。

 確かに悪魔だけを相手にしていたら、他のモンスターにやられてしまう。

 最悪だ・・・。



 悪魔は空から降りてこない。

 だが、逃げようともしない。

 どうやら空から見物をしているようだ。

 嫌な奴だ・・・。


 俺らはとりあえず周りの敵を相手にしている。

 隙を見てマーガレットさんが悪魔に向かって矢を放つが、やはり軽々と避けやがる。


 俺らがしばらく雑魚モンスターと戦っていると、悪魔が降りてきた。

 俺たちは潰されないように、それぞれ散った。

 そして風圧にやや飛ばされる。


 起き上がると、悪魔の足の下には無残な姿になった雑魚モンスターの死骸が数体あった。

 どうやら他のモンスターごと、俺らを潰そうとしたらしい。

 よく見ると風圧で飛ばされたモンスターの一部は、風圧により地面に叩きつけられ死んだ奴もいるようだ。


「なんてことを・・・。」


 リースさんが声を震わせて言った。

 仲間が仲間を殺す光景は、確かにリースさんが嫌いそうな光景だ。


 リースさんは剣を構えて、悪魔に突撃した。

 しかし軽く悪魔に(はた)かれ、吹っ飛ばされる。


 ライラさんも果敢に立ち向かうが、悪魔の蹴りに吹っ飛ばされる。


 ほぼ同時に俺も襲いかかったが、さすがに気付かれ殴り飛ばされた。

 防御をしなければ、もしかしたら死んでいたかもしれない・・・。


 その後、ジェラルドさんとスレイダーさんも悪魔に立ち向かうが、攻撃をかわされては反撃をくらって吹っ飛ばされた。

 しかし直後にマーガレットさんの弓矢が、悪魔の翼に突き刺さった。

 だがあまりダメージにはなっていないようだ。



 悪魔は笑い声を上げている。

 ずいぶんと余裕なようだ。


 そして空を飛ぶ態勢に入った。

 どうやらまた踏み潰そうとしてるな。


 何度も何度も同じことの繰り返しだ。

 果たしてこんなんで倒すことができるのか・・・?




 悪魔は地面を強く蹴り、上空へ飛んだ。

 ・・・しかし次の瞬間、悪魔の足に植物の(つる)のようなものが巻きついた。

 そして空に飛ぼうとした悪魔を、俺らのいるところからやや離れた地面に叩きつけた。


「一体なんだ・・・!?」


 誰もがそう思っただろうな。

 ・・・だが、俺はその(つる)に見覚えがあった。

 おそらくリースさんもだ。



「はっ! 成功だ!!」


 聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。

 俺らが振り返ると、そこには一人の男がいた。

 大柄で顔には眼帯を付けた冒険者。

 ・・・そう、"マッケンジー"さんだ。


「よう、お前ら。 ギルドで聞いたぜ。 面白そうなことしてるじゃねえか!!」


 笑いながら話しかけてくるマッケンジーさん。


 だが、今の俺らにはそれよりも気になっていることがある。

 マッケンジーさんの横には、桃色のほぼ全裸の美しい女性が立っている。

 そしてその女性の足元には大きな花があり、無数の(つる)がある。

 ・・・そう、あの時討伐しようとしたがマッケンジーさんに攫われた、あの "アルラウネ" だ。


「ア、アルラウネ・・・!!?」


 リースさんは驚きを隠せないようだ。

 それはそうだ。

 今俺らの前にいるアルラウネは、姿こそ人間だが、(れっき)とした「モンスター」だからだ。

 なのにマッケンジーさんと一緒におり、俺らを助けてくれた。

 それに、あの時以来消息不明だったしな。


「なぜ、アルラウネが・・・。」

「ん? ああ、そうだったな。 俺の手下になるよう調教したんだよ。」

「ちょ、調教!!?」


 一瞬いやらしい想像をしてしまったが、たぶん違うだろう。

 ・・・というか、モンスターを調教して仲間にしたということができるのか・・・?


