61 最終決戦
「いよいよだねー! ワクワクの大冒険もついに最終決戦だね! 王様改め魔王と猫耳娘改めアスモデウス。それと怠惰のベルフェゴール! こいつらを倒せば、やっと終わるよね!! よし、じゃ、王の間に行くよ!」
「よくぞ、戻られた勇者よ! 猫耳娘も首を長くして待っておったぞ!」
「勇者様ぁ~、お会いしたかったです! ヒシッ!」
「おいおいおい! お前ら、まだそんなことしてんのかよ! ふざけんなよな! 何がよくぞだよ、この魔王が!! 何がヒシッだよ! このアスモデウスが! もう、お前らが魔王とアスモデウスだってことは分かってんだからな!」
「な、なにを言っておるのだ! 儂が魔王の訳がないだろう」
「ア、アスモデウスって何ですか? ビカム様ぁ~。下郎がおかしなこと言ってますよ~」
「なあ、神様だっけ、どれが魔王なんだ? この猫耳娘か?」
「そこの檀上に座っているのが魔王で、今、君に抱き着いている猫耳娘は敵! 敵だからね! 気を許してはダメだよ。まあ、今の君なら大丈夫だと思うけどさ! なんならそのまま捻り潰してくれてもいいよ! 神様が許す!」
「神様は、何を言っておるのだ。勇者よ。そんなことを信じてはならんぞ!」
『ピピピッ・・まずいぞ! アスモデウス。勇者の様子がおかしい! なんで、お前にデレないのだ。お前の魔法【魅惑のハーレム】が効いていないではないか、完全に無効化されているぞ!!』
「本当ですよ! 勇者様ぁ~。下郎の言うことを信じないでくださいね!」
『ピピピッ・・はい、魔王様。何かおかしなことになっているようです。それならば、もう一度【魅惑のハーレム】を掛けて、虜にしてみましょう! うーーん! 行けっー!! アスモデウス魅惑のハーレム!!!』
「ふんっ!! やはり来たか! そんなの神様は、お見通しだ!! よしっ!! バカ天使ども! お前らの出番だ! アスモデウスの魔法を受けてこい!!! それっ! ブンッ! ブンッ!」
「ギャーーーー。何するだすか! なんでうちが投げられるだす! ぎゃーーー何かに当たった!! あれっ、なんか猫耳娘が恋しくなってきただす!!」
「ギャーーーー。何で俺も? 赤ちゃんを投げるなんて鬼畜だーー! 俺は関係ないのに! ぎゃーーー俺も何かに当たってるー! あれっ、なんだ、なんだ猫耳娘様、ぱふぱふー!」
「こ、これは何? バカ天使の目がハートになってるよ」
「そう、それが敵の罠、誘惑のハーレムっていう魔法だね! 君もさ、そこにいるアスモデウスのこの魔法でエロエロにされていたんだよ! まあ、さ、どこまでが本当の君で、どこまでが敵の魔法かは知らないけどさ!」
「今、なんか失礼なこと言った? あんたやっぱり死にたいの?」
「あーーーごめん、ごめん。ごめんなさい。そうだよね! 今の君は立派な勇者だったね! 神様勘違いしちゃった。・・・そうだね、バカ天使は気にしなくていいから、魔王とアスモデウスをやっつけようね!」
「ふーん! じゃ、ま、そういうことで! よっと!!! 捕まえたよ!」
「ぎゃーーーーーー腕が、腕が・・・魔王様、助けてください!! こいつとんでもない力で!! う、動けません!! ぎゃーーーー。ガクッ」
「アスモデウスは、気を失ったみたいだね! でも、気を失う前に魔王様に助けを求めてたよねー!! もうそろそろ観念して、正体を現したほうがいいんじゃないの? 王様、改め、魔王!!」
「く、くそっ! アスモデウスのバカが!!! こうなってしまっては仕方がない・・・・・・・・芝居は終わりだ!! ベルフェゴール! バカ勇者を、怠惰魔法で封じ込めろ!!」
「分かりました! 魔王様! それっ! 行けぇー!!」
「おっと、あそこの兵士がベルフェゴールだったのか!! ほら、天使どもまた出番だ!!! あいつの魔法も全部受けて来い!! それっ! ブンッ! ブンッ!」
「ギャーーーー。何するだすか! 今、サキエルハーレム計画を練ってたのに。なんでまた投げるだす! ぎゃーーー何かに当たった!! あれっ、もう寝ていいだすか! うちはニートじゃないけど、働きたくないだす!」
「ギャーーーー。何で俺も? そっちじゃない、投げるなら気を失っている猫耳娘の胸に投げろー。ぎゃーーー俺も何かに当たってるー! あれっ、もう、シャムシエル様は、何もしないからな! あとは、神様が働くんだな!」
「よしっ! 敵の攻撃は防いだ! 今だビカム! あいつ、あそこにいる兵士を魔法攻撃でも何してもいい。すぐに倒すんだ!」
「あいつねー! ちょっと遠いなー! ま、届くか! えいっ!!!」
「ぎゃーーーーーーーーーーーー!!! ま、まおうさま万歳!!! ガクッ!」
「あちゃー! ベルフェゴールのやつ、体が真っ二つになってるよ! ビカムが何したんだか、神様も分からなかったよ。まっ、いいや! そんなことより、魔王! 手下も葬ったし、あとはお前だけだな! って、ビカム何してんだ!」
「もういい、お前、邪魔!!! ビカムキーック!」
「ピューーー! ドガガガッーン! 痛たたたたた! あのやろう、また神様を蹴りやがった。なんでここまで来て、こんなことすんだよ。何がやりたいんだよ! ・・・まあ、いいや。ここから見てるよ、って、誰も聞いてないか」




