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始まりの前

はじめましての作品

安心院新愛、ただいま高校最後の大イベント中です


朝からお母さんにセットしてもらった綺麗な髪。いつも通り校則に忠実な制服。そして胸元は可愛らしい赤色の花で彩られていた。たしかこの花の花言葉は「祝福」。今日この学舎を旅立つ私たちにこの学校から贈られる最後のプレゼント。


ここは体育館。卒業生、在校生、卒業生の保護者の方で溢れかえっているその空間は、いつもよりも少し重いと感じる空気に支配されていた。


開かれた体育館の扉の先には桜の雨が降っていて思わず目を奪われてしまう。花はどれも好きだけれど一番は桜だ。そしてやはりこの時期の桜は特に好き。別れの時期に舞う花びらは儚さの中に特有の美しさが光る。この桜に心を奪われているのはきっと私だけじゃない。今日は特別だから。


「~~……卒業生代表、安心院新愛」


「はい」



外の景色を堪能していると自分の名前を呼ばれた。席を立つ。沢山の視線が自分に突き刺さるのを感じつつそれでも緊張はしていなかった。この3年間の内、2年生徒会長として務めを果たしてきた。勿論こうやって全校生徒の前で話す機会なんて山ほどあったし、その他にも沢山のことを経験してきた。何も怖いものなんてない。ましてや今日は卒業式。私は卒業生。馬鹿みたいにやらかさなければ大目に見てもらえる、はず。失敗しないに越したことはないけどね



「~~~~……卒業生代表、安心院新愛」



読み終えたと同時に拍手がおこる。私は答辞の書かれた紙を校長先生へと渡し一礼、そして自分の席へと戻った。戻る最中、一番と言っていいほど仲の良かった神野里穂がこちらにグッと親指をたてているのがみえた。その顔は、吹き出しそうなのを我慢しているようだ。彼女は知っている



ーーあの答辞には私力作のポエムが書かれていることを






「あーーー笑いそうだった!!アンタ本当にあの紙でいったの?」


「うん」


「ぜっったい馬鹿!てか意味わかんないー」



卒業式のプログラムは全て終了となって体育館をでた。友達と肩を組みながらまた会う日を約束している男の子や抱き合いながら別れを惜しんでいる女の子。皆が思い思いに最後の時間を過ごしている。



「最後だから何か残そうと思って」


「それで自作のポエムってヤバすぎだわ。でもアンタが答辞を読んでる時、いつあのポエム読んでくれるんだろうーって待ってたのにさあ」


「それは盲点だった!今言うね」


「やめて!腹筋なくなるから!!」



そうだ。私……あの時里穂とじゃれあってて……それから



「新愛!!!!」



悲鳴に近い里穂の声を聞こえて、何?って返事をしようとしたら頭に強い痛みを感じて、それから





それから?





「どうしてゴージャスなベッドに寝てるんだっけ?」

転生しちゃったら楽しんだもん勝ち

別名 好きな要素を詰め込んだもん勝ち

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