「俺の実験は大成功だ。 これからはモンスターを仲間にできる時代が来るぞ!!」

「モ、モンスターを仲間に・・・!?」


 ・・・なるほど。

 それでアルラウネを攫ったのか・・・。


「・・・待って。 色々あり過ぎて混乱してくる・・・。」


 俺以外の人たちは、どうやらマッケンジーさんの発言に衝撃を受けているようだ。

 そうか、俺は元いた世界でゲームなどで聞いたことのある話だったからあまり衝撃的では無かったのか。

 だが、おそらくこの世界で初めてのことなのだろう・・・。

 これはもしかしたら、歴史的なことに直面できたのかもしれないな。




「・・・さてと。 話したいところだが、あの鳥人間野郎がどうやら起き上がったようだな。」


 マッケンジーさんの見てる方向を見ると、地面に叩きつけられた悪魔が起き上がり、こちらを睨んでいる。

 今にも襲いかかってきそうだ。


「よっしゃ! 歴史的第一歩のデビュー戦といこうぜ!!」


 マッケンジーさんがそう言うと、アルラウネと共に悪魔の方に走って行った。

 悪魔はマッケンジーさんに突っこむが、アルラウネの(つる)に巻きつかれ身動きが取れなくなった。

 そして顔面を何度も地面に叩きつけられていた。


 先程俺たちを苦しめていた悪魔が、まるで雑魚同然のように・・・。

 悪魔の鼻や口から血が流れ、(うな)り声を上げている。


「・・・あー、どうしよう。」


 マッケンジーさんが突然そう言った。


「ど、どうしたんですか・・・?」

「いやね。 アルラウネの攻撃ではこのまま叩きつけるしかなくてな。 倒すまで時間がかかりそうだなってね・・・。」


 ・・・なるほど。

 剣などと違って、打撃系の攻撃は仕留めるまでに時間がかかるからな・・・。

 俺も何回か経験があるな。


 そんなことを考えていたら、どうやらアルラウネの体力が限界だったのだろうな。

 (つる)の巻く力が弱まって、悪魔は脱出してしまったようだ。

 顔からして、スゲー怒っているな・・・。


「あ、やべえ・・・。 逃げるぞ!!」


 そう言ってマッケンジーさんとアルラウネが、回れ右をして逃走した。

 悪魔は二人の後を追おうとする。

 だが、どうやら悪魔は虫の息のようだ。

 あと一発なにかすれば倒せそうだ・・・。


 俺が悪魔に襲いかかろうとしたが、俺の横からリースさんが悪魔に向かって全速力で突撃した。

 俺は止めようとしたが、なぜか声が出せなかった。

 おそらく、あまりにもリースさんの勢いが強かったせいだろう。


 悪魔はリースさんに気付いたようで、蹴りをかまそうとした。

 だがリースさんは蹴りを簡単に避けた。

 明らかに蹴りの勢いが無かったからだ。

 悪魔は空ぶったことにより背中から地面に倒れた。


 仰向けになった悪魔の身体にリースさんが飛び乗った。

 そして剣を真下に向け、思い切りジャンプをした。

 すると剣の(つば)に足を乗せ、いわゆるホッピングに乗るような姿勢になった。

 そして悪魔の胸に剣が刺さった。

 リースさんの全体重が乗っているため、かなり深く刺さっていた。


 悪魔は暴れる様子はなく、ただ悲痛な叫びを上げていた。

 やがて、叫び声は聞こえなくなった。


 リースさんは悪魔の胸から剣を引き抜こうとした。

 しかし深く刺さっているため、どうやら引き抜けないようだ。


 俺がリースさんの元まで行き、代わりに剣を引き抜こうとした。

 握りの部分じゃ引き抜けなさそうなので、(つば)を持ち上げるように引き抜こうとした。

 だが引き抜けない。


 リースさんも握りの部分を持ち、引き抜くのを手伝ってくれていた。

 すると、なんとか剣が持ち上がり、引き抜くことができた。


「ありがとうございます!」


 剣の刃の部分は、赤く染まって正直気持ち悪かった。

 だがリースさんは気にせず、剣を(さや)(おさ)めた。




「モンスターを仲間にする。 そういうことが可能なのですか?」


 リースさんは真剣な声でマッケンジーさんに質問した。


「さあな。 これからに期待してくれ。」


 マッケンジーさんはそう答えた。

 いままでリースさんにとって、モンスターとは倒すべき存在だったからだろうな。

 複雑な気持ちはわかるぜ。



「それより、アイツらはいいのか?」


 マッケンジーさんが指差した方向は、残り2体のモンスターの方だった。

 つまり、グリフォスさんとマックさんのことだ。






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