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知らない世界10

「アリスさんありがとうございます」


「私は何もしておりませんよ」


アリスさんにお助けいただいた結果、おにいちゃん達も一緒にパパとママに会いにいくことになり、会いにいく用意をするため1度解散した。レンドールとモエもだけれど後2時間ぐらい皆何を用意するの?お風呂に入って髪乾かしてだけじゃあないの?会うために証とか必要になるの?それを探しに行ったの?どうしたの?そう言えばこちらのパパとママのこと何も知らない。アリスさんに聞いてみようかな


「アリスさんからみてパパとママはどんなひとですか?」


「直球に言わせていただくなら親バカです」


「そ、そうなんだー」


「どれだけ歳を重ねても自分の娘と息子が可愛いんでしょう。遠出をする際には必ずご兄妹様が描かれている絵を持って出られます。…ただもう少しサイズを小さくして頂けると有難いのですが……」


何か……迷惑かけてごめんなさい


「ですがそれだけ愛しておられるという気持ちは素晴らしいと私は思います。この後会いに行かれるのもきっとお喜びになられます」


「そうだといいんですけど…」


「ただニナ様が記憶喪失になったという報告をした際の旦那様と奥様の反応が気になります」


「そうですか?」


「はい。大混乱は免れられないと思って頂いた方が」


そんなにか!でも仕事で外に出ているというのが別に家に居るのが嫌でという理由じゃあなくて良かった。もしお前達の顔を見たくないから遅く帰って来ているのに!なんて展開なってしまえばモエ、レンドールにとって超がつくほどのトラウマになってしまうだろう。…冷静に考えてもしそうだった場合、ルシフェルおにいちゃんとノワールおにいちゃんが止めてくれているかな。んー色々考えすぎてたかー


「早くに入浴を済ませてしまえば湯冷めをしてしまう恐れがありますのでもう少し後にしましょう」


「はい」


自分の部屋へ戻る廊下をのんびりと歩く。日が出ている時に見た景色とは全く違う。周りが静かすぎてどこかのホラーで出てきそうな雰囲気を醸し出しいる。別にホラーは苦手じゃあないけれど好きという訳でもない。お昼頃は太陽のお陰で暖かかった気温も少し肌寒いぐらいに変化している。真っ暗な中廊下を照らすのは等間隔に天井の隅から淡い光を放つランタンとアリスさんが持っている手持ちのランタンだけ。真っ直ぐ歩くだけなら全く問題ない。どうしてこれだけ大きな家なのに光は少ないんだろう。ケチなのか何か意味があるのか。


余所見していては転んでしまうと真っ直ぐ前を見据えた。廊下の奥はとても薄暗い。のに


「アリスさん…」


「どうかされましたか」


「あっち。ろうかのずーっとおく」


私が指さした先は廊下の奥の奥。明るい、とまではいかないけれどぼんやりと淡い光が浮き出ている床があった。上からの光じゃあない。床の上にぼんやりと何かがある。それは…青色?水色?遠すぎて分からない。でもそこでは何かが光っている。残念ながら今日は魔法をみたり妖精をみたりしたものでこんなことぐらいではもう驚きません。


「あれは……」


「あおいろのランタンってあるんですか?」


「いいえそのような物は御座いません。しかし困りましたね…あそこを通らなければお部屋へ戻ることが出来ません」


今のところ此方に近づいてくる様子はない。ただそこにあるだけと言った感じだ。害がないのならそーっと横を通るのだけれど近くにいくと襲いかかってくるかもしれないという可能性は否めない。アリスさん1人なら問題はないけれど私がいるとなれば話は変わってくる。私たちはこの道を通らないと部屋に戻れない。10時にはレンドールとモエが私の部屋にくる。2人を前に全然準備出来てませーんというのはおねえちゃんとして許せない。まだ今のところは時間があるとしてずっと通れないでは困ってしまう。何か方法はないかなとぼんやりその光を見ていると不意に光が消えた。


「きえた!」


「…近づくのは危険ですが確認しなければ進めませんね。ニナ様お待ち頂けますか?」


「わたしもいっしょにいきます。ひとりこわいです…」


「……畏まりました。私から離れないようお願いします」


怖いなんてもっとらしい事をいったけれど本当は自分も見に行きたいだけ。アリスさんのスカート裾をきゅっと握ってゆっくり慎重に近づく。光があった辺りを見てみるけれど何も無い。


「焦げた痕など見当たりませんね」


「なんだったんだろう…?」


「本日はいろんな出来事がありましたのでもしかするとその類かもしれません」


「ようせいさん?」


「可能性は無きにしも非ず、ですよニナ様」


「おにいちゃんならわかるかな…」


「ルシフェル様…いえノワール様ならご存知かもしれません」


「ノワールおにいちゃん?ルシフェルおにいちゃんじゃあないの?」


「ルシフェル様もそれは素晴らしい魔法をお使いになられますがノワール様はそれを超える天才ですので」


「ノワールおにいちゃんすごいんですね」


「それは優秀な兄君様ですよ…ですが何か質問される際は御二方に声をかけるのが宜しいかと」


「どうしてですか?」


「先程の二の舞になります」


「あ、あー…」


食堂での出来事を思い出して思わず言葉が濁る。


「兄としてニナ様に頼られたいのですね」


私がモエとレンドールにちゃんとしたおねえちゃんと見て欲しいようにルシフェルおにいちゃんとノワールおにいちゃんもそういう思いがあるんだろう。分かってる。分かっているからこそおにいちゃん達にやめてとは言えなかった。でもね、怖かったんだよ。私を抜きにしてヒートアップする会話が。


「この廊下は恐らく安全です。今のうちに通ってしまいましょう」


「はいアリスさん」








ーーーーみえてた。みえてたね。ぼくはじめてみた。わたしも。おれも。あれかんなぎ?そうだよ。でもまえはちがった。いまはそうだよ。なかに入ってるのがちがうんだよ。そうなの?そうだよ。どうするの?フィオーレはもうおはなししてた。でおくれた。かんなぎひつよう。ようせいにとられちゃうよ。はやくしなきゃ。でもぼくたちにはきめられない。そうだね。そうだよ。ねえどうするの?おうさま。いまおうさまいない。けがしてる。おへやでねてる。おうさまかわいそう。そのためにかんなぎいるんでしょ。そうだ。そうだね。じゃあーーーー

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