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日常?
「ユウ、また真っ暗だよ?」
カナはまた僕にそう言った。
彼女は1日に1回は僕にそう呟く。別に大した意味もないのだろうけど、決まってなぜか僕に問い掛ける。
「キミはいつもそれを言うけど、いったいそれはなんなんだい?」
「だって靴の裏側って、光が当たらないから真っ暗でしょ?外がいくら明るくても自分がその足で地面を踏み込んでしまえばそれまでじゃない。」
僕はその意味のわからない言葉に、なぜか賛同した。いや、賛同どころかそれに対する強い好奇心や探求心さえ芽生えていたのかもしれない。
僕とカナは、幼稚園の時からの幼なじみだ。気がつけばいつもカナは僕の隣でいろんな表情を見せてくれていた。なぜか高校生になった今でもそれは変わらない。
というのもカナとは幼稚園からずっと学校が同じなわけでして。まぁある種の
「腐れ縁」だと僕は思う。しかしなぜか彼女は僕のその考えが嫌いらしい。まったくもって彼女の考えが僕にはわからない。




