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60 変身

 「はいはーい! みんなもう大丈夫だから! 敵は消滅したよー! それにしても、ビカムは何がどうなったんだろうね? 神様のことを思い出した? ねぇ、ねぇ。あのさー君は何を覚えていて、何を忘れたの?」


 「うーん。僕は、強くて、カッコよくて無双ができる!」 


 「はいはい、それはそうだね。でも、そういうことじゃなくてさー! 君はさ、神様がチート能力をあげるっていってもダダをこねて、仕方なく神様が働くと言ったから、この世界に来たんだよね! ねっ! そうだったでしょ?」


 「えっ! 違うよ! 自分で力を得て、無双してたんだよ!」


 「ほぇ? ほぇほぇほぇーーーーーー。なーにを言ってるのかなー。・・・あれっ、もしかして、もしかして、ダメ人間、ぐうたら勇者、エロ勇者じゃないって、思ってたりするの? ひょっとして、すごいレベルで忘れてるの?」


 「誰がぐうたらだ! 誰が変態勇者だ! こいつやっていいかなー!」


 「おいおいおいおい!! いやいやいや、やっちゃダメだけどさー。これは、何がどうなってるんだよ! 神様、頭が痛くなってきたよー! 誰か説明してくれよ! TSキノコ恐るべしだよ! 記憶を書き換えてるのかよ??」


 「すごい性格の変わりかただす!」


 「ほんとだよなー! これって、人としてどうかと思うよなー。神様が言っていた物語の様式美を崩しているしな」


 「バカ天使はうるさいんだよ! 今はお前らを構っている暇はねーよ!! じゃあさ、ビカム君、これからの戦いでの大切なことを聞くよ! 君はさ、犬耳姫とかウサ耳姫とかとハーレムするのは好きなんだよね。さあ、どうかなー?」


 「ハーレム? 勇者が女の子を守るのは当たり前じゃん!」


 「そうだねー! うんうん。困っている人を助けるのが勇者だからねー! でも、今ハーレムに『?』をつけたねー。それってあれかなー! ハーレムってなんだ? そんなもの目指してねーよ! みたいな硬派な感じなのかなー?」


 「あんた、さっきから何いってんの? 勇者に嫉妬してんの?」


 「こいつ、完全にいかれただすな! これは、むっつりスケベに変身しただす! そんなビカムはいらないだす! もっとエロくないと、仲間にしてあげないだす!」


 「ああ、そうだな! あんなにキラキラ輝いていたエロエロ勇者が、ここまで変わるとなー。さすがに天才医師シャムシエル様も、TSキノコに脱帽だな」


 「なんか、全部まとめて始末したくなってきた! ビカム・・・!」


 「ち、ちょっと! ちょっと待ったーー! それはなしだよ! そういうことはしないでね! あーーーもうさ、いいや! ハーレム関連はもういいや! じゃあさ、最後の質問。君は魔王を倒してくれるんだよね。ねっ、ねっ!!」


 「もちろん!! 勇者の大冒険の最後はカッコよく決めないとね!!」


 「キ、キャッホーー! なーんか知らないけど、それならいい。その言葉が聞ければ問題なし。これは瓢箪から駒・・・どころじゃないね、大判小判がざっくざくだね。素晴らしい勇者になってるじゃん! うんうん。これで行こう!」


 「キャッホーーしてるだす! 出ただす、ご都合主義! お坊ちゃんの得意技だす! TSで、まともになるって、そこで物語は破綻してるのに!」


 「そうだよなー! 自分さえよければあとはどうでもいい臭が、プンプンしているよな! これが神様ってんだから、あきれるよなー」


 「はいはい。言ってろバカ天使!! よしっ! それじゃ、ビカムと一緒に魔王と残り2匹の七つの大罪(セブンズデビル)を倒しに行こうね! では、吸血姫様、狼姉弟、バニーたちはここで待って、犬耳姫を看病してください」


 「はい! 分かりました! 神様、お気をつけて!」


 「おじいちゃん! またね!」


 「「「はーい! 分かりましたー!」」」


 「おい、ゴミ虫! なんで妾がここに残るのじゃ。妾はビカム殿と一緒に参るぞ!!」


 「吸血姫様はみんなの護衛をお願いします! もう大丈夫だとは思いますが、また敵が襲ってくるかもしれませんし。吸血姫様がいてくだされば、安心できます。ピンチになったり、戦いが終わったら角笛でお呼びしますから!」


 「なるほどのー。バカ犬もここにおるし、それならそうするかのー。クックック。そうだったのー。バカ犬には、まだ、たくさんいたずらしてやらねばならんしな」


 「はい。それで、よろしくお願いします。では、神様たちは、城に行って、魔王を捻ってきますから。あーー、それと犬耳姫には、あんまりひどいことはしないでくださいね。よし、ビカムと天使ども、最終決戦だよ! ほら、行くよ!」


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