62 ビカムVS魔王
「エロ勇者よ! 先日とは別人となり、七つの大罪を倒して、ここまで来るとは驚いたわ!! しかし、我は無敵の魔王! 最後に笑うのは我だ!! ワッハッハッハッハッハ!!!」
「あーもう、そういうのいいから、さっさとかかって来い!!」
「ふんっ! 言ってくれるな! 愚か者が! それでは、まずは、これなど、どうだ! フンッ!! バキッ! ボカッ! ドカッ!」
「・・・・うっ!」
「あちゃーー。魔王のやつ瞬間移動ができるみたいだねー。ビカムの後ろに行って、大剣でボカボカに殴っているよ! あの攻撃はまずいのかな? ビカムは抵抗してないけど・・・HPは2億2999万8000って、全然、効いてないじゃん!」
「そら、そら! バキッ! ボカッ! どうした、勇者よ! 手も足も出ぬか! 我に逆らう者の末路を、その身を持って味わうのだな。ワッハッハッハッハッハ!」
「・・・・うっ・・・うっ! つまんねー」
「うん? 何か言ったようだが、降参しても許してはやらんぞ! 次はこれだな! 骨まで焼かれて塵となれ! 地獄の業火!」
「あちちちっ! ・・・ダメかー」
「ワッハッハッハッハッハ! 苦しめバカ勇者め! 勇者のうめき声は、我の何よりのごちそうだ!!! それっ! それっ! もっといくぞー! 最大魔法破滅の雷光!!!」
「ビリビリビリビリ! ・・・・・・」
「なんかさー、さっきから見てると、ビカムは、あれ、わざと敵の攻撃を受けてるねー。HPもまだ2億以上あるしさ。なんか、これは不毛な戦いだよね。もういいよね。ビカム! さっさと片付けろ! って、あいつ何してんだ?」
「グサッ! ザクッ! フッ! やるなー、お前!」
「えーーーーーーーーーーーーー! あいつ何エクスカリバーを自分の足に刺してるの? アホなの? 何がやりたいの? 神様さっぱりだよ! って、HPが1億になっちゃったよ! 何がやるなーだよ! 血が噴き出てるじゃねーかよ!」
「クックックック!! 我の攻撃にビビって、血迷ったようだな!! そんなに死にたいのなら、望み通り黄泉へ送ってやるわ!! ふーーーーーーん!!! 魔王暗黒虚無送り!!!」
「おぉぉぉ、これはおもしろいなー! やるじゃん! えいっ!」
「く、くそっ! しぶといやつめ!!! もうHPもわずかであろう。連続瞬間移動のタコ殴りで、止めを刺してくれるわ! バキッ! ボカッ! ドカッ!」
「あーー、もう飽きたなー! お前、ほんとに魔王なの?」
「ビカムのやつ・・・どうやら勝ち方にこだわっていたようだね! やられそうになってからの逆転勝利を目指したからあんなバカなことをしてたのか! アホだね! もういいよ! 神様も飽きたぞー、ビカムそいつ消滅させろー!!」
「じゃ、ま、そういうことで! ビカム最終奥義天地晦冥!!」
「うぎゃ! ぎゃーーーーーーーーーーーーー! ゆ・う・じゃ・め・お・ぼ・え・て・・・シューーー」
「よしっ!! 終わったねー! やったね! 自傷行為で半分HPなくしたけど、まあ、いいや、完全勝利だよ! 長かったよ! ほんとに苦労したよ! 神様、最後まで大変な目にあったよね・・・・」
「あっ、ひ、姫様! ご無事でしたか!」
「あっ、魔王が消滅して、姫様も解放されたね。それでも、自力でここまで来るとはさすがだよね。強い姫様だったもんね! でも、本当の王様はどこへいったのかも分からないし・・・可哀想なことになってしまったね」
「ビ、ビカム様。よくぞ、ご無事で・・・」
「姫様!! 酷い目に遭いましたな。父上が魔王だったなんて・・・」
「ええ。わたくしも何が何やらでしたわ! それで本当のお父様は?」
「残念ながら・・・、このビカムでも、確認するすべはありません」
「そ、そうですか・・・・うっ、うっ!」
「姫様、お気を確かに。これからは、ビカムが傍におります」
「え、ええ、ありがとう! 嬉しいわ」
「なんか、ビカムと姫様がいい感じになってるけど、まあ、いいやね! これで、ようやく神様も天界に戻れるよ! 褒美もざっくざくで100年は遊んで暮らせるねー! キャッホーだよね! さぁ、帰って酒池肉林だぁー!」
「やっぱ、とんでもない、じじいだっただす! 思った通りだっただす! すべては自分のキャッホーのためだっただすな! 最低な終わり方だすな!」
「ホントだよな! 損したのは俺たち天使だけかよ! まったくなんだったんだよ、この物語は!」
「うるさいっ!! バカ天使!! 最後は神様の苦労が報われるんだよ!! あ、お前ら、あとで吸血姫様を角笛で呼んどいてね! それが最後の仕事ね。じゃ、ま、そういうことで、よろしくーー!」
「やれやれだす!」
62話 ビカムVS魔王で、『じゃ、ま、そういうことで~神様を困らせまくる、ぐうたら男の転生記~』は完結とさせていただきます。
セリフだけ、ゆるゆる設定のハチャメチャ物語を読んでいただいたすべての方にこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。
また、感想、レビュー、ブックマーク登録をしていただいた方々、本当にありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。




