スライム退治
「おい、これはどういうことだ・・・!?」
俺たちは宿屋の部屋にいた。
そしてジェラルドさんは困惑していた。
リースさんが洗面所で身体を洗っている間に、俺はジェラルドさんに説明していた。
主に、リースさんが純粋無垢であることを・・・。
「まじかよ・・・。 よく耐えてきたなお前・・・。」
「さっさと寝てしまうことがコツです。」
「なるほどな・・・。」
ジェラルドさんは不安そうだった。
まあ普通はそうだろうな。
「いやさ。 お前は紳士だから大丈夫だろうが、俺は散々女遊びをしているんだよ・・・。」
「ええ!!?」
「いや、デートまでな!!」
ジェラルドさんは両手を振って、必死に訴えた。
・・・ま、まあ信じよう。
「ともかく、リースさんの純真さは守ってくださいよ!!」
「わ、わかったよ・・・。」
ジェラルドさんも納得してくれた。
まあチン○ンを知らないレベルの女性なんて、マジで今まであったことが無かっただろうな・・・。
「洗い終わりましたよ!」
「ああ、はい。」
リースさんが寝巻に着替えて、洗面所から出てきた。
するとジェラルドさんが目をまん丸くして、唖然としていた。
そうか、キャミソールワンピース姿を見たのは初めてだったか!!
「おいおいおい、なんだアレ!!?」
ジェラルドさんが小声で俺に叫んできた。
「あんなの普通我慢できんぞ!!」
「気持ちは分かりますが、我慢するしかないんです!!」
「ええー!!?」
ジェラルドさんは顔を押さえた。
視点を下げると、とてつもない大きな影が見えた。
内緒だったが、俺だって毎回そうなっていた。
「辛いでしょうが、頑張るんです!」
「俺、ダメかもしんない・・・。」
珍しくジェラルドさんが泣き言を言っている。
まあ男なら仕方ないよなぁ・・・。
「ところで、どうやって寝るんですか?」
リースさんが聞いてきた。
そういえばベッドは二つしかないし、どうするか・・・。
そう考えていると、ジェラルドさんが言った。
「簡単なことだ。 俺が一人でベッドで寝るから、君たち二人が同じベッドで寝ればいい。」
・・・へぁ!!?
なに言ってんのぉ!!
「ちょっとジェラルドさん!?」
「悪い! 俺には手を出さない自信が無いんだ!!」
「だからって、同じベッドで寝るなんて無理ですよ!!」
俺とジェラルドさんは小声で話していた。
なんてことを言ってくれたんだ・・・!!
すると・・・。
「確かにジェラルドさんのお体では、二人で寝ることは不可能ですね。」
そうリースさんは納得したように言った。
・・・ってちょっと待て!!?
二人で寝ようとしてるぅー!!!
「ええ!? 俺たち二人で寝るんですか!!?」
「そうです。 仕方ないですよ。」
ああもう!!
純粋無垢すぎるよ!!
「というわけで、また明日!!」
気が付くとジェラルドさんが、武装を外してベッドに横になっていた。
巨体がベッドからはみ出ている・・・。
・・・ってそうじゃない!!
完全に逃げられた!!!
「タカヤさん、どうしたのですか?」
もう片方のベッドの見ると、リースさんが俺のためにスペースを空けてくれている・・・。
俺の頭には色々な妄想が出てきた。
あっ・・・まずい・・・。
今回は本当にまずいかも・・・。
「寝ないのですか・・・?」
リースさんが心配そうに俺を見ている・・・。
俺は咄嗟に言葉を出した。
「ま、まだ身体洗ってないので!!」
そう言って洗面所にダッシュした。
まずい、まずいぞ・・・!
今夜はガチでまずいぞ・・・!!
俺は身体を拭きながら、どうしようか考えていた。
だが、何も出てこなかった。
戻ると、リースさんが横になって待っていた。
幸い、俺が寝る方とは反対方向を向いていてくれていた。
俺は仕方なくベッドに入り、リースさんがいる方とは反対方向を向いた。
せめてもの抵抗だ。
なんとかこの状態で、リースさんが隣にいることを忘れて寝よう。
そう思って横になった。
だが当然、寝れるはずがない。
いくら反対方向を向いても、背中にリースさんの背中やお尻が当たっていて、つい意識してしまう。
おまけに、良い香りが漂ってくる。
俺は寝れそうにないと、確信した。
俺は数十分後に、リースさんが寝ているベッドの横の床で寝ることにした。
こうすれば、寝相で床に落ちたと騙せるからだ。
だが、床は固いな・・・。
まあさっきの状況よりかは寝れると思うので、頑張ってみた。
次の日の朝・・・。
俺はとりあえず眠れたみたいだ。
だが違和感を感じた。
俺はベッドに戻されていた。
おそらくどちらかが落ちていた俺をベッドに戻してくれたらしい・・・。
ありがた迷惑とはこういうことか・・・。
ともかく寝れたことは良かった・・・。
今日一日も頑張ろう。
そう思って俺はいつも通り、トレーニングに出掛けた。
今日の依頼は≪スライム退治≫らしい。
スライムといえば、強かったり弱かったり作品によって強さが定まらないモンスターだな。
この世界だとどうなんだろう・・・。
「スライムは素手では倒せません。 斬ったりしないと無理です。」
そういうタイプか。
これは今回はリースさんの出番か。
ジェラルドさんも槍を持っているし、大丈夫か。
目的地の洞窟にやってきた。
リースさんがランタンを取り出して、俺たちは洞窟に入って行った。
するとすぐに数体現れた。
すぐさまリースさんとジェラルドさんは武器を振り回し、スライムたちは次々に倒されていった。
俺も少し協力するために、スライムを蹴り飛ばし、二人のもとに飛ばした。
スライムは液体のため、血なんかが飛び散らないため、全く気分を害さなかった。
周りにはスライムだった液体がこぼれている。
この世界のスライムも、比較的に雑魚だったようだ。
すると、奥からさらにスライムが数体攻め込んできた。
こいつらもゴブリンと同じく、集団で力を発揮するタイプか・・・。
俺らはしばらく足止めをくらった。
やっとそのエリアのスライムを殲滅することができ、俺らは奥に進めた。
スライムは倒された後、ただの液体と化すため、生死の判別が難しかった。
洞窟の中は鉱物などが埋まっていた。
正直持ち帰ろうかと思ったが、掘り出すには専門家が必要だな。
というか冒険者の評判が悪くなりそうなので、どっちにしろダメだろう。
「綺麗・・・。」
光る鉱物を見て、リースさんは感動している。
リースさんも宝石とか好きなのかな。
知れば知るほど、リースさんは普通の女性なんだな。
「一つ取ってやろうか?」
ジェラルドさんは冗談交じりに言った。
するとリースさんは・・・。
「いえ、いいです。 自然の美しさが、私は好きなので。」
なるほど。
手に入れるより、眺めている方が好きということか。
「しっかし、スライム達には贅沢な住処ですね。」
俺も冗談を言ってみた。
ジェラルドさんが「そうだな。」と笑って答えてくれた。
中間あたりはスライムが現れなかったな。
おそらく入口付近に出た奴らの、後半辺りがそうだったのだろうな。
これは楽かもしれないな。
俺は若干油断していた。
若干だぞ、若干。
だがマジでさっきからスライムが現れねえんだけど・・・。
逆に怖いんだが・・・。
まあ出てきたら出てきたで嫌なんだが。
「先程からスライムが現れませんね・・・。」
リースさんが代弁してくれた。
よく意見が合うなぁ・・・。
「もしかしたら、さっきので全部だったかもしれんなぁ・・・。」
「ええ・・・。」
まあ、退治と言っても多いとは言ってないしな。
その可能性も十分あるな。
おい、本当に出ねえぞ。
まじで倒しちまったのかよ・・・。
俺は拍子抜けしかけていた。
だが、≪ゴブリン退治≫の依頼のときのルークさんから言われたことを思い出し、最後まで油断はしないよう自分に言い聞かせた。
「・・・出ねえな。」
ジェラルドさんも同じような気持ちのようだ。
本当に全部倒したのか・・・?
そう思っていた直後、前方から再び青い生物が飛び出してきた。
「げっ!? いきなり現れやがった!!」
ジェラルドさんは驚いたため、槍を構えられなかったためスライムを殴り飛ばた。
そして地面で潰れているスライムをリースさんが斬り裂いた。
スライムは真っ二つになり、ただの液体になった。
「しかし、どうしていきなり・・・?」
リースさんが液体となったスライムを見ながら言った。
ふと前方を見たら行き止まりになっていた。
おそらく最深部なのだろう・・・。
「こいつで最後か・・・?」
ジェラルドさんがそう言った瞬間、目の前の壁の隙間からスライムが出てきた。
まるで、絞り袋から出てきた生クリームのように。
出てきた瞬間、ジェラルドさんが槍で突き刺して倒した。
「壁から出てきた・・・?」
壁の向こうに何かあるのか・・・?
おそらく俺以外もそう思っているだろう。
俺とジェラルドさんは壁を攻撃した。
しばらく壁を崩していると、一気に壁が崩れて道が出てきた。
道にはスライムが数匹いた。
しかし、俺たちにはそれよりも真っ先に目に入ったものがあった。
道の奥の方に、一際目立っているスライムがいた。
そのスライムは決定的に他のスライムと違った。
それはとてつもなく大きいスライムだった・・・。